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猪狩 和子 院長の独自取材記事

耳鼻咽喉科北川医院

(豊島区/池袋駅)

最終更新日:2026/02/27

猪狩和子院長 耳鼻咽喉科北川医院 main

池袋駅から徒歩5分の「耳鼻咽喉科北川医院」は1951年から続くクリニック。院内にはまるで美術館のように多くの絵が飾られ、池袋駅にほど近い場所にいることを忘れてしまうような、穏やかな癒やしの空間が広がる。猪狩和子院長によれば、耳鼻科の疾患は心因的な不安や悩みが症状に現れていることも多く、「目に見える疾患だけではなく、患者の心までを診ることが大切」だという。「ここに来てよかった」と精神的満足感を得られるような治療をめざす猪狩院長は、学校医や医師会といった地域活動などにも精力的に取り組んでいる。地域に根差す医院としての想いや、マルチな活動を長年続ける力の源など、詳しく話を聞いた。

(取材日2018年6月19日/再取材日2025年7月24日)

精神的な満足感が得られるプラスアルファの治療が目標

こちらは歴史ある医院だと伺いました。

猪狩和子院長 耳鼻咽喉科北川医院1

1951年に父がこの地で耳鼻咽喉科を開院し、現在は私と耳鼻科医師の妹と週半分ずつ担当を分けて、2人で診療を続けています。私の子ども時代を知る患者さんからは、今でも「和子ちゃん、よくここで遊んでいたね」と声をかけていただくんですよ。池袋は今では大きなターミナル駅ですが、昔は一面麦畑と菜の花畑で、明治通りには馬車が通り、周囲には牧場もありました。その一方で、子どもたちの遊び場だった雑司が谷の鬼子母神※など、浮世絵にも描かれる歴史や文化の香りが感じられる魅力的な町です。移り変わりの激しい世の中だからこそ、この医院を継承することで、ずっと変わらないものが地域にあることの大切さを改めて感じています。2人とも結婚して、現在池袋には住んでいませんが、3代・4代で通ってくださる方のためにも、地域に根差した診療を続けていきたいですね。

※「鬼子母神」の「鬼」の字は1画目のツノがない字を用います。

どのような方が多く来院されますか?

会社員や学生、昔からこの周辺に住んでいるお子さまからお年寄りまで、幅広い年齢層の方がいらっしゃいます。最近では、豊島区の待機児童ゼロ対策により子育て世代の人口が増えた影響で、当院にも若い子ども連れの患者さんが増えてきました。当院は交通の便が良いので、会社帰りに診察を受けに寄られる若い独身の方も増えています。日本語学校も近いため、近年は外国の方も多く来られていますね。ネット検索のほか、クチコミで来院される方が多いことも当院の特徴です。主訴としては鼻水やくしゃみ、鼻づまりのほか、咳が止まらない、痰が出る、喉のつかえや異物感など喉・鼻の違和感、風邪が長引いて喉の炎症が治りきらないなど、幅広い症状の方が来院されています。

先生の診療ポリシーをお聞かせください。

猪狩和子院長 耳鼻咽喉科北川医院2

耳鼻咽喉科で診る器官は感覚器なので、症状の原因がメンタルにあることも多いのです。例えば、心因性のめまいや喉の詰まりに悩まれている患者さんは、薬で治療するだけでなく、話をよく聞いてもらい優しい言葉をかけてもらうなど、精神的に満たされることも重要です。現代は一人暮らしの方が多く、誰にも相談できずに思い詰めてしまう方が多いように感じます。また、新型コロナウイルスの感染拡大期を経て、リモートワークなども浸透したことで、他者と直接関わらない環境は増えています。そんな「孤」の時代だからこそ、耳鼻科本来の治療に加え、精神的な満足感が得られ、心が元気になるような「プラスアルファの治療」をめざしています。

学校医や往診など地域活動も精力的に行う

先生がいらっしゃる豊島区学校保健会ではどんな活動をされているのですか?

猪狩和子院長 耳鼻咽喉科北川医院3

私は区内の幼稚園や保育園から小・中・高校まで、耳鼻科の学校医を長年続けてきました。豊島区の学校医が集まる豊島区学校保健会では、中学生の骨密度測定という全国的にも珍しい取り組みも行っています。成長期に丈夫な骨を作り、将来の骨粗しょう症を予防する目的で16年ほど前に開始した活動です。区内の中学校で毎年、骨密度を計測した上で、骨密度向上のための食育・生活習慣などのレクチャーを養護の先生が行います。その結果、現在では低骨密度の生徒の割合が減少するなど、教育の効果が数字にも表れています。成長期に健康や生活習慣について学ぶことは、予防医学の観点からも大事だと実感しています。

がん教育にも取り組んでおられると伺いました。

豊島区では2012年から小中学校でがん教育の授業を行ってきました。2020年の小学校での授業を皮切りに、中・高校でもがん教育が全国に展開されていることを受け、私たち学校医もがん教育に積極的に関わっています。「がん=死」ではなく、がんには予防法があることや、早期発見ができれば治療ができる病気であることなど、がんの正しい知識を子どもたちに伝えるため、教育委員会と一緒に相談しながら進めているところです。がんになる人が増えている現代だからこそ、がんへの偏見をなくして、がんになっても社会復帰して人間らしい生活を送れるよう、皆で支えていける社会づくりをしていきたいですね。

活動のフィールドが医師の枠を超えていますね。

猪狩和子院長 耳鼻咽喉科北川医院4

昔から枠にはまらない人間なんです(笑)。他にも、女性医師を支援する団体「日本医師会女性医師バンク」の活動に長年携わっており、妊娠・出産を機に仕事を辞めざるを得なかった女性医師が、再び職場に戻るサポートや子育て支援、そうした女性医師が在籍する病院の院長へのレクチャーなども行っています。月1回のペースで地方の会議にも出席しますし、講演活動も続けています。他にも、巣鴨にある障害者福祉作業所・生活実習所での医師としての活動や都立大塚病院での診療、また月・金曜日は往診にも対応します。

往診も行っておられるのですね。

在宅で治療されている方や介護老人保健施設などへの往診を行っています。耳鼻科で往診に対応する医院が少ないこともあり、豊島区内だけでなく北区や台東区、新宿区など近接エリアからも依頼が入ります。例えば滲出性中耳炎で両耳が聞こえなくなると、緊急時に自分で電話をして助けを呼ぶこともできません。つまり、難聴は命に関わる事態にもなり得ます。また、難聴の改善を改善することは認知症の予防にもつながります。そうした診療の重要性を感じているため、依頼にはできる限り対応するようにしています。病院のような設備がない状況で、患者さんの状態もさまざまですから、往診には臨床経験がとても大切ですね。

人との関わりがマルチな活動の原動力

絵画への造詣も深いと伺いました。

猪狩和子院長 耳鼻咽喉科北川医院5

芸術的なことが好きな母の影響で、子どもの頃からよく絵を描いていました。医師会の絵画部に入っていて、会報誌などで作品を発表し、表紙に掲載していただくこともあります。貼り絵やちぎり絵に出会って以来、日本の和紙のすばらしさに気づいたことは転機になりました。それらを駆使した作品を完成させ、リオデジャネイロで行われた芸術分野の大会に出展したところ、第4位となりクリスタルアワードを受賞したのです。すると、海外の展覧会への出展オファーが舞い込み、ミュンヘンの宮殿のギャラリーで開催された展覧会にも出展しました。また、大塚病院のやすらぎ合唱団にも所属していて、声を出して歌うことも良いリフレッシュになっています。絵や音楽は何も考えずに集中して、無心になれるのが魅力です。

マルチに活躍される先生の原動力はなんですか?

日々の診療でも絵や音楽の活動でも、共通しているのは、人に元気や感動を与えられる活動をしたいという想いです。医師として患者さんの病気を治療することはもちろん大事ですが、人は心が満たされていないと本当の意味で元気にならないんですよね。ですから、安心や感動を与えられる人になることが私の目標です。また、学校医の仕事で痛感するのは、学校だけで子どもを育てるのではなく、社会や地域で協力して育てることの大切さ。つまり、人と連携することの重要性です。1人だけで何かをするのではなく、人との関わりがあるから、自分の人生も豊かになる。それがまた原動力となっていい仕事ができる気がしています。

読者にメッセージをお願いします。

猪狩和子院長 耳鼻咽喉科北川医院6

職場だけ、ママ友の世界だけなど、一つの世界だけにいると行き詰まってしまいます。趣味や学生時代の仲間など別の世界を持つことで、心が解放されると思います。人生を生き抜く上で大切なのは、いろんな人や物事に興味を向け、何でも話せる友達を持つこと。健康や友達はお金では買えませんし、いざという時に助けてくれるのも会社ではなく友達です。また、心の行き詰まりが体の不調として現れることも多いもの。もし気になることがあれば、忙しくても一度医療機関を受診することをお勧めします。

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