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小山 郁 院長の独自取材記事

こやまクリニック

(文京区/春日駅)

最終更新日:2025/04/04

小山郁院長 こやまクリニック main

春日駅から徒歩1分、後楽園駅や水道橋駅からも徒歩圏内にある「こやまクリニック」。院長の小山郁先生は柔道四段、空手二段の実力者で、柔道の試合に帯同するチームドクターを務めたこともあるという経歴の持ち主。その経験を生かして、アスリートの不調を診るスポーツ整形外科分野と、中高年の体の痛みや不具合を運動療法で良い方向へ導くリハビリテーションを、同院における2本の柱としている。患者が十分に納得した上で治療やリハビリに臨めるよう努めている。そんな小山院長に、診療に対する思いを語ってもらった。

(取材日2025年3月7日)

痛みの緩和、そして運動療法による好循環をめざす

こちらで開業した経緯を教えてください。

小山郁院長 こやまクリニック1

大学卒業後、都立病院で勤務している時に、医師の柔道大会などに出場し、そのご縁で大会医師や海外遠征の際のチームドクターを務めるようになりました。選手のケガの対応やコンディション管理を経験する中で、スポーツに関わる医療の重要性を実感し、スポーツ整形の分野に深く携わるようになりました。その後、柔道の聖地・講道館が主体となって立ち上げた「講道館ビルクリニック」の院長を務め、多くのスポーツ選手や一般の患者さんを診療しました。こうした経験を生かし、より幅広い患者さんに対応できる環境を求めて独立を決意。多くの方の支えを受け、講道館前のビルで開業しました。患者さんも引き続き通ってくださり、2019年にはビルの建て替えに伴い、現在の場所へ移転しました。

診療の特徴はどういったところにありますか。

スポーツ外傷やスポーツ障害の治療を行うスポーツ整形外科と、加齢による疾患や骨粗しょう症に対応する診療を柱としています。どちらのケースでも、患者さんが自分の体の状態を理解し、納得して治療に取り組めるよう「なぜ痛みが出ているのか」「どのように改善すれば良くなるのか」を筋道を立てて説明することを大切にしています。また、運動療法というと「ジムに行かなければ」と身構えてしまう方も多いですが、当院ではそうした考え方を変えるところから始めます。日常の中でできる簡単な動きが立派な運動であり、寝起きに足を動かす、デスクワーク中に肩を回すだけでも十分効果があることを伝え、まずはできることから始めてもらいます。無理なく運動を習慣にし、最終的には病院に頼らなくても健康な体を維持できるようになることをめざしています。

運動療法とリハビリテーションについてお聞かせください。

小山郁院長 こやまクリニック2

けん引や電気療法といった治療だけでなく、運動習慣を身につけることで「病院に来なくても健康を維持できる体をつくること」をめざしています。そのため、まずは痛みを和らげ、動ける状態をつくることから始めます。痛みがあると運動をする気持ちになれず、さらに筋力が低下して症状が悪化するという悪循環に陥りがちですが、一時的にでも痛みを軽減し、その上で無理なくできる運動を取り入れていくことで、少しずつ体の状態改善を図っていきます。私自身、武道や運動を通じて健康の大切さを実感してきました。その経験から、運動の効用を患者さんにも伝えたいという思いがあります。無理をするのではなく、日常の中でできる小さな動きを続けることで、気づけば「痛みが出にくい体」に変わっている。そんな健康づくりを、一人ひとりに寄り添いながらサポートしていきます。

痛みがあっても競技を続けるためのスポーツ整形外科

スポーツ整形外科についてはいかがですか。

小山郁院長 こやまクリニック3

スポーツ整形外科では、単に痛みを取り除くだけでなく、「どうすれば競技を続けられるか」を重視した治療を行います。ケガをした際、「休みなさい」と指示するのは簡単ですが、選手が望むのは競技を続けながら治す方法です。そのため、まずは本人の希望を丁寧に聞き、対話を通じて後悔のない選択ができるようサポートします。試合が迫っている場合は、競技の重要度や将来のキャリアを考慮し、無理をするべきか治療を優先すべきかをともに検討。さらに、競技特性や動きの癖を踏まえ、「この動作なら患部に負担が少ない」「この練習なら可能」といった具体的な指導を行います。選手の意思を尊重しながら、最適な道をともに考え、競技復帰をサポートする—それが私たちの役目です。私自身もスポーツをしてきた経験があるので、選手の気持ちに寄り添い、同じ目線で考えることを大切にしています。

スタッフ間の連携を重視されているとのことですが、具体的にどのような取り組みをされていますか?

リハビリスタッフと受付スタッフが密に連携し、職種を超えて患者さんをサポートしています。例えば、転倒リスクのある患者さんの情報は電子カルテで共有し、すべてのスタッフが移動をサポートするなど、柔軟な対応を心がけています。また、過度な分業をせず、「クリニック全体で患者さんを診る」意識を大切にしています。受付は単に案内をするだけでなく、診療後の様子を見守り、必要に応じてリハビリスタッフへつなぐ。リハビリスタッフも治療の現場だけでなく、受付をサポートすることもあります。こうした体制により、スタッフ同士が互いの業務を理解し、スムーズな連携が可能になっています。「自分の業務だけをこなす」のではなく、「患者さんがいる時間すべてをサポートする」。そんなチーム医療の実践が、患者さんの安心感につながればと考えています。また毎月院内で勉強会を行い、スタッフとともに常に学び続けているのも当院の特徴かもしれません。

診療の際に大切にしていることを教えてください。

小山郁院長 こやまクリニック4

患者さんの病状や病態について、できる限り論理的かつわかりやすくご説明することを重視しています。長年のスポーツ経験や日常生活の中で、ご自身の症状や原因について間違った認識をお持ちの方も少なくありません。そうした場合には、医学的な根拠に基づいた正しい診断と、症状改善のための具体的な方法を丁寧にお伝えするように努めています。ご自身の症状について正しい知識を持っていただくことは、スムーズな治療を進める上で非常に重要です。一方で、患者さんにとって必ずしも有益ではないと判断した場合には、はっきりと意見をお伝えすることも大切にしています。例えば、膝の痛みを抱える患者さんから「体重を減らすために薬を処方してほしい」と要望されたとします。しかし、安易な薬の処方はお勧めできません。食事内容の見直しや運動療法など、根本的な解決策を提案し、患者さんと一緒に症状の改善をめざしています。

専門外の競技の魅力を体験するクロストレーニング

先生は、なぜ整形外科の道へ進まれたのですか。

小山郁院長 こやまクリニック5

私の周りには、親や親戚を含め、医療関係者はいませんでしたし、自分自身も大きな病気やケガをしたことがなく、医師になったのはそれほど強い動機があったわけではないんですよ。医学部に入って、空手を本格的に始めたことで自分がケガをし、整形外科にかかったことが、この道に進む大きなきっかけになりました。自分だけでなく周りの人を病院に連れていったり、その治療を間近で見たりしているうちに、自然と整形外科に興味が湧きました。

お忙しい中、柔道や空手を今も続けていらっしゃるそうですが、他にご趣味はありますか。

クロストレーニングの会を主宰して仲間と楽しんでいます。クロストレーニングというのは自分の専門以外のスポーツ、またはそのトレーニングをすることで、例えば空手をやっている人がレスリングやサッカーなど、自分の専門種目以外のトレーニングをすることです。打撃が専門のボクシングでも倒れることがある。そのとき柔道の倒れ方や受け身を知っていると、ケガしにくい。また、一つのスポーツばかりしていると、どうしても負担が1ヵ所にかかってスポーツ障害を起こしやすくなります。負担を分散しながら、体を満遍なくトレーニングすると、いろいろな体力要素の養成が期待できます。当院でリハビリスタッフと受付スタッフがお互いに助け合うというのも、このクロストレーニングの考え方が影響していますね。

最後に患者さんへのメッセージをお願いします。

小山郁院長 こやまクリニック6

ジムに行かなければ、またトレーニングウェアに着替えなければスポーツした気になれないというのではなく生活の中に無理なく運動の要素を取り入れることで、健康になっていただきたいと思っています。運動をするのもご本人、健康になるのもご本人ですが、ここでは理論的にお話をして、皆さんが良い方向に進むためのお手伝いができればと考えています。最終的にはクリニックに来なくても良いような、健康な体になっていただくのが、私のめざすところです。痛む部位があれば、どうぞご相談ください。

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