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森 三樹二 理事長の独自取材記事

荻窪胃腸クリニック

(杉並区/荻窪駅)

最終更新日:2024/09/20

森三樹二理事長 荻窪胃腸クリニック main

1974年の開院以来、「荻窪胃腸クリニック」は地域の健康を守ってきた。JR中央・総武線荻窪駅西口よりすぐの場所で理事長を務める森三樹二先生は、消化器分野を主軸とした外来診療に加え、働く人のメンタルヘルスケアにも取り組む。外来診療は消化器、循環器、内分泌、アレルギーなどの内科全般はもちろん、胃・大腸の内視鏡検査も実施。杉並区・練馬区・中野区・世田谷区の区民健診や人間ドックの受診も可能。「少なくとも平均寿命までは健康に過ごしてほしい」と目を細める森理事長の夢は、「地域の健康寿命の延伸」だという。地域の人々がいつまでも健康で過ごすために、病気の早期発見・早期治療、そして予防にも力を注ぐ。さまざまな検査が受けられる環境を構築し、土日診療も実施。地域医療のために邁進する森理事長に話を聞いた。

(取材日2024年8月27日)

50年にわたり地域の健康を支えてきたクリニック

今年は開院50周年ですね。

森三樹二理事長 荻窪胃腸クリニック1

1974年に前理事長の父が開院し、早いもので50年たちます。開院当時はまだ幼かったのでほとんど記憶はありませんが、家で一人になるような時は父と一緒にここへ来て、外の景色を見たりしながら診療が終わるのを待っていたことを思い出します。父は大学病院でも仕事をしていたので、休みなく働く姿を見て、子どもながらに「自分は医師になりたくないな」と思っていましたね。今では、人の命に携われる貴重な仕事に就けて良かったと思っています。当時は野球選手や天文学者になりたいと思っていましたが、高校生くらいになると医師という職業選択が濃厚になり、東京医科大学へ進学。卒業後は慶應義塾大学医学部大学院に進みました。

大学院ではどのような分野の研究をされたのですか?

ピロリ菌に関する研究をずっとしていました。内視鏡検査をはじめとする臨床と研究に明け暮れる日々で、毎日終電で帰っていました。大学院修了後も10年ほど大学に残り、救命救急も行う関連病院で4年ほど勤務し、2年間米国ルイジアナ州へ留学するなど、幅広く研鑽を積みました。内科は、消化器、循環器、内分泌、呼吸器、血液など、細かく専門が分かれていますが、その中でも特に消化器は全身を診ることができないと成り立たない分野であると思い、そこに魅力を感じたんです。それは今の診療にも非常に役立っています。院長である姉、そして弟も循環器分野が専門です。ここで一緒に診療を行うようになり15年以上たちます。私が継承した後も父を慕って来てくださる患者さんがたくさんいますので、改めて父の存在の大きさを実感する年月でもありました。

地域医療に情熱を注いできた前理事長の思いを引き継いでいるのですね。

森三樹二理事長 荻窪胃腸クリニック2

地域の方々を家族のように大事にしている父でした。その思いは私たちも同じで、地域の皆さんに対しては家族を診るような気持ちで診療にあたっています。それは、やはり父の姿を見ていたからでしょうね。当院には風邪や胃腸炎などの症状で来られる若年層をはじめ、働き盛りの年代、高齢者など幅広い層が来院されますが、特に多い印象なのは中高年から高齢者ですね。消化器、循環器、内分泌、神経など広く診療を行っていますが、胃・大腸の内視鏡検査だけでなく、胃のバリウム検査をはじめ、超音波やCT、エックス線を使った検査の他、動脈硬化や骨密度の測定、心電図検査、血液検査、呼吸機能検査などの検査も実施しています。また、杉並区、練馬区、中野区、世田谷区の区民健診や人間ドックなどにも対応し、病気の早期発見・早期治療に注力しています。

限られた命を健康で過ごすためのサポートを

どのような症状で来院される方が多いのですか。

森三樹二理事長 荻窪胃腸クリニック3

やはり、動脈硬化や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病でしょうか。心疾患や脳にも悪影響が及ぶ可能性があるので、注意深く診ています。しかし、患者さんご自身は自覚症状がないことから、なかなかピンとこない方も多いのです。徐々に理解を深めていただき、生活習慣の見直しから始め、無理のない程度にご自身で取り組めるようなアプローチをします。つらいことばかりになってしまうと長続きしませんし、何より楽しく過ごせませんよね。例えば糖尿病の患者さんが甘いものを一切絶ってしまうと、血糖値は改善を図れても、ストレスが増大する可能性も否めませんので、そこはうまくバランスを取りながら助言しています。以前はその方のためと厳しく指導していましたが、厳しいだけでは駄目だと気づいてからは、楽しみも盛り込みながら調整していく指導へと変化させました。

各種検査に対応されている点も、心強く感じている方が多いのではないでしょうか。

ええ。父の代から、すぐに検査ができる環境は整えていましたので、これは当院の特徴でもあります。先ほどお伝えした各種検査以外に加え、睡眠時無呼吸症候群やアレルギー検査も可能です。さまざまなニーズにお応えできる環境を構築しています。また、肩凝りや片頭痛の他、よく眠れない・イライラする・何だかだるいといった不定愁訴や、更年期症状や冷え性には漢方でのアプローチも試みます。

とても幅広く対応されていますが、どのような思いがあるのでしょう?

森三樹二理事長 荻窪胃腸クリニック4

皆さんには、少なくとも平均寿命までは健康に過ごしてほしい。その思いのみです。父は生前、最終的に願うのは「不老不死の薬を開発することだ」と常々言っていました。しかし永遠に命があると、何に対しても明日やればいいとなり、人にも優しくできなくなるのではないかと思い、父に「命が永遠にあるのは良くないと思う。限られた命だからこそ、楽しいし、人にも優しくできるんだよ」と言ったことがあるんです。「終わりはあるけれど、その限りある時間をできるだけ長く健康に過ごしてほしい」。これが私の願いです。だから、患者さんには「最低でも平均寿命までは生きてね」と言います。なぜかというと、家族も諦めがつくから。父は平均寿命で亡くなりました。悲しかったけれども、平均寿命まで生きられたことで諦めがついたんです。だからご自身の体を大事にされない方には、私の経験を伝えます。「ご家族が諦めがつかないんですよ」と。

「患者さんは家族」。その思いが明日への活力になる

森理事長のお言葉が胸に響く方も多いでしょうね。

森三樹二理事長 荻窪胃腸クリニック5

前向きになってくださっているとありがたいですね。患者さんを家族のように思って診察していますので、せめて平均寿命まで健康でいてくださらないと、もっと何かできたんじゃないかと、私たちも諦めがつきません。当院には3人の医師がいますので、さまざまなアプローチが可能です。患者さんに合った治療法が提案できると思いますので、どんなことでも気軽にご相談いただけるとうれしいです。私は外来診療に出ていない週2回は、働く人のメンタルヘルスケアも担当し、心のサポートに注力しています。ストレス社会ですから、病気になる前に食い止めることができるよう力を尽くします。

多くのサポートをされていますが、バイタリティーはどこから来るのでしょう。

家族が困っていたら手は抜けませんよね。相談を受ければ、その思いに全力で応えたいですし、患者さんを家族だと思う気持ちが明日への活力になっているような気がします。漢方を取り入れたのもその一つで、西洋医学だけではなかなか改善しない症状もあることを、診療していく中で体験してきました。手を尽くしても改善が見られないのは、悔しいですし、つらいことです。漢方はすべての方に合うとは限りませんが、改善をめざすための方法の一つだと思っていて、特に不定愁訴や更年期症状には有用だと考えています。漢方薬の処方を希望される方も、遠慮なくご相談ください。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

森三樹二理事長 荻窪胃腸クリニック6

情報社会になり、簡単に情報を入手できますが、すべての情報が正しいわけではありませんので、うのみにしないでほしいと思います。そして、くれぐれも自己判断せずに、専門家に診てもらってください。患者さんの中には、「こんなことで受診するのは申し訳ない」と遠慮される方もいます。しかし、気になることがあれば、たとえ些細なことであっても構いません。患者さんに安心いただくのもわれわれの役目です。それこそ、漢方は「何だか調子が悪い」といった症状にも処方することがあり、適用は幅広いです。発病には至らないけれども、何かしらの軽い症状がある「未病」という言葉もありますので、早めに異常を見つけて病気を予防に努めることが大事です。「だるい」「やる気が出ない」「寝つきが悪い」といった症状も受診のサインです。そしてストレスをため込まないことと、適度な運動を取り入れた生活を心がけてくださいね。

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