松本 御王子 院長の独自取材記事
おおもりKids矯正歯科
(品川区/大森駅)
最終更新日:2025/07/28

大森駅北口から徒歩4分の「おおもりKids矯正歯科」。優しい笑顔ではきはきと話す院長の松本御王子(まつもと・みわこ)先生は、審美面だけでなく歯の機能的な側面を重視した矯正を重視している。口腔筋機能療法(MFT)を取り入れ、口周りの筋肉を鍛えることで、歯並びの根本的な改善をめざす。個室タイプの診察室を用意するなど、プライバシーに配慮。子どもがリラックスして治療に臨めるよう、治療機器はできるだけ見えないように配置し、天井モニターでは好きなビデオを鑑賞できるようにしたそう。自身も2児の母親でもあるという松本院長に、将来にわたって健康な歯を保つための同院の取り組みや診療モットーなどについて詳しく聞いた。
(取材日2025年7月8日)
子どもが安心して通える環境づくりに取り組む
2024年にリニューアルされましたね。こだわった点を教えてください。

特にこだわったのは、患者さんがリラックスして過ごせる空間づくりです。院内は各部屋を独立した個室、もしくは隣の診療スペースに接しないような配置にしました。お子さんの中には、他の患者さんに見られることに抵抗を感じる子も多いので、プライバシーを重視しました。「Kids矯正歯科」という名称ですが、実際には高校生や大学生、大人の方も多く通院されています。そういった方々が「子どもっぽい」と感じて通いづらいと思わないよう、過度に子どもっぽくしすぎないようデザインを意識しました。明るく清潔感がありながらも「怖い」といったイメージを払拭できるよう、工夫を凝らしています。
お子さんが安心して診療を受けられるように、どのような配慮をしていますか?
診療中は天井に備えたテレビで映像を流し、リラックスして過ごせるようにしています。お持ちのスマホなどで動画を見ても大丈夫です。お子さんが心身ともにリラックスして診療に臨めることが一番だと考えています。また、お子さんそれぞれの特性にもきめ細かに対応しています。問診票には、診療中に配慮してほしいことがあれば記入できる欄を設けていて、お子さんに負担がかからないよう、そしてご家族にも寄り添えるよう、スタッフ一同で配慮しています。コミュニケーション面では、お子さんからの聞き取りとご家族からの聞き取り、どちらも大切にしています。基本的には診察室にご一緒に入っていただいてからお話を聞きますが、時にはあえて別々に聞いたほうが良い場合もあります。お子さんの性格や状況に合わせて、柔軟に対応するよう心がけています。
子どもの歯並びについて、いつ頃から注意すべきですか?

矯正を開始するタイミングはお子さんによって大きく異なるので、一概には言えません。当院では定期的な検診を通じて、お子さん一人ひとりに適切な開始時期を判断し、提案することを心がけています。一つの目安として、小学校1~2年生になり、上下の前歯4本が生えそろった頃に一度来ていただくことをお勧めしています。この時期に歯並びの状態を確認するのはもちろんですが、口周りの筋肉が正しく働いているかどうかも確認します。口周りの機能面からを進めるべきか、それとも歯並びを優先すべきかなど、お子さんそれぞれの状態に合わせて、負担の少ないタイミングで矯正を開始できるよう、細かく判断しています。定期的な検診にお越しいただく目的は、単に虫歯のチェックをするだけではないんです。お子さんの口腔機能の発達面も確認し、将来的なトラブルを防ぐために適切なスタート時期を見極めることも大切と考えています。
機能と健康を重視した矯正の提案をめざす
どういった矯正方法があるのでしょうか?

当院では、患者さんの状態とご希望に合わせて、さまざまな提案しています。主に、歯の表面に装置を着ける表側ワイヤー矯正を行っています。見た目を気にされる方には、白いワイヤーを使用するホワイトワイヤー矯正もご案内できます。また、透明なマウスピース型装置を用いた矯正もあります。歯の裏側から行う舌側矯正については、お子さんの場合、歯磨きが難しくなったり、発音に影響が出たり、その他のトラブルが起こりやすいという点を考慮し、現在は取り組んでいません。当院の矯正の大きな特徴は、患者さん一人ひとりに合わせたオーダーメイドな計画を立てることです。例えば、マウスピース型装置を用いた矯正だけですべてを行うのではなく、奥歯の噛み合わせにはワイヤー、見た目が気になる前歯部分にはマウスピース型装置を併用するなど、複数の矯正法を組み合わせることもあります。
診療方針を教えてください。
矯正と聞くと、多くの方が歯並びをきれいにすることを思い浮かべるかもしれません。ですが、当院では見た目だけでなく、歯の機能的な側面がとても重要だと考えています。ですので、当院では口腔筋機能療法(MFT)にも力を入れています。これは口周りの筋肉をトレーニングし、歯並びや噛み合わせに良い影響を与えるための方法です。2018年からは口腔機能発達不全症の治療が保険適用となりました。呼吸を含めた口周りの筋肉や舌、唇といった組織の使い方が十分に発達していない場合に、保険診療で対応できるケースも増えています。鼻の疾患なども含め、口周りの組織の使い方が発達不十分だと、歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼすことがわかっています。特にお子さんの場合はまだ骨がやわらかい時期なので、この時期に適切な成長と発達を促すことが、将来の健康な歯並びへとつながります。
他の患者さんの紹介で来院される方も多いそうですね。

特に親御さん同士や、近隣の医療機関の先生方、またご親戚の方々からのご紹介でいらっしゃる方も多く、たいへんありがたく思っています。患者さんの声で感じるのは、やはりお子さんが安心して通える環境であることの重要性です。例えば先生方の中には、明確にズバッと指摘される方もいらっしゃるかもしれません。先生方は強く言っているつもりはなくても、お子さんによってはそれがショックに感じたり、言葉に傷ついたりすることもあります。当院ではそうしたお子さんの気持ちに配慮し、時には少し遠回しな表現を使うこともあります。何よりも、お子さんに「怖い」「行きたくない」と思ってほしくありません。矯正に取り組めない理由があるとしても、その理由を聞いてから「こういった方法もありますよ」と柔軟な提案ができるよう心がけています。
忙しい保護者へ、柔軟なコミュニケーションも忘れずに
患者さんと接する上で、大切にしていることはありますか?

日々大切にしているのは「患者さんが当院のドアを開いた時から、もう診療が始まっている」という意識です。診察室で診るだけではなく、来院された際の表情や雰囲気などから察するようにしています。例えば、お子さんの体調が良さそうだと感じれば、たくさんコミュニケーションを取る日もありますし、今日は少し静かに接したほうが良いかな、と判断する日もあります。帰り際に親御さんとお子さんが話している中で、何か言いたかったけれど言えなかったことや、心に引っかかっていることが垣間見えた場合、スタッフがすぐにそれを私に伝えてくれます。お子さんの場合、診察中は言えなかったことを、親御さんと話す中で打ち明けることも少なくありません。そうした小さなサインを見逃さず、できるだけその場で解決できるよう努めています。
コミュニケーションツールとして、SNSアプリを活用されているのですね。
診察中に聞き忘れてしまったことなどを気軽に質問できるように、また何かトラブルがあった際に患者さんから写真を送ってもらうために、ツールとして取り入れました。お忙しい親御さんが多いので、診療時間中に電話をするのが難しいという声もよく聞きます。ですので、次の予約日を忘れてしまったときなども、アプリを通じてお問い合わせいただければ、すぐに対応できるよう連携しています。
今後の展望と読者の方へのメッセージをお願いします。

開業して16年がたちました。当初、1歳や2歳だったお子さんたちが今では高校生になり、長く通い続けてもらえるのは本当にありがたいです。これからも、患者さんに長く必要とされる存在でありたいです。歯はただ見た目が良くて噛めれば良いというものではなく、健康寿命を延ばす上で歯並びや機能は非常に重要な役割を担っています。当院では、お子さんの将来の健康寿命を延ばすために、歯並びや機能の重要性、健康な歯がいかに大切かをお伝えしています。お子さんの歯やお口のお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは表側ブラケット矯正/65万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/85万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。