川村 裕 院長の独自取材記事
川村歯科医院
(杉並区/井荻駅)
最終更新日:2026/05/15
1987年に台東区で開業した「川村歯科医院」は、2006年に杉並区の法務局杉並出張所バス停留所のすぐ目の前へと移転。3世代で通う患者もいるという、地域で親しまれてきた歯科医院だ。院長を務める川村裕先生は、虫歯や歯周病の治療をはじめ、入れ歯治療や予防歯科、審美歯科など幅広い診療を提供するとともに、顎関節症の治療や口呼吸の改善にも注力。多角的な視点を持った診療により、全身の健康づくりに寄与している。「憂鬱な顔で来られた方が、笑顔でお帰りいただけるような歯科医院でありたいです」、そう笑顔を浮かべる、話し上手で気さくな川村院長に、診療へのこだわりや地域への思いをたっぷり語ってもらった。
(取材日2012年12月21日/再取材2026年3月30日)
生まれ育った地元で総合的な歯科診療を提供
歯科医師をめざしてから開業されるまでの歩みを教えてください。

父が歯科医師としてこの土地で開業していたんです。父は家でよく仕事の話をしていたので、歯科医師という職業は身近なものでした。人を助けるという医療業界への憧れもあったので歯科医師をめざすことに決め、1979年に日本大学歯学部へ進学。大学卒業後は、そのまま「日本大学歯学部付属歯科病院」の総義歯補綴学教室に、研究の傍ら勤務することになりました。総義歯を専門とした理由はいろいろあるのですが、その一つは口の中を総合的に診られるからです。噛み合わせはもちろんですが、顎関節の位置や噛み癖、残っている歯への影響などを総合的に考えて、初めて使いやすく負担の少ない義歯ができあがるのです。口の中のあらゆる要素を総合的に考えて作られるのが、総義歯(総入れ歯)なんですよ。
開業から今年40周年を迎えられる歴史の長い歯科医院ですね。
1987年に、縁のあった先生の物件を譲っていただいて浅草橋駅前で開業し、20年間診療を行いました。その後、地元で開業していた父が亡くなったことを機に、父を慕ってくれていた地元の方々を診なければと考えるようになって。何より生まれ育った土地に戻りたいという想いも強くなり、2006年にここ杉並区桃井に移転開業する運びとなりました。現在は圧倒的にご高齢の方が多くいらしていますが、お子さん、お孫さんまで3世代でいらしてくださるご家族もいらっしゃいます。ありがたい限りですし、長くお付き合いをさせていただけることがうれしいですね。地域の方々に認識していただけているのではないかと思います。
診療内容についてお聞かせください。

地域に根差した総合的な歯科診療をご提供したいという思いで診療にあたってきました。近年は何かの治療に特化した先生や歯科医院も増えていますが、私はあくまで幅広い診療スタイルを維持しています。患者さんに何か困ったことがあったときに、気軽に相談に来れる場所でありたいからです。虫歯や歯周病、予防、噛み合わせ、入れ歯、矯正、審美歯科、ホワイトニングなど、お口の中全体を多角的に診ながら幅広い診療を行うとともに、より専門的な治療が必要な場合は、その道の専門家の先生をご紹介していますね。30年ほど、当院の近所にある中央大学杉並高校の校医も務めております。最近は虫歯が減り、歯列矯正をされている若い方が非常に多い印象を受けます。
顎関節の不具合に、筋肉へ直にアプローチ
治療においてどんなことを重視されていますか?

なるべく抜かない・削らない治療法です。私は天然の歯が一番丈夫だと思っているので、少しでも長くご自身の歯を使い続けられるように、どう守っていくかを常に考えています。そのため矯正においては床矯正といって、成長期のお子さんの顎の幅を広げ、歯が並ぶスペースを確保する治療に対応しています。歯を抜かずに歯を並べることができるほか、取り外しができる装置を使うので、食事や歯磨きの際に不便もありませんし、学校にしていく必要はないと考えているので見た目を気にしなくて良いこともメリットといえるでしょう。ただ、人によって2〜3年、長い方だと5〜6年と、長期間の根気強い治療が必要です。
また、顎関節症の治療にも力を注がれているそうですね。
はい。1本の歯に1mm以下の微調整をすることも可能ですし、顎関節症の改善につながればと考えています。顎関節症は顎の痛みや違和感、あくびをすると音がする、口を開けられないといった症状のほか、頭痛や耳痛、首や肩が凝ることもあります。患者さんに原因となる噛みしめや歯ぎしり、片方で噛む癖、頬づえなどの生活習慣をお尋ねし、マウスピースを就寝時に装着してもらいながら治療を進めるのが一般的です。しかし、私の場合はほとんどマウスピースを使っていません。指を口の中に入れて内側から触り、筋肉を緩めるためにマッサージを取り入れています。週に2~3回治療を行っていくことが一般的で、ティースプーンでしか食事ができないほど重症の方でも、食事を楽しめるように努めています。おいしいものをおいしく食べられることは、一見当たり前のことのように感じますが、全身と心の健康につながる大切な治療だと思います。
顎関節症は女性に多いイメージです。

私が学生の頃、顎関節症は10代後半から20代の女性に多い病気だといわれていましたが、当院には3歳くらいの小さなお子さんから80歳過ぎの高齢者まで、幅広い年齢の女性がご相談にいらっしゃっています。患者さんによくお伝えするのは、顎関節症は慢性の病気であるということです。環境や生活の変化によってストレスがたまり、ひどく疲れたりすると、また同じような症状が現れることがあります。「私の所に来てもらえればなんとかしますから、心配しないでね」と、お伝えしています。また、顎関節症のリスクを高める口呼吸の改善にも着目しているところです。口呼吸は唾液を蒸発させ、乾燥によって自浄作用を失わせてしまいます。唾液がもともと少ない方は、奥歯に虫歯が多いという傾向も見られるんですよ。全身の健康にも影響を及ぼす口呼吸の原因を探り、鼻呼吸に促すための治療やトレーニングも行っています。
「何か変なんだよね」くらいの段階で、気軽に相談を
得意とされている総義歯治療についてはいかがでしょうか?

インプラント治療が盛んになってきたので、義歯は必要ないという声も聞きます。ですが、私は患者さんのために、インプラントや義歯、またはブリッジなど、幅広い選択肢があるべきだと思っています。骨の厚みや歯周病の有無によってはインプラントが適さないケースもありますし、左右の歯が弱っていると、ブリッジはリスクが高くなります。そういう時に選択肢として義歯が必要です。総義歯は、型を採ってできあがったら口に入れてそれで終わりだと思っている方が多いようですが、むしろ口に入れてからがスタートです。噛み癖だけでなく、眠り方や頬づえなどの癖によって、噛む時に力の加わる場所が人によって異なるため、義歯もそれに合わせて変えていく必要があるのです。義歯を使ってもらいながらなじませていく調整が要だと考えています。体質や癖に合わせた小さな調整の積み重ねによって、お口の中でフィットする状態を作り上げていくことが大切です。
地域にとってどんな存在でありたいとお考えですか?
歯やお口のことで困り事があり、当院に入ってこられた時は憂鬱そうな顔をしていた方が、ちょっとでも表情が緩み、笑顔でお帰りになれるような歯科医院でありたいです。噛み合わせが悪いと、体の他の部分の症状を引き起こすこともあるのです。口や歯を体の一部と考え、患者さんの体のどこか調子が悪い時に、それを治す手助けができる医療者の一人でありたいと思っています。私はまだまだ修行中です! これからも日々精進してまいります。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

歯磨きはもちろんのこと、何ヵ月かに1度、お掃除をしに歯科医院へ通うことは、世の中で当たり前の認識になってきていると思います。定期検診にいらした際、噛み合わせや顎の調子など少しでも気になることがあれば「何か変なんだよね」くらいで良いので、気軽にお話ししてください。こちらも疑いの目を持って丁寧にチェックができますので、訴えてもらうことが大切だと思います。ただ、患者さんが相談しやすいことが一番だと思いますので、当院ではなく、すでに通っているかかりつけ医のところでご相談されてもいいと思います。もちろん当院にもお気軽にご相談にいらしてください。お待ちしております。
自由診療費用の目安
自由診療とは床矯正/約25万円~、ホワイトニング(1本)/1万円~、金属床義歯/25万~、レジン床義歯/10万~

