真鍋 秀樹 院長の独自取材記事
水天宮前歯科医院
(中央区/水天宮前駅)
最終更新日:2026/04/01
「まずは、その人が何に困っているのか。その悩みの背景を知るところからスタートしないと前に進めないんです」と、穏やかな口調で語る真鍋秀樹院長の話に吸い込まれるように聞き入った。「水天宮前歯科医院」は、広々とした院内に先進の機器を備え、高度なインプラント治療にも対応するが、決して技術先行のクリニックではない。診療の出発点は徹底したカウンセリングであり、患者の言葉の奥にある本当の願いまで理解することを何より重んじている。安心領域にとどまらず挑戦を続けてきた人生観と、人を思う誠実さで患者との信頼関係の構築に励む真鍋院長に、クリニックでの取り組みや自身が大切にしている「歯科医療の真髄」について語ってもらった。
(取材日2026年2月25日)
対話から信頼関係を築き、人を診る歯科医療を
こちらのクリニックは、移転を経て進化されてきたとお聞きしました。

はい。当院は1991年に開業し、その後2度の移転で現在の場所に落ち着きました。ここに来る前は約29坪のクリニックで、院内のすべてに目が届き、院長の私が中心となって運営するトップダウン型の体制でした。しかし移転後は規模が拡大し、もはや私一人ですべてを見渡すことはできません。環境の変化は、組織の在り方そのものを変える契機となりました。副院長やチーフ歯科衛生士といった幹部に方針を共有し、スタッフを信頼して任せる体制へとかじを切ったのです。院長の下に複数のリーダーが立ち、それぞれが責任を持って現場を支えていく組織へと進化しました。任せることで人が育ち、育った人がさらに組織を強くする。移転後に見えた景色は、広がった空間だけでなく、信頼に支えられた新しいチームのかたちでした。
そんなチームづくりで、多くのクチコミや紹介へとつながったそうですね。
一番をめざして規模や設備を整え、地域で存在感を高めてきたことは、当院の土台となりました。しかし、本当に大事なことは、規模や設備ではなく私たちの「歯科医療に向かう姿勢」にあるのではないかと思っています。私たちが診療で何より大切にしているのは、患者さんの本当の悩みを丁寧に聞くこと。表に出た主訴だけでなく、その背景にある思いや人生の目的まで理解しようと努めてきました。例えば「抜けた歯を入れたい」と来院された方も、深くお話を伺っていくと実は糖尿病をきっかけに食を見直して玄米食を取り入れ、「しっかり噛んで味わい、生活から生き方を変えていきたい」という希望を持っていらっしゃいました。患者さんと歯科医師が思いを共有して初めて治療は意味を持ちます。誠実な対話の積み重ねこそが信頼の裏づけとなり、「ここで治療を受けたい」と選ばれ続ける理由になっているのかなと推測しています。
治療前のカウンセリングを大切にしていらっしゃるのですね。

「治療に入る前に信頼関係を築くことこそが、最良の医療につながる」その考えから、カウンセリングを何よりも重視しています。患者さんの言葉を丁寧に聞き、思いを共有できた瞬間、「全面的に先生に任せたい」と自然に言葉が出て、信頼が生まれてきます。そのスタートを大切にするため、専用のカウンセリング室を設け、外部の勉強会にも積極的に参加して学びを深めてきました。口の中だけでなく、その人の背景まで理解してから治療を始める姿勢が、多くの共感を呼んで今の結果へとつながっているのだと感じています。すべての患者さんの最初から最後まで私が担うには限界があるので、現在はスタッフと連携しながら質を保ちつつ、対話を軸にした診療体制を築いています。
挑戦し続け、人間力を極めた先に築いた診療の形
開業までのご経歴について伺います。

大学卒業後は先輩との縁に導かれ、臨床経験を重ねる日々でした。その後、歯科医師としての理念や心構えなどを説く、マイアミの先生のフィロソフィーに出会い、「人として信頼されてこそ治療が生きる」という考えに感銘を受けました。最初は雷に打たれたような衝撃でしたが、この教えが私の基礎となって今のクリニックをつくり上げてきたと思っています。さらに成功者の共通点をまとめた世界的ベストセラー本の翻訳者の教えにふれる機会にも恵まれ、挑戦する大切さを学びました。クリニックの移転を決断したのも「得意なことだけやって安心領域の中だけで行動していても、人間の器は広がらない」という言葉に背中を押されたからです。以後、そのベストセラー本の著者とも出会えて感無量でした。多くの師や仲間との出会いが視野を広げ、技術だけでなく人間力を磨く道へと導いてくれました。人との出会いこそが自身の成長と今のクリニックの礎になっています。
歯科医師として大切にしていることは何ですか?
「すべてが診られなければ、プロではない」という信条のもと診療を行っています。私は、開業当初から、将来インプラント治療の需要は高まると考え、インプラント治療で豊富な実績を持つ先生に師事し、症例発表会に参加し論文を発表してきました。国内だけでなくアメリカの大学でも研鑽し、常に専門性を磨いてきた自負があります。しかし、インプラントだけ優れていても真のプロとは言えません。詰め物や根管治療など、日常診療の予後が伴わなければ意味がない。すべての治療に責任を持ち、高水準で提供してこそ「歯科医師としての使命を果たせる」と思っています。それが私の技術と姿勢の両方を磨き続ける、原動力になっています。
常にブラッシュアップを重ねてこられたのですね。

はい。人生は一度きりですから、安定した環境にとどまり、自分にできることだけを続けるのはもったいない。成長のためには「どうしたらもっと良くなるか」と問い続け、多くの人と出会い、学び、自分を磨くことが大切です。知識や高度な技術を身につけ、できることが増えても、それだけでは十分ではありません。学んだことを実際の診療で生かし、患者さんに心から満足してもらえてこそ本当の価値が生まれる。大切なのは一方通行の医療ではなく、互いに理解し合い、同じゴールを共有すること。患者さんとともに、より良い人生をめざす姿勢が、真の成長につながると考えています。
めざすのは自分の役割を考え、誠心誠意向き合うチーム
先生が歯科医師の道を選ばれ、挑戦を続けていらっしゃるのはどうしてですか?

子どもの頃、喘息で毎週のように病院に通っていました。医師の処置を受ける度に先生が神さまのように見え、「人を助ける仕事がしたい」と思ったことが、歯科医師を志した原点です。しかし人生は、順風満帆ではありませんでした。スキーの事故で、8時間の手術を要する大けがを負いましたが、「必ず復活する」と誓い、リハビリテーションを乗り越えてハーフマラソンに挑み、その後はフルマラソン、さらには100キロのウルトラマラソンやトライアスロンも完走してきました。その挑戦する姿に勇気をもらったと周りの人たちに言われた経験から、困難に挑み続けること自体が自分の使命だと確信。だからこそ今も、歯科医療の道で挑戦を続けているのです。
スタッフへの思いをお聞かせください。
クリニックの規模が大きくなった今、チーム医療で最も大切にしているのは「全員が理念を理解し、自分の役割を考えること」です。患者さんの真の悩みを理解し、誠心誠意向き合うという方針のもと、歯科医師、歯科衛生士、歯科助手、スタッフそれぞれが「自分は何で貢献できるか」を主体的に考えるチームをめざしています。ただあいさつや笑顔を求めるのではなく、なぜそれが大切なのか、という本質まで共有する。礼節の勉強会を行っているのもその一環です。長年勤務するスタッフも多く、数回の出産を経てもその度に戻ってきてくれるのは、働きやすさとやりがいの証だと思っています。互いを尊重し合う風土こそが、質の高い医療を支えているのです。
最後に、クリニックの今後のビジョンについて伺います。

診療を任せられる人材を育てていきたいです。後進の指導で大切にしているのは、手取り足取り教えることではなく、自ら学び、考え、道を切り開く力を育てることです。簡単な症例は任せつつ、必要な学びは自分で選び取る姿勢を求めています。長年積み重ねた技術は一朝一夕では身につかないからこそ、自分で考えながら模索してほしい。めざすのは、理念を共有し、それぞれが責任を持って動けるクリニック。人材を育て、世代を超えて続く組織へと発展させ、持続可能な医療体制を築いていくことが今後のビジョンです。歯は失ってみて、初めてその大切さに気がつくもの。そうならないよう、私たちが伝え、支えていけたら思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/47万3000円~、矯正/52万8000円~、ONEDAYセラミック/3万800円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

