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牧野 総治郎 院長、牧野 真理子 先生の独自取材記事

牧野クリニック

(中野区/東中野駅)

最終更新日:2021/10/12

牧野総治郎院長、牧野真理子先生 牧野クリニック main

入口に描かれている「スヤスヤと眠るお月さま」のイラストが目を引く「牧野クリニック」。同院の特徴は、精神科を専門とする牧野総治郎院長と、心療内科を専門に、特に摂食障害の患者と多く向き合う牧野真理子先生夫妻の診療が受けられること。「現代社会はストレスの連続で、知らず知らずのうちに、心と体がむしばまれていきます。そうした方たちが、少しでも本来の元気を取り戻すお手伝いをしたい」と2人そろって話してくれた。総治郎院長と真理子先生に、医師を志したきっかけとそれぞれの診療方針など、さまざまに話を聞いた。

(取材日2020年2月21日)

それぞれの得意分野を生かした診療で地域に貢献

専門分野を志したきっかけを教えてください。

牧野総治郎院長、牧野真理子先生 牧野クリニック1

【総治郎院長】子どもの頃の夢は天文学者で、大学も東京外国語大学でアラビア語を専攻したほど。授業でパレスチナ地方の歴史や難民問題を探るうちに、「国を追われた難民の支えになりたい」という思いが湧き上がり、自分にできることを真剣に考えた結果が医師でした。結果的に、精神科の開業医の父の影響もあり精神科に進みましたが、誠意を持って日々診療することが、巡り巡って彼らの幸せにもつながるのではと思っています。また国際医療援助活動をされている方たちの支援も微力ながら行っています。

真理子先生はなぜ心療内科を志したのでしょうか?

【真理子先生】医学部時代はレントゲンや心電図を見て症状や病状を当てるのが得意で、身体疾患を診る医師に憧れる一方で、患者の心と向き合う診療にも興味がありました。心療内科に進んだ直接のきっかけは、同級生のお父さんからの「君は心療内科が向いているね」という一言でした。医局時代はハードな毎日でしたが、先輩医師の指導を受けながらたくさんの患者さんに接する中で、お話を長すぎず短かすぎず聞くことができるようになりました。

クリニックの特徴をお聞かせください。

牧野総治郎院長、牧野真理子先生 牧野クリニック2

【総治郎院長】当院には私と真理子先生の他に5人の女性医師が勤務しています。精神科と心療内科のそれぞれに専門の医師が在籍し、専門分野に特化しつつ地域に根差した診療を提供しています。真理子先生の専門は摂食障害です。食行動で悩む女性たちの心強い味方になれるでしょう。5人の医師はそれぞれ専門性がありますので、患者さん一人ひとりにとって十分に治療を受けていただける環境が整っていると思いますよ。患者さんの症状によって精神科または心療内科の医師が担当することになり、より適切な診療を受けられることが当院最大のメリットですね。

精神科と心療内科の違いを教えてください。

【総治郎院長】元々、心療内科はストレスや精神的不安によって吐き気や頭痛、過敏性腸症候群、全身倦怠感などの体の機能的な障害を伴う心身症を診る科でした。幻覚・妄想、躁病、統合失調症などは精神科の分野です。うつ病や不安障害、パニック障害はどちらでも診察していますので、初診の際にご相談ください。

生活クオリティーを高めるサポートに徹した診療を提供

どのような患者さんが来院されますか?

牧野総治郎院長、牧野真理子先生 牧野クリニック3

【総治郎院長】かつては精神科の患者さんの多くは、発症すると仕事を続けることが難しかったと思います。しかし、現在では早期発見、早期治療によって社会復帰される方が多くなりました。統合失調症は、初期では専門の医師でなければうつ病と区別が難しい方もいます。うつ病は環境的なさまざまな要因が複雑に影響し合っています。パニック障害は放っておくと、二次的にうつ状態となってしまいます。
【真理子先生】私が診察する患者さんのほとんどは職場や家庭、友人関係などにストレスを感じ、心と体にさまざまな症状が現れている20代〜30代の女性で、多くは摂食障害に悩んでいる方です。最近は外国人、特にアジア系の患者さんも増えていて、英語を話せる方なら対応可能です。パニック障害や社交不安障害などの方、それから会社での人間関係に悩みうつ状態になる方も診ています。

総治郎院長の診療の方針をお聞かせください。

【総治郎院長】「心の悩みを薬で解決するなんて」と薬に対して抵抗感のある患者さんもいらっしゃいますが、まずは薬で気持ちを持ち上げたり、不安感を鎮めてからでないと、言葉による働きかけやアドバイスが受け止められない場合もあります。まれに症状が少し回復すると途中で薬を止めてしまう方がいますが、再発を防ぐためにも医師の指示に従い、きちんと服用をしてほしいですね。また家族から見て様子がおかしいと思っても、本人が通院したがらない場合、ご家族が話をしに来てくださっても構いません。

真理子先生の方針はいかがですか?

牧野総治郎院長、牧野真理子先生 牧野クリニック4

【真理子先生】心身症になりやすい人は、物事を主観的に捉えがちです。そんな方には、日常の中で満足感や充足感を見つけてもらうために1冊のノートを用意してもらいます。表側からはネガティブな出来事や心身の状態とその解決策を、裏側からは、その日のハッピーな出来事を書きます。続けていくうちにご自身を客観的に見つめられるようになり、「自分は思っていたほど不幸ではない」と気づくきっかけになるようです。

早期に受診するこで、回復を少しでも早くしていきたい

患者さんとの心に残る思い出をお聞かせください。

牧野総治郎院長、牧野真理子先生 牧野クリニック5

【総治郎院長】これまでに慶應義塾大学病院から始まり、いくつかの病院で勤務してきました。転勤が決まると、それまで診察していた患者さんは新しい先生に担当してもらうことになりますが、何人かの患者さんは転勤先の病院までついて来てくれました。当院が奥沢から移転した時も、わざわざホームページで探して来てくださった患者さんもいて、ものすごくうれしかったですね。
【真理子先生】特に摂食障害は、心身が本当に健康になるにはそれなりの期間がかかります。患者さんの中には中学生のときに受診され、結婚されるまでお付き合いする方もいます。症状が改善してもストレスはなくなるわけではないので、重要なライフイベントの前にストレス対処相談を目的に来院する方など、一生のお付き合いになる患者さんもいます。患者さんの人生を私もともに歩んでいるような気がしますし、長い治療を乗り越えた後は感激の涙が流れます。

最後に、読者へのメッセージを総治郎院長からいただけますか?

【総治郎院長】拒食症やうつ病などの心の病気を抱えている患者さんの中には、メンタルクリニックの門をくぐるだけで精神病になってしまうと思い込んでいる方が少なくありません。だからといって治療を受けずに自分の殻に閉じこもっていると病状が悪化するばかりです。そんなときは一人で苦しまないでください。うつ病や統合失調症などの苦しみから脱却するお手伝いをするのが、私たち精神科を専門とする医師です。できるだけ早く専門家の手助けを受けて、症状を改善してほしいと思います。

真理子先生からもメッセージをいただけますか?

牧野総治郎院長、牧野真理子先生 牧野クリニック6

【真理子先生】現在の日本ではメンタルヘルスに関する偏見が強く、それがもとで手遅れになる方も少なくありません。1日や2日の不調は誰にでもありますが、それが1週間、1ヵ月と続くのは心配です。症状が現れた時点で早めに相談に来られると、それだけ早く回復がめざせるようになります。一方で、恋愛など本来ならば自己判断によって解決すべき問題でクリニックに来る方もいらっしゃいます。不眠、食欲不振の場合は診療できますが、心身に影響がない場合は対応ができませんから、来院前に一度立ち止まって本当に必要か確かめてから受診をしていただけたらと思います。受診する医療機関はホームページなどで心療内科を専門とする医師がいるかどうか確認してから決めるといいでしょう。勇気がいると思いますが、笑顔で人生を送るためにも勇気を持って受診してほしいと思います。

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