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内田栄一院長、岡島史佳先生 の独自取材記事

大塚・栄一クリニック

(豊島区/大塚駅)

最終更新日:2020/04/01

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大塚駅から歩くこと数分、心療内科を専門とする「大塚・栄一クリニック」が見えてくる。いろいろな悩みを抱える患者さんがリラックスできるようにと、院内には常に小さな音でジャズがかかっている。院長の内田栄一先生は、自身でもチェロやギターを演奏するほどの音楽好き。「患者さんと向き合うときにも音楽が流れているのはとても良い」のだそう。内田先生は医療経済を学び、産業医としても活躍している。また健康診断、予防接種、一般内科などの地域医療にも取り組んでいる。同院で歯科の治療をを担当するのが、岡島史佳先生。心療内科と歯科を併設している医院はとても珍しいため、遠方からの患者も多い。2つの分野でどのように連携をとって治療にあたっているのか、お二人に詳しく話を伺った。
(取材日2014年3月7日)

丁寧なカウンセリングで患者の悩みに寄り添う診療

開業されてどのくらいになりますか?

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【内田院長】開業は1996年ですので、もう18年になりますね。近くにお住いの方だけでなく、大学病院から当院を紹介された方、電車に乗ってわざわざ来てくださる患者さんもいらっしゃいます。年齢も小学生から90代までと幅広いですね。心療内科を受診される患者さんの多くは、うつ病とパニック障害の方たちです。うつ病では、ほとんどが家族問題や会社からのストレスが原因となっています。常に体に力が入った状態になっているため、肩こりや顎関節症などにもなりやすくなります。病気の原因を取り除くことは難しいですが、医療としてできることは、薬でのコントロールと丁寧なカウンセリング。自律訓練法といって、体がリラックスしている状態を体感し、それを自覚してもらうことで上手に力を抜けるようにしていく治療法もあります。体の緊張をとるために一番簡単なのは、ぬるめのお風呂に10分から20分くらい入っていただくことですね。うつ病やパニック障害は「まじめ人間病」と言ってもいいくらい、まじめで頑張り屋さんがかかりやすい病気です。ですから私は、頑張りすぎてしまう患者さんに、いつも「抑えて、抑えて」と声をかけています。特に復職した時に、一気に力を入れすぎてしまうと、また不調になり休職してしまうことがありますので注意が必要ですね。また西洋薬に抵抗があるという方には、当院では漢方を処方しています。冷えに効くものや、のどのつまり、唾液が出にくいなどの症状に効くもの、気分がふさぎ込むなど、うつ病の初期の段階に非常によく効く漢方もあります。冷えに効く漢方薬は当院の女性スタッフも使っていて、とても評判がいいんですよ。

臨床心理士や専門のカウンセラーもいらっしゃるそうですね。

【内田院長】ええ。ご希望があれば、別室でカウンセリングを受けていただけます。診療室ではどうしても話しづらいことでも、奥の個室でカウンセラーとマンツーマンになるとお話ししやすいようで、スムーズな治療につながっています。親子関係やセクシュアルな悩み、家庭内暴力、会社でのセクハラ・パワハラなどの深い問題も安心してご相談ください。

心の病気になかなか気付かない方も多いですよね。

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【内田院長】本人が気付かないまま、体に症状が出る「身体表現性障害」になることがあります。心理的なものが原因で、舌や顎に痛みが出たり、頭痛や腰痛として現れるものです。整形外科や脳外科でCTをとっても異常がなく、いろいろな病院を回っても原因がわからず、ここに来られたという方もいます。当院では、あらゆる病気の可能性を考慮に入れ、心療内科というよりは総合診療科として全身を診ながら治療にあたっていきたいと思っています。心理的な病気へのアプローチだけではなく、もし他の疾患の疑いがあれば専門の病院にご紹介をしますので、安心して来ていただけるのではないでしょうか。

心療内科と歯科で連携を取りながら治療にあたる

こちらで力を入れている口腔心療科について教えてください。

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【岡島先生】心理的な要因によって歯科の病気になることがあり、それを診療するのが口腔心療科になります。私のお世話になった教授が、医師と歯科医師の免許を持っていたこともあって、心療歯科という分野に興味を持ちました。口腔心療科がある医院はとても珍しいですよね。心療内科と歯科を併設しているメリットとしては、歯の治療中に患者さんが急にパニック症状を起こしても、心療内科の内田先生にすぐに対応していただけるという点があります。通常の歯科ですと、パニック障害の患者さんが歯の治療を受けるのは難しいこともあるようですね。当院にいらっしゃる方でも、それまで何年も歯の治療を受けられなかったという方がいます。まずユニットに座っていることで「拘束されている」という恐怖を感じ、さらに口の中に何かを入れることで息苦しくなってしまうようです。私は患者さんに「嫌がることは絶対にしないから」とお約束をしてから治療を行います。型を取るのが苦手な方も多いので、なるべく早く固まる材料を使ったり、どうしても怖いときには途中でも治療を止めます。パニック障害の方は、嫌だと言えずに我慢をしたり遠慮をしてしまうので、いつでも止められるのだとわかってもらうことが大切なのです。

心療内科と歯科の治療が密接に関わっているのですね。

【岡島先生】例えば、睡眠時無呼吸症候群などを診断するときにも治療が早くできます。眠れない、熟眠感がないという症状で来た患者さんに対して、心療内科では睡眠障害の診断を行っていきますが、顎周りの肉付きがよい患者さんだった場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性がありますので、当院ではCPAP(酸素を圧をかけて吸入させる治療)などの内科的治療やマウスピースを作るなど歯科的な治療を行います。睡眠時無呼吸症候群は昼間眠くなるため、心理的なものとして「弛んでいる」と怒られてしまうケースがありますが、実際には骨格や肉付きが原因で、内科、歯科の治療によって改善できることがあるのです。

他にも心療内科と歯科に関わりがある病気はありますか?

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【岡島先生】顎関節症や舌痛症などがあります。舌痛症は舌の表面がヒリヒリと痛くなる病気で、これは心理的なものが原因の一つです。口や舌の痛みなので歯科や口腔外科に行っても、見た目には何もないためわかりづらい。一方、心療内科の先生は正常な舌の状態がわからないので舌の病気を疑ってしまったり、口の中の専門家でないためにすぐには判断できない部分があります。当院では、2つの分野のドクターがそろっていることですばやく判断し、連携して治療にあたることができるのです。

医療と経済を結びつけ、産業医も務める

内田先生が医師を志したきっかけを教えてください。

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【内田院長】祖父が食道ガンと胃ガンに罹ったことが大きなきっかけですね。病気に苦しんでいる姿を見て、医療系に進みたいと思うようになりました。大学卒業後、東京大学の大学院で公衆衛生学を学びました。その後は医師として心療内科の診療をしながら、青山学院大学大学院の国際経済学を夜間に受講。この時期、昼間は診療、夜は学校ととてもハードな生活でしたね。そんな生活、今はとてもできませんが(笑)。この時にできるだけやって吸収したのはよかったと思っています。国際経済学を選んだのは、医療と経済学をどうやって融合させていけばいいのかを学びたいと思ったからです。医療経済学では、例えば、労働者がストレスによって病気になった場合、その病気によって企業や社会がどのくらいの損失を受けたのかを考えます。私の専門分野である公衆衛生学の予防医学が医療経済学の根本にあります。企業の利益を上げるためにも、病気をきちんと予防して、社員が元気であることが一番大事なのです。

普段お忙しいと思いますが、お休みの日はどのようにお過ごしですか?

【内田院長】音楽が大好きで、先日は、ポール・マッカートニーやローリングストーンズのライブに行ってきました。診療室にもCDがあふれていますが、家にはもっとたくさんあって、置き場所がなくなるくらいなんです。学生時代にはチェロとギターを演奏していました。有志でチェロの演奏会に参加したこともありますが、最近は忙しくて手が全然動かなくなってしまいましたね(笑)。診察中にも常に小さい音でジャズをかけています。ここでは様々な悩みをお聞きするので、その時に音楽がかかっていると患者さんも少しは気分が楽になりますし、私も客観的に診られるようになるんです。

今後の展望をお聞かせください。

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【内田院長】私が医師になった頃に比べると心療内科の医院数は増えたとはいえ、まだまだ十分とは言えない状況です。それだけ患者さんの数も増えているんです。今後も、うつ病やパニック障害を中心とした心療内科全般の治療に力を注いでいきたいと思っています。また当院では口腔心療科という他にはあまりない診療も行っていますので、今後も2つの分野で連携を取りながら継続していくつもりです。

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