メディカルケア虎ノ門

メディカルケア虎ノ門

五十嵐良雄 院長

頼れるドクター

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うつ症状などで休職した人の経済的損失は2.7兆円との試算もあり、「休職中のご本人もご家族もつらく、社会的にもたいへんな損失です」と語る五十嵐良雄院長。そうした休職者のリワークを支援するパイオニアとして、周囲の官公庁や企業から頼りにされるクリニックが「メディカルケア虎ノ門」だ。同院は地下鉄虎ノ門駅2番出口から徒歩1分の場所にあり、2005年には復職支援専門のリハビリテーション施設を開設。現在はさまざまなプログラムにより、うつ症状や不安障害などで休職した人の復職を支援している。「うつになる前はエネルギッシュで、仕事もバリバリできる人だったというケースも多いんです」と、五十嵐院長は穏やかに、ときに熱っぽく、職場環境の変化や新しい病気の特色を説明してくれた。さらに「職場に戻るだけでなく、休職せずに働き続けることが目標」という、同院のリワークプログラムについても詳しく聞いた。

(取材日2013年3月18日)

うつ病でひとくくりにできない、新しい病気への対応が必要

―休職した方の復職支援に力を入れていると聞きました。

当院は官公庁や企業が集まる場所にあり、働き盛りの年代を中心にした「うつ病」や「不安障害」などの治療が専門です。そうした症状で休職した方が治療を受けて復職されても、残念ながらかなりの割合で再度休職されるケースが目につきました。外来で治療をする方なので、病院に入院する患者さんに比べると、まだ症状は軽いといえます。しかし症状の重い・軽いは治りやすさとは無関係です。それどころか「休職を繰り返して、あと半年で失職する」など、社会的には非常に深刻な状態。復職が難しいのは、「これまでのような通院外来では、うまく対処できないのでは?」と思えてきたのです。

―その対応が「リワークプログラム」なのですか?

ええ。開業して2年目にはデイケア施設を作り、日中も患者さんを診ていく体制にしました。これが当院の「終日型リワークプログラム」の始まりです。厚生労働省が全国の医療施設を対象に行っている『患者調査』でも、「気分障害」(うつ病、そううつ病、気分変調症等)の総患者数は、1999年から2008年の10年足らずで2倍以上に増えました。ちょうど私が診療を始めた時期と重なります。バブル崩壊後に企業は余裕がなくなり、職場環境が激変し、それが定着していった頃です。今ならその要因の一つは、「非定型うつ病」をはじめとする新たな症状の増加だと推定できるでしょう。当時の私たちにはわかりませんでしたが、「今までとは何か違う。同じ診療では駄目だ」と考え、リワークプログラムを用意したのです。当院に併設された施設に通うことは、「毎朝決まった時間に起きて、家を出る」という規則正しい生活を取り戻し、ご本人の生活改善にも役立ちます。そしてスタッフが一人ひとりと長時間接することによって、症状について少しずつ理解できるようになりました。

―どんなことがわかってきたのでしょうか?

まず、うつ病と診断されていた患者さんの中に、そううつ病の方がかなり含まれていました。この方たちのうつ症状は非常に深刻ですが、そう症状は比較的軽く、「エネルギッシュな人」「少しテンションが高い人」と見られて、そう症状に気づかれにくいのです。しかも軽いそう症状でバリバリ働けるうちは、能力が高くて仕事ができる人ですから、職場にとっては重要な存在です。それが何かをきっかけにうつ症状に入り、それから軽いそう症状と重いうつ症状を繰り返すようになる。そのような患者さんが、当院を受診されていたのです。現在、この病気はそううつ病の総称である「双極性障害」に分類されて、特に「双極性II型障害」と呼ばれています。このほか、ご本人も気づいていない発達障害のために、周囲とのコミュニケーションがうまくいかず、お悩みになっている方もいらっしゃいました。うつ病とひとくくりにしていた中に、実はさまざまな病気が混在していたとわかって、症状に応じた助言を行い、それに合ったお薬を使うといったように、治療のやり方も大きく変わってきたんです。



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