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中島 由美子 院長の独自取材記事

下平レディスクリニック

(杉並区/東高円寺駅)

最終更新日:2024/09/02

中島由美子院長 下平レディスクリニック main

東京メトロ丸ノ内線の東高円寺駅から徒歩約5分の閑静な住宅地にたたずむ「下平レディスクリニック」。しゃれた建物と絵画が飾られた温かみのある院内は、まるで知人宅に招かれたような居心地の良さを感じることができる空間だ。祖父も父も産婦人科の医師という生粋の医療家系に育ち、自身も3人の子どもを育て上げた母である中島由美子院長は、気さくな人柄が魅力のドクター。「女性ならではの悩みを根気良く引っ張り出して聞いて差し上げるのも開業医の仕事です」と語る中島院長。その一言からも患者から頼られる理由がわかる。多くの女性たちの健康を見守り、患者の人生のターニングポイントにも影響を与えてきた中島院長に話を聞いた。

(取材日2019年6月10日/更新日2023年7月28日)

生物や植物に親しみ、自然と興味を持った医師への道

とても居心地の良い院内ですね。

中島由美子院長 下平レディスクリニック1

父が千代田区にある東京逓信病院の産婦人科部長を退任すると同時に、自宅を改造して1989年に「下平クリニック」を開業しました。私自身は産婦人科の医師として東京の大学病院や群馬の病院に勤務していましたが、子育ての真っ最中だった時期に、パートとして父を手伝い始め、父が亡くなった2004年に院長としてクリニックを引き継ぎました。父の時代はここでお産もしていましたので、その名残でご自宅にいるように落ち着いて過ごせるお部屋が今も残っています。家具や調度品にもこだわった温かみのある部屋で、手術や処置を受けた後の患者さんは、そこでゆっくりと休んでいただいています。ここは私の実家でもあるので、様変わりした町の中にも故郷ならではの懐かしさが残っていて心が落ち着きます。

医師をめざされたのは、やはりお父さまの影響ですか?

祖父も父も産婦人科の医師でしたから、その影響は大きいですね。自分も医師になるんだと自然に思っていたところはあります。私は小さい頃から生物が大好きな子どもでしたので、チョウや昆虫が好きな父が、捕まえてきた虫やチョウをどのように標本にするのか丁寧に教えてくれました。そんなわけで、小学生の頃の夏休みの自由研究の課題は毎年昆虫採集でした(笑)。また、母は植物採集によく付き合ってくれました。野山を一緒に歩いては摘んだ花を押し花にしたり、標本にした後は植物図鑑で名前を一緒に調べました。日々の遊びの中から、医学の道に通じる生物への興味が湧いてきた気がしますね。もしかしたら父や母の作戦だったのかもしれませんが(笑)、私自身がとても楽しんでいたことを覚えています。

先生をはじめ、スタッフも全員女性ですね。

中島由美子院長 下平レディスクリニック2

男性医師、女性医師という区別はあまり好きではないのですが、思春期の若いお嬢さんが初めて婦人科を訪れる場合は、女性医師のほうが受診しやすいかもしれませんね。父の代からの患者さんがお嬢さんをお連れになったりすることもあるので、当院には若い方も来院されます。女性だからということだけでなく、地域に根差した開業医だからこそできることもあると思います。大きな病院や大学病院では先端の治療が受けられると思いますが、患者さんも多く、先生方も忙しそうで、自分の体調の悪さを上手に表現することができなかったとおっしゃる方もとても多いんですよ。話を聞いてほしくて来られていても、なかなか本音を打ち明けられない方も多いですね。話をしている際の表情や態度から「他にも何か悩みがあるんじゃないか?」という勘は、割とよくあたります(笑)。患者さんの本音や深い悩みを引っ張り出して、聞いて差し上げるのも開業医の大事な仕事です。

若い世代に増えている子宮頸がんの予防を啓発

最近、臨床の中で気になることは?

中島由美子院長 下平レディスクリニック3

世間では乳がんへの関心が高まっていますが、20代、30代の若い世代では、子宮頸がんの患者さんが増えています。出産年齢が上がっていることから、子宮頸がんが発症する年代と結婚、妊娠前の年代が重なってしまっているので、ここを何とかしなくてはいけないと私は思っています。子宮頸がんは、その多くが性交渉などを通じてヒトパピローマウイルス(HPV)への感染することによって生じるといわれています。HPVに感染してもほとんどの場合はがんに発展せず、時間の経過とともに感染が自然消滅します。しかし、ごく一部の感染者で感染が持続し、長い年月をかけて徐々にがんになっていくのです。

子宮頸がんを予防するためにできることは何でしょうか。

子宮頸がん予防には重要な2本の柱があります。1本目は子宮がん検診を受けること、2本目はHPVワクチン接種を受けることです。ワクチン接種は、国の定める定期接種で公費負担があるので、小学校6年生から高校1年生までの女子は無料で受けられます。初めて性交渉を持つ前の接種が望ましく、若年ほど高い効果が期待できますので、ぜひこの時期に接種してください。ただ、1997年度から2006年度までワクチン接種の積極的勧奨が行われなかったため、該当する多くの方が未接種のままになっています。これらの方のために国が無料のキャッチアップ接種を期間限定で行っています。2022年4月から2025年3月までの3年間なので、ぜひこの期間に受けてください。また、世界では男子への接種も行われており、日本でも自治体によっては男子への接種の公費助成が始まりました。男児を持つお母さんにもこのことを知っていただきたいですね。

更年期に関する不調のご相談も多いと伺いました。

中島由美子院長 下平レディスクリニック4

10〜90代まで、本当に幅広い年齢層の患者さんがお越しくださっていますので、更年期のお悩みもよく伺います。更年期に関する不調は患者さんによってお悩みもさまざまですので、問診で閉経の時期やその他の病気などについてもしっかり伺い、適切な検査を行った上で患者さん一人ひとりに適した治療方法を提案することを心がけています。問診や検査の結果、女性ホルモンの減少による更年期症状と考えられる方には、ホルモン補充療法(HRT)を提案することもあります。それぞれの患者さんの環境やライフステージに合わせて、健康を支えていきたいですね。

人生の選択を迫られることの多い女性を医療で応援

こちらのクリニックならではの「びらん治療」について教えてください。

中島由美子院長 下平レディスクリニック5

びらんはもともと生理的なもので、それがあることによる不都合さえなければ、慌てて対処をする必要はありません。ただし、びらんがあることによっておりものが多くて悩んでいる方、不正出血がしばしばある方、細菌感染や性感染症にかかりやすく、びらんの程度が強い場合は手術をお勧めする場合もあります。当院では子宮膣部びらんと子宮頸がんについて研究した先代の院長の時代より、「下平式高周波凝固法」を使った手術を行っています。日帰りでできる高周波の手術一回で済み、再発につながりにくいと期待できます。おりものが多い方、不正出血にお悩みの方は、一度ご相談ください。

産婦人科の医師として、どんなところにやりがいを感じられますか?

以前、不正出血で来院された患者さんが、何かまだ言いたそうで、話を聞いてみるとお子さんがなかなかできないために夫婦仲がうまくいっていないと悩んでおられました。私は「相手の方と仲良く一緒に生きていくことの結果が子どもなのだから、まずは旦那さんと楽しく過ごすことを考えたほうが良いのではないか」と真剣にお話ししました。アドバイスを受け入れてくれた患者さんが日々楽しくを実践されるうちに、自然に赤ちゃんを授かったということがありました。患者さんの人生の大切な岐路に大事なサポートができたことは本当にうれしいですね。

読者へのメッセージをお願いします。

中島由美子院長 下平レディスクリニック6

女性は、人生の中で何を選び、何を諦めるのかを選択しなければいけないことが多いと思います。結婚か仕事か、子どもか仕事かなど大きな選択が常についてきますよね。妊娠に関しては、生殖医療が進歩した今でもやはり年齢的な限度があります。私自身もすごく悩み、子どもたちに寂しい思いをさせたこともあったと思いますが、結局自分が好きな方向にしか行けないのです。自分が我慢するのではなく、自分らしく生きるにはどうしたら良いかを考える。そのためには健康が第一です。婦人科に相談してもらえれば解決できることもたくさんありますし、いろんなアドバイスをすることもできます。何か手助けが欲しいと思った時は、いつでも相談にいらしてください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

下平式高周波凝固法/4万8400円
AMH検査/8800円
HPVワクチン(9価)/一括:8万7000円、分割:8万9500円(自費診療の場合)
※詳細はクリニックにお問い合わせください。

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