呼吸器内科を専門とする医師が診療
睡眠時無呼吸症候群や禁煙指導
中央内科クリニック
(中央区/人形町駅)
最終更新日:2025/11/14
- 保険診療
「中央内科クリニック」の村松弘康院長は、呼吸器内科の医師として喘息を専門に診療してきた経験を持つ。そこから派生して、喘息の難治化因子でもある睡眠時無呼吸症候群や喫煙・受動喫煙に関する造詣が深く、同院でも治療に注力している領域だ。睡眠中に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群は、心臓や脳に負担をかけ、放置すると脳卒中、狭心症、心筋梗塞など重篤な合併症を引き起こす危険性がある。喫煙についても、喘息、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、肺がんなどとの関連性が指摘されている。村松院長は、睡眠時無呼吸症候群が日本でまだあまり知られていなかった頃から診療に携わるとともに、喫煙の有害性にも早くから注目してきた。そんな村松院長に、睡眠時無呼吸症候群と喫煙のリスクやアプローチ方法などについて聞いた。
(取材日2025年10月1日)
目次
睡眠時無呼吸症候群と喫煙習慣に着目。多角的な視点で診療を行う
- Q睡眠時無呼吸症候群との出合いを教えてください。
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A
▲難治性喘息の背景に潜む、睡眠時無呼吸症候群の存在に出合う
私が1989年に医師になった時、まだ日本で睡眠時無呼吸症候群はあまり知られていませんでした。私が初めて症例に遭遇したのは、国立国際医療研究センターで喘息を専門に診療していた頃でした。入院中の喘息患者さんが夜間に低酸素を来して苦しくて起きてしまったのですが、聴診しても喘鳴がまったくなかったのです。喘息発作に似た症状ですが、喘息では説明がつかない、この症例こそが私が経験した最初の睡眠時無呼吸症候群だったのです。実は、睡眠時無呼吸症候群の人は、喘息が難治化しやすいんですね。私は喘息を専門にしていたおかげで、早くから睡眠時無呼吸症候群に出合うことができました。
- Q睡眠時無呼吸症候群にはどのようなリスクがありますか?
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A
▲睡眠時無呼吸症候群は、単なる“いびき”ではない
睡眠時無呼吸症候群は、夜間に何度も首を絞められ脳が起こされるような状態です。酸素が不足するので脳や心臓に負担をかけ、認知症のリスクにもつながり、脳卒中や心臓発作を起こす危険があります。睡眠不足のため日中に眠くなるという弊害もあり、交通事故のリスクも高まります。また、睡眠時無呼吸症候群は胃液が逆流しやすいため、逆流性食道炎が難治化しやすくなります。さらに、睡眠時無呼吸症候群は肥満を合併していることが多く、糖尿病や循環器系疾患を併発しているケースも。当院は、循環器内科・消化器内科・呼吸器内科・糖尿病内科の専門家を呼び、院内で連携して治療にあたる体制を整えているため、さまざまなケースに対応可能です。
- Q喫煙のリスクについても教えてください。
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A
▲早期から禁煙診療に取り組み、患者の呼吸器疾患予防に努める
喫煙は多くの疾患の発症要因になります。タバコの煙に含まれる70種類以上の発がん物質が肺から全身に流れていくため、体中のがんの発症リスクが高まります。また、活性酸素を吸い込むため、全身の細胞が酸化・老化する他、酸化脂質が増えることで動脈硬化も進みます。加えて受動喫煙も問題ですね。喘息患者さんの多くは受動喫煙による喘息発作で苦しんでいます。前述の喫煙で発症する疾患のほとんどが、受動喫煙でも発症することが確認されています。私は大学病院で肺がんや喘息の患者さんを多数診てきましたが、多くの人が喫煙・受動喫煙で苦しんでいました。そうした方を少しでも減らしたいと考え、当院では早くから禁煙診療を始めました。
- Q喫煙者に対して、どのようにアプローチされていますか?
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A
▲タバコは、喘息やCOPDの引き金に
禁煙をお勧めすると、「タバコを吸う権利や自由もあるでしょう」とおっしゃる方々がいらっしゃいます。しかし、喫煙行為の本質は「ニコチン依存症」であることが医学的に明らかになっています。私は、これまでに数多くの患者さんの禁煙の外来を担当してきました。皆さん貴重な時間とお金を費やし、禁煙補助薬も使いながら真剣にやめようとしているのですが、やめられない方々は決して少なくありません。私は「タバコをやめる権利や自由が奪われているなぁ」と常々思うのです。やめる権利や自由が奪われるのであれば、吸う権利や自由にも何らかの規制をかけなければならないでしょう。まずは、そこをご理解いただく必要があると考えています。
- Q具体的にどのような治療をしているのでしょうか?
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A
▲禁煙は自分の意志だけでの達成は難しく、医学的なサポートが必要
タバコへの依存には、ニコチンという薬物に対する薬理学的・身体的依存と、喫煙行為自体に対する行動学的・精神的依存の2つがあります。ニコチンが存在する状態で一度神経がバランスを取った体は、ニコチンが枯渇してくると逆にバランスが乱れ、禁断症状を感じて吸いたくなります。これが身体的依存です。従って、ニコチンやニコチンの類似作用がある禁煙補助薬を体に入れ、禁断症状を抑えながら喫煙習慣を抜くことに専念する必要があります。薬を使用しながら、治療開始から0週目となる初診と、2週、4週、8週、12週目と4回の再診を受けていただき、吸いたくなった時の対処法に関する指導を受け身も心もタバコからの卒業をめざします。

