白井 輝充 院長の独自取材記事
医療法人社団白輝会 テルデンタルオフィス
(港区/芝公園駅)
最終更新日:2025/03/14

芝公園駅から徒歩2分。オフィスビルの2階にある「テルデンタルオフィス」は、院長を務める白井輝充先生の経験に基づく技術に支えられた、精密なオーダーメイド治療が特徴だ。患者が自身の状態や治療の選択肢を理解した上で治療法を選択できることを何より大事にし、患者への説明に心を砕く。「まず、患者さんに現状を正しく伝えるのが私たちの仕事」という白井院長に、診療スタンスや心がけていること、将来の展望などを聞いた。
(取材日2025年1月16日)
将来を見据えた、検査と計画に基づく診療を実践
開業までのご経歴と、医院の体制について教えてください。

日本歯科大学を卒業後、大学院にも誘われたのですが、臨床の現場で本当に必要な知識と経験を積む道を選択しました。その後は歯科治療のエキスパートになるべく、歯科医院で幅広く経験を重ねた後、2005年に当院を開業しました。私の診療スタイルは、口の中全体の将来を見据えて治療計画を立て、計画にのっとって治療を進めていくものです。これを実践するには、すべての治療を専門家レベルで自分で行える知識と実力が必要になります。各分野の専門家が1人の患者さんの治療を分担するやり方もありますが、自分ができない治療は指示も出せませんし、全体のバランスが取れた口腔内治療を行うには、あらゆる治療に通じていることが重要です。現在全顎のワイヤー矯正だけは、気心知れた私の同級生である矯正専門の歯科医師と当院内で連携しながら施術を行い、後の治療は私がすべて行っています。
どんな患者さんが通っていらっしゃるのでしょうか。
当院はこれまで20年間、看板や広告などを出さずに診療してきました。そのためどなたかのご紹介でいらっしゃる方が多いですね。都内でも離れたところから通ってくださる方が多く、埼玉・神奈川・千葉・茨城・群馬からも来院いただいています。今までさまざまな経験をされた結果として当院にいらしているので、当院の患者さまは皆さん真面目に取り組まれる方が多いように感じます。
「治療計画にのっとって進める」という診療スタイルの背景について教えてください。

過不足のない診療を行うためです。そのためにはさまざまなデータから診療計画を立てていく必要があり、当院ではまず精密検査を行っています。検査は軽んじられることがありますが、その方をよく知らずに治療することほど怖いことはないと思います。家を建てるには設計図が必要なのに、「大切な身体の治療に設計図が必要ない」のはおかしな話です。一人ひとりの治療計画を立てるのは時間がかかり大変ですが、一番大切なことなので重視しています。また、患者さんにはまずご自身のことを知り、興味を持ち、その上で間違いのない選択をしていただきたいと思っています。そのためにお時間をお取りして、なるべくわかりやすいようご希望を伺いながらご相談しています。
口の状態を正確に伝え、治療を選択できる環境を提供
患者さんご自身にお口の状態を知っていただくことが大切なのですね。

はい。なぜなら精密な治療をするには、全体のバランスが取れていることが重要であるからです。初診の患者さんの口腔内を見ると、過去にさまざまな治療をされ、お口全体で見るとバランスが取れずにちぐはぐな治療になっていることが結構あるのです。良い治療がされている場合、エックス線写真を見ても、「治療した歯科医師の意図や治療の歴史」が見えます。それがまったく見えないことが非常に多いです。しかし、自身の口の中がどんな状態なのか患者さんにはわかりません。だからこそ今どんな状態にあるのか、全体を考えどんな治療が必要なのかをしっかり患者さんにお知らせすることは、私たちの大事な仕事であり、義務なのです。私たちが知らせずして誰が知らせるのでしょうか。患者さんには知る権利があるのです。
現状を知った上で、患者さんが治療法を選べることが大切だと。
そうです。そのためには精密検査や複数の治療計画の立案、そしてその説明が必要です。患者さんに説明する時はなるべくわかりやすくするために、口腔内写真を見てもらったり、噛み合わせがずれているような場合は、上下の印象を採って咬合器にセットし、どれぐらいずれているかを実際に見てもらったりしながらお話ししています。口腔内スキャナーで撮影した360度画像やCTも活用しており、状況により画像は患者さんご自身のスマートフォンからも見られるようにしています。ご自身の口腔内に少しでも意識を持ってもらえたらうれしいですね。また、治療方法ごとの違いを費用まで含めて表示するツールも、患者さんへの説明に活用しています。
実際に治療を行う際に心がけていることはありますか?

「悪い所は治し、後は良い状態をキープするために予防する」こと、大切なのはこれだけなのです。シンプルで管理しやすく、ご本人が歯磨きなどのセルフコントロールを頑張れば、無理なく良い状態をめざせるお口の中を作っていく。そのために丁寧な治療を心がけています。マイクロスコープなどは常に使用し、歯を削る際にラインをきれいに整える、印象は丁寧に採る、模型を丁寧に扱う……。基本的なことですが、丁寧な仕事は技工士さんが作る技工物の精度につながり、最終的に患者さんのメリットになるのです。
難易度の高い治療にも対応。自らを知り、適切な選択を
こちらで受けられるインプラント治療の特長について教えてください。

当院で行っている方法は、骨が少ないケースなどにも対応できるもので、従来のインプラント治療に対する固定観念を変えるものだと思っています。大学病院やインプラント専門をうたっている歯科医院では、今でも難易度の高い症例では当たり前のように何度もオペを行い、その分、痛みや腫れ・期間が長引き、費用がかかります。しかし、われわれが現在行っている方法では、オペは基本1回ですので、患者さんの身体的・金額的負担を抑えられるのが大きなメリットです。長年インプラント治療を行う中で、「こういう所が改善できたらなあ」といろいろ考えていた中で出会った方法です。このコンセプトを考え確立し実践されている先生に賛同・共感し、私自身が実践することで大きく変わりました。今後はもっとブラッシュアップして、インプラントを諦めていた方に貢献できればと思っています。
大前提として、歯を失わないための根管治療にも注力されていらっしゃるんですよね。
はい。当然ですが、精密根管治療も当院の主軸です。残念ながら、根管治療は歯科治療の中でも一番手間がかかり大変なので面倒がられ、また保険点数もほとんどないため、いい加減にされてきた治療です。また、患者さんの理解も得られ難いのも大きな原因です。しかし、歯を失う理由のほとんどがここに起因する事実を考えれば軽んじてはいけません。患者さんにはよくこのあたりを考えていただき、根管治療の方法を選んでいただければと思います。「過去に治療を受けたけれど、また同じトラブルを抱えている」という方が多いので、できればそういう状況になる前にお会いできればと願っています。
歯科医院選びは非常に重要ですね。

そうですね。きちんとご自身の状況を説明し、何が必要なのかを正確にアドバイスしてくれる歯科医院と出会えることが非常に重要です。大切なことは、患者さんと歯科医師でお互いのギャップをいかに早くなくし、「治療や予防」という共通のゴールに向かって一緒に歩んでいくこと。すべてはここに集約され、これを乗り越えることが「治療の成功のカギ」と言っても過言ではないと思います。患者さんにはまずご自身の状態と治療法による違いを知ってもらい、その上でどうするかを選んでもらえればと思います。
最後に、読者の皆さんに向けて一言メッセージをお願いします。
歯は何度も治療できると思ってしまいがちですが、一度失ったものは戻ってきません。どうか、失ってしまう前にそのことに気づいて、ご自分を大切にしてほしいと思います。自分の手足の指の数は皆が答えられますが、これが歯になると、何本あるのか知らないという人がたくさんいらっしゃいます。まずは自分に興味を持ち、知ること。治療を受けるにもお任せではなく、自身の状態を把握した上で、どんな治療を受けたいのか考えることを大事にしてみてください。「やり直しのない治療」を目標としている当院では、そのために必要なアドバイスを行っています。まずは知ることと興味を持つことから始まります。その上で、ご自身に合った治療を選択していただきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント/前歯46万円~・臼歯44万円~
虫歯治療/かぶせ物14万円~16万円・詰め物4万4000円~5万2000円
矯正歯科/全顎ワイヤー77万円~・マウスピースを用いた矯正35万円~
精密根管治療/大臼歯12万円~・小臼歯10万円~・前歯9万円~
ホワイトニング/オフィスホワイトニング3万5000円・ホームホワイトニング2万1000円
<備考>
・インプラント:骨が少ないケース、弱いケースにも対応。サイナスリフトが必要な状態でもこの価格で対応できます。
・矯正:症例により金額が異なります。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。