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青木啓光 院長の独自取材記事

久我山レディースクリニック

(杉並区/久我山駅)

最終更新日:2021/10/12

青木啓光院長 久我山レディースクリニック main

京王線久我山駅南口から徒歩2分。白い建物が目印の「久我山レディースクリニック」は、女性が抱える体や心の悩みを気軽に相談できると地域で評判のクリニックだ。青木啓光院長は杏林大学医学部を卒業後、同大学産婦人科学教室に入局し産婦人科医の経験を積んだ。その後、杏林大学医学部附属病院や公立福生病院産婦人科医長を経て、平成17年に久我山駅北口に開業した。平成24年7月に現在の地に移転している。父親が分娩施設を持つ産婦人科の開業医だったという青木院長。自分も同じ産婦人科医を志したきっかけや、開業して知った大学病院とクリニックの役割の違い、女性の心身に寄り添う日々の診療のことやライフワークの野球のことまで、さまざまなお話を伺った。

(取材日2012年10月30日)

父の背中に見た産婦人科医の天命

医師を志したきっかけを教えてください。

青木啓光院長 久我山レディースクリニック1

父は八王子で産婦人科の開業医をしていましたが、子どもの頃は、同年代の子どもたちの多くがそうだったように野球選手に憧れていました。本格的に野球に目覚めたのは中学生のときで、高校・大学は夢中になって練習していましたね。でも、あるとき、「このまま頑張っても、野球選手は無理かな」と、限界を感じてしまったんです。医師を意識するようになったのは、その頃からです。当時、父の医院は出産施設を持っていましたので、いつ妊婦さんが来て出産になるか分かりません。ですから父はほとんど外出することなく大勢の妊婦さんたちを診続けていました。家族と旅行に行くことなんてなかったし、そんな境遇にちょっぴり寂さを感じたときもありました。でも、父は自分の楽しみを犠牲にして、地域の方々の幸せのため、ひいては僕たち家族のために、人生を捧げてきたんです。そんな姿に感銘を受け、産婦人科医は患者の幸せにつながる素晴らしい職業だと思い、医師を志しました。

研修医時代に感じた、産婦人科医のやりがいを教えてください。

少し大袈裟な言い方ですが、胎児の異常を察知して、処置することで、大切な命を助けることができる、ということですね。内科や小児科は、病気になったその人を診察します。ところが産婦人科は、お母さんのほかにお腹の中の赤ちゃんも診ないといけないんです。妊婦さんの健康状態は顔色やお腹の張り方、検査などを行えばある程度判断できますし、もし体調が悪ければ本人が伝えてきます。でも、お腹の中の赤ちゃんはそうはいかない。具合が悪くても訴えることができないんです。だから妊婦健診が必要なんです。もしそこで赤ちゃんの動きや心音、体の異常が見つかれば、速やかに対処します。もちろん、お腹の中にいるので、簡単に処置できるとは限りません。それでも、全力を尽くして赤ちゃんの命を守ることができたときは、本当にうれしかったし、産婦人科医になってよかったと思いました。

初めて新生児を取り上げたときの気持ちをお聞かせください。

青木啓光院長 久我山レディースクリニック2

正直なところ「産まれてきてよかった」と、ほっとしました。日本では医療技術が向上し、妊娠22週目以降の死産や出生後28日未満の周産期死亡率が減っています。だから誰もが、新生児が無事に産まれてくるのは当たり前だと、思っているんじゃないでしょうか? しかし、発展途上国などの諸外国では、未だに妊婦や新生児が出産前後に死亡するケースも少なくありません。出産はもともとリスクが伴うもの。だから、僕たち医療従事者は妊婦と胎児の命を預かる者として、真剣に向き合っています。新生児が無事に産まれた瞬間、ほっとするのはそのせいなんでしょうね。

口に出せない女性特有の悩みに対し、スタッフ全員でバックアップ

クリニックの開業を決めたのはなぜですか?

青木啓光院長 久我山レディースクリニック3

密接に患者さんと接し、女性が抱えている悩みや問題をきちんと聞く診療がしたいと思ったからです。病院とクリニックでは患者の症状や診療内容が異なります。規模の大きな病院では一日に訪れる外来の数がものすごいので、一人の患者さんに割ける診察時間がどうしても短くなってしまいます。その点、クリニックで診られる患者さんの数はある程度決まっていますから、患者さんの幅広い相談に乗ることができます。なかには心配が過ぎて「私、がんじゃないですか?」とおっしゃる方もおられますよ。そういうときにクリニックならば患者さんのお話をじっくりと伺い、検査の結果も患者さんの理解が得られるまで根気強くご説明して、不安な気持ちを取り除いて差し上げることができます。それは病院の勤務医時代にはできなかった、患者さんとしっかり向き合う診療だと自負しています。

患者さんは女性ですから話しにくい相談もあると思いますが……。

そうですね、デリケートな問題もあります。いきなり僕には話しにくいという場合、先に看護師がお話を伺うようにしています。同じ女性ということもあって、だいぶ話しやすいようですね。ですから診療には医師である僕だけじゃなく、スタッフ全員であたっていると言えますよね。やはり地域の皆さんに、「困ったときは、あそこへ行けば大丈夫」と思っていただけるクリニックであるためにはスタッフの力が必要です。僕らは日々、女性が体や心の悩みを気軽に相談できるクリニックをめざし、妊婦健診、婦人科がん検診、更年期障害、不妊治療などに力を入れ、同時に不安や悩みを相談したことですっきりしてお帰りいただける、そんな場所でありたいと思っています。

里帰り出産される方も多いようですが、実家での過ごし方を教えてください。

「ご両親にたっぷり甘えてきてください」とアドバイスしています。出産間近の妊婦さんでも、ご両親にとっては可愛い娘に変わりありません。それに、赤ちゃんが生まれてしまえば、妊婦さんから母親になりますので、そうそう甘えてばかりもいられませんよね。娘として過ごせる最後の時間になります。ご両親は体を気遣って、身の回りや生活面をサポートしてくれると思いますので、もう一度、娘時代に戻ったつもりで、実家での生活を楽しんできてください。そして出産後は、ご両親から受け取った愛情を、赤ちゃんに注いであげて欲しいと思います。

ぜひクリニック選びのポイントを教えてください。

青木啓光院長 久我山レディースクリニック4

大切なことは、患者と向き合うときの産婦人科医の姿勢だと思います。肩書や経歴よりも、体の悩みや相談をきちんと聞いてくれる産婦人科医を選ぶことです。もちろん相性もありますので、合わないと思ったら思い切って別のクリニックに相談することも方法です。時には診断された内容に不安を覚えることもあるでしょう。そんなときは迷わずに、セカンド・オピニオンを受けてみてはいかがでしょうか? セカンド・オピニオンとは違う医師の意見を求めることです。病気は一つでも治療方法は複数ありますので、治療の選択肢が広がるかもしれません。当院でももちろん、不安があればいつでも相談に乗りますので、遠慮せずに頼っていただければと思います。

めざすは人間関係を重視した地域の身近な産婦人科医院

ところで先生、今でも野球がお好きなんですか?

青木啓光院長 久我山レディースクリニック5

もちろんです。時々プロ野球の試合も観に行きますよ。ちなみに好きなチームはジャイアンツです。息子も僕と同じように野球好きで、少年野球チームに入っています。毎晩のように僕と練習をしているんですよ。バドミントンのシャトルを使ってバッティングの練習をするんですが、僕にとって家族と触れ合える貴重な時間です。実は僕も息子たちが所属する少年野球チームのコーチをしていて、毎週土曜日には地域の子どもたちを指導しています。家族からは「土日のほうが忙しいね」なんて皮肉を言われていますよ(笑)。コーチの醍醐味は子どもたちの成長を見られることです。子どもというのは今日できなかったことでも、次の週にはできるようになっているものです。大人には真似できませんよね。あと、野球をしていて思うのは仕事と一緒で人間関係が大事だなということ。これは子どもたちから教えられることが多いですね。

どんなことがあったのですか? ぜひ教えてください。

例えば、息子のチームは夏の野球大会で優勝しています。それは接戦の末、0対0で勝負がつかず抽選で勝敗を決めた結果でした。ところが息子たちは「相手のチームがかわいそう」だと泣いたんです。そのとき僕は、子どもたちの心のなかに、共に戦った相手を認める気持ちや思いやりが芽生えたんだなとうれしくなりました。野球でもサッカーでもそうですが、スポーツをするとチームワークを通じてコミュニケーション力が身につくんですね。コミュニケーションは医療の現場でもとても大切な要素です。いくら治療の技術が高くても、患者さんとコミュニケーションを取れない医師は決して良い医師とはいえません。医師が患者さんの命を守ることを最優先に考えるのは当然ですが、それに加えて私は人間関係を大切にする医師でありたいと常々、思っています。

最後に、読者へメッセージをお願いいたします。

青木啓光院長 久我山レディースクリニック6

当院では分娩には対応していませんが、健診に訪れてから無事出産を迎えるまでの道しるべとなる産婦人科医院として32週目までしっかり妊婦健診を行っています。また、出産施設の紹介や里帰り出産のアドバイスなどもしていますので、安心してかかっていただきたいと思います。誰でもそうですが、診察室に入るときは、「赤ちゃんは無事に育っているのかしら?」「病気かもしれない?」と、不安な気持ちでいっぱいでしょう。そんな患者さんのお話を、一つひとつ丁寧にお聞きしますので、帰るときには笑顔になって欲しいと思います。地域の身近な婦人科医院を目指していますので、どんなことでも気軽に相談してください。

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