心身のメンテナンス感覚で気軽に相談
不眠症は早期治療が大切
東京中野メンタルクリニック
(中野区/中野駅)
最終更新日:2021/11/15
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- 保険診療
朝早く目が覚めてしまったり、ぐっすり眠れなかったり、睡眠にやや違和感を感じても「精神科を受診するほどではないから……」とやり過ごしてしてしまう人が大半ではないだろうか。しかし不眠を放置したことで仕事に支障が出たり、実はうつ病などの精神疾患が潜んでいたりすることもあるため、悪化前に早期解決を図ることが大切だ。「精神科で治療をすると身構えず、睡眠について相談してみる、くらいの気持ちで来院してみてください。精神科の薬は一度飲んだら依存してしまうというのも誤解です」と話すのは、学生から高齢者まで幅広い年代の心療内科・精神科全般の悩みに対応する「中野駅前メンタルクリニック」の大土広将院長。今回は大土院長に、不眠症の定義や原因に加え、具体的な治療法などを解説してもらった。
(取材日2021年4月28日)
目次
生活に大きなダメージが出る前に、不眠症は放置せず早期治療を。漢方や依存性の低い薬による治療も可能
- Q不眠症とはどのような病気ですか?
-
A
▲患者が話しやすい雰囲気づくりを心がけているという大土先生
睡眠に何かしらの異常や問題があることを睡眠障害と呼びますが、不眠症は睡眠障害の一種です。私たち人間は深い眠りの「ノンレム睡眠」で脳を、浅い眠りの「レム睡眠」で体を、日々休養させています。不眠が起こると脳も体も休養できずに疲れがたまり、成長ホルモンの分泌不足にもつながります。成長ホルモンには体力・気力の回復、脂肪燃焼、新陳代謝を促進するはたらきがありますので、不眠が続いて成長ホルモンが不足すると、心身が活気不足になってしまいます。私が考える不眠症の定義は、「眠るべき時間に十分に眠れず、日常生活に支障を来す状態」です。つまり、眠れなくても日常生活に支障が出なければ、治療の必要がない場合もあります。
- Q不眠症にはさまざまな種類があると聞きました。
-
A
▲丁寧な問診によって治療の方法を決定する
不眠の種類は、なかなか寝つけない「入眠困難」、何度も目が覚めてしまう「中途覚醒」、早く目が覚めてしまう「早朝覚醒」、眠りが浅く熟睡感がない「熟眠困難」の4つが挙げられます。しかし、不眠の種類も大切ですが、私はその原因のほうが重要と考えています。原因はさまざまで、騒音などの劣悪な環境、夜勤や3交代シフトなどでリズムが崩れてしまう、体の痛みやムズムズ感、ストレスフルな環境で寝る直前まで神経がイライラしている、うつ状態、統合失調症、不安障害、適応障害などの精神疾患、薬やアルコールの影響などがあります。細かな問診を行い、患者さん一人ひとりの症状と原因に合わせた対処が必要になります。
- Qどのようなタイミングでクリニックを受診すべきでしょう。
-
A
▲気になることがあれば早めに相談してほしい
受診というよりも、「睡眠について相談してみよう」くらいの気持ちで考えてみてください。朝早く目が覚めてしまう、ぐっすり眠れないなど、気になることがあればいつでも気軽に来院していいですよ。不眠症を放置し、うつ症状を来して、受診した時には休職するしかない状態に追い込まれている患者さんも少なくありません。「もっと早い段階で相談してくれれば、適切なアドバイスができたのに」と思うことは多いです。診察の結果、治療が必要ないと判断する場合は、はっきりと治療の必要がないことをお伝えしています。もちろんその理由も十分に説明しますし、医師に心配ないと言われることで安心できれば、それだけで受診の意味はあると考えます。
- Q不眠症の治療はどのように行われるのでしょうか?
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A
▲患者一人ひとりに合わせたオーダーメイド治療を行っている
まずは原因を探るために、細かな問診を行います。うつ病をはじめとする精神疾患など、不眠以外の問題が潜んでいないかを探るためにも、眠りのことに限らず、困っていることや悩みがないか細かに話を伺います。その結果を踏まえて、患者さんに合わせたオーダーメイド治療を行います。具体的な治療は大きく分けて、生活指導と薬物療法です。患者さんによっては薬物療法なしで、生活指導だけで十分なこともありますよ。治療期間はその原因によって異なりますが、環境を変えたらすぐに眠れるようになって、1、2回の来院で済む患者さんもいます。通院頻度も人ぞれぞれですが、2週間に1回くらいが一般的です。
- Q睡眠薬に怖いイメージがある患者さんにはどう対応していますか?
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A
▲西洋薬を用いた治療の他に漢方を用いた治療も提案している
専門的な知識と経験のある医師の指示に従う限り、薬に依存する可能性は高くありません。依存性の弱い薬も多々ありますし、そもそも、薬に依存させないようにきちんと説明を行います。どうしても依存性の強い薬が必要な場合もあります。その際には、依存性と飲み方の注意事項について十分に説明をします。当院では薬の使用は必要最低限にとどめ、薬のメリット・デメリットについて十分に説明した上で、患者さんが納得した場合にのみ使用します。それでも抵抗を感じる方や、希望がある場合は、漢方の処方も可能ですのでご安心ください。患者さんの体質や体形などを考慮した上で、適した漢方薬を処方します。