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松尾 直樹 院長の独自取材記事

医療法人社団フレシェア 若宮診療所

(中野区/鷺ノ宮駅)

最終更新日:2023/11/17

松尾直樹院長 医療法人社団フレシェア 若宮診療所 main

広々とした前庭には芝生が敷かれ、緑の葉をそよがせる樹の下には木製のベンチ。明るく気持ちのよいアプローチが「若宮診療所」への入り口だ。松尾直樹院長は2015年4月に8代目院長に就任した。就任後は、内装と外装に手を入れ、長い歴史を持つ診療所をリフレッシュした。診療と研究の両面から長く呼吸器に携わってきた豊富な経験を生かしつつ、診療所ならではの親身な対応をしていきたいと話す。自転車通勤をしているそうでよく日に焼けた精悍な印象の院長に、コツコツと間違いのない診療をしていくことが理想という診療姿勢や専門の呼吸器疾患について、さまざまな話を聞いた。

(取材日2015年10月5日)

明るくくつろげるクリニックをめざして

2015年の4月から院長に就任なさったそうですね。

松尾直樹院長 医療法人社団フレシェア 若宮診療所1

都立府中病院などの呼吸器内科でしばらく勤務していました。府中病院は結核病棟もあり、症例数の少ない患者さんも担当していましたね。レントゲン一枚から診断をたてていくのですが、診断力を身につけていったのもその頃でした。画像一枚からこんなにわかるものなんだと、当時はとても感心して勉強していたのを覚えています。その後、葛西で「まつおクリニック」を開業したのですが、どこかに分院をと思い、いろいろ探しているときにこの診療所を知りました。前院長はご高齢でそろそろ引退したいということでお話をいただいて、自宅からちょうどいい距離でもあり、お引き受けすることにしました。60年ほど前、周りにまだほとんど何もなかった頃から続いている医院で、患者さんも中野だけでなく、練馬、杉並など広い範囲からおいでいただいています。

芝生の前庭、そしてインテリアもとてもおしゃれで、病院らしくない雰囲気ですね。

就任するにあたって、内装、外装に少し手を加えました。病院はとかく緊張しがちな場所なので、できるだけ明るくくつろげる雰囲気にしたいと思って、待合室の床にはブナの木を張り、ペンダントライトも彩りのあるものにしました。アプローチは、もともとアスファルトの駐車場だったのですが、一部に芝生を入れて木のベンチを置きました。芝刈り機と鋏も購入し、僕自身がグリーンキーパーとして世話をしています。踏み石沿いのリュウノヒゲも自分で植えたんですよ。意図したとおりにできあがり、室内などは診察室より手前の部分しか手を入れていないのですが、雰囲気ががらっと変わったと言っていただいています。

どういった症状の患者さんが多いのでしょうか。

糖尿病、高血圧、脂質異常症など生活習慣病の方が多いですね。ご高齢の方が多く、年齢別でいうと、一番多いのが80代、次が70代、それから90代となります。お元気な方が多いのは何よりですね。最近は、僕が呼吸器を専門としていたので、ホームページなどを見て喘息など呼吸器疾患の若い方もおみえになるようになりました。自分としては、「呼吸器が得意な内科の医師」と考えていますので、普通一般の内科を訪ねるつもりで来ていただければと思っています。

呼吸器の疾患ではどのような患者さんがおみえですか。

松尾直樹院長 医療法人社団フレシェア 若宮診療所2

喘息などを「発見」する形でしょうか。今まで同じような症状を「風邪でしょう」「これぐらいなら様子を見ましょう」と済まされていた方の中から喘息を見つけ、お薬を処方できればいいですよね。喘息に関しては大きな発作を出さないことが目標ですから、患者さんに薬を使い続けていただいて、「なんだ、薬を使えと言われたから使っているけれど、全然発作がでないじゃないか」と文句を言われるのが理想です。

「当たり前の治療だけれど間違いがない」と言われたい

どのようなきっかけで呼吸器を専門になさったのですか。

松尾直樹院長 医療法人社団フレシェア 若宮診療所3

一番多くの人に役立つ診療科だと思いました。父がやはり医師で膠原病を専門としていました。患者さんから必要とされる大事な治療ではありますが、数としては少ない疾患です。その反動だったのかもしれませんね。ポピュラーな疾患、多くの方を診て治したいという気持ちでした。開業はあまり考えておらず、地域の中核になるような大きな病院で、先端的な治療ができればと思っていたのですが、出身の千葉大学呼吸器科では何年か臨床を経験した後に大学院に進むことが選択でき、僕も7、8年勤めたところで大学院に入りました。研究も面白く、一時臨床より研究にウェイトを置いていた時期もありました。でもやはり臨床が魅力的に思え、そちらへ戻ろうというとき、そのまま大学に戻るよりは、地域医療の方がやりがいがあるのではと思ったのです。

診療の際にどのようなことを心がけていらっしゃいますか。

患者さんの訴えに耳を傾けるのはもちろんですが、「この症状ならこの病気」と決めつけずに、当然確率の高いところからにはなりますが、可能性のある疾患に関して一つずつ丁寧に診ていくようにしています。省略に走りがちなところも省略せず、コツコツと、検査もしながら。検査が好きな方はあまりいらっしゃらないので、時には折り合いをつけることも必要ですが、そういった客観的なデータも取り入れながら、診療しています。ホームランはなくても、取りこぼしがないようにと言えばいいのでしょうか。「あの診療所は当たり前のことしかしてくれないけれど、間違いがない。いいんだよね」と言われるようになりたいと思っています。

客観的なデータを大切にしていらっしゃるんですね。

松尾直樹院長 医療法人社団フレシェア 若宮診療所4

そうですね。でも杓子定規に、「こういう数値だからこうしなさい」ときつく言うつもりもないんですよ。自分もお酒を飲みますから、「やめなさい」と言われるつらさはわかります。例えばコレステロールの高い方の場合、食事や運動に気をつけ生活習慣を改めることで数値の改善がめざせればそれでいいですし。逆にあれもこれも食べてはダメとがんじがらめに厳しい制限をして生活をしてもつまらないという考えもあるでしょう。そういうときお薬の力を借りれば、もう少し人生が楽しめるかもしれませんよ、という提案をしていくことも一つの方向かなと思います。

地域の人が集まる診療所になってほしい

毎日お忙しいと思いますが、どのようなことでリフレッシュなさっていますか。

松尾直樹院長 医療法人社団フレシェア 若宮診療所5

フットサルと自転車に乗ることですね。フットサルは地元の飲み屋で知り合った方の作っているチームに入れてもらって、もう12、3年も続けています。3週間に1回というちょっと変わったサイクルなんですが、最初の1時間練習をしてその後1時間紅白戦というメニューです。終わった後のビールは格別ですね。チームメートは異業種の方ばかりなので、話をしていても面白いんですよ。自転車に乗るのも好きで、毎日自転車通勤しています。「路上の引きこもり」などという言い方もされますが、乗っている間はずっと一人で、誰にもじゃまされず考え事をしたり、頭をからっぽにしたり。貴重な時間になっています。

これからの抱負をお聞かせください。

今までの若宮診療所がそうだったように、地域の方が集まる場になればいいなと考えています。今はまだまだなのですが、呼吸器が専門だったということが浸透していくようでしたら、在宅酸素の患者さんたちがコミュニケーションをとる場なども作っていければいいですね。最近街で鼻にチューブを入れている方を見かけることがありませんか。あれが在宅酸素の患者さんで、濃縮した酸素を鼻から吸入しているのです。COPDや肺線維症など、ご自分では十分体に酸素が取り込めずちょっと動くと息切れがするという患者さんに、ボンベから酸素を吸入してもらうのです。それまでは病院やご自宅に閉じこもっていた患者さんが近所に買い物に行ったり、散歩したりできるようになった画期的な治療法だと思っていますが、なかなか前向きに捉えられない方もいらっしゃるんですね。そういった思いを患者さん同士ふれあうことで払拭していただければと思っています。

読者へのメッセージをお願いします。

松尾直樹院長 医療法人社団フレシェア 若宮診療所6

診療所はそんなに緊張するところでも怖いところでもありません。実際にいらしていただけると、意外にくつろげるいい感じの場所だったりします。気軽に足をお運びください。呼吸器疾患で言えば、咳が3週間以上続いて長引いているようでしたら、ご相談にいらしてください。結核やマイコプラズマなど細菌の感染症かもしれませんし、あるいは喘息、COPDなどの病気がベースにあって長引いているのかもしれません。レントゲンを撮り、聴診をし、必要に応じて肺活量の検査をすることで、いろいろなことがわかります。そのあたりのことは、専門でやってきましたので、自分で言うのも何ですが、よく知っているつもりです。どうぞお任せください。

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