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石井靖久 副院長の独自取材記事

港三田クリニック

(港区/三田駅)

最終更新日:2019/08/28

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「港三田クリニック」。消化器を始めとする内科、婦人科、小児科、禁煙治療、健診、人間ドックなど幅広く対応可能なプライマリケアのクリニック。父である石井勝院長の背中を追って医師となった靖久副院長は、「30年前の開業当初からの患者さんは、僕を赤ちゃんの頃から知っているんです」と笑う休診日も休まず、10社の企業の産業医、学校医、大学病院での内視鏡検査などを務めている。さらに日頃から食事療法の実践を行ったり、またジムで体を鍛えることで生活習慣病患者に節制の大切さや生活習慣を見直す意識づけを促すなど、まさにその身を医師人生に捧げている。父の背中に抱いた憧れの灯を絶やすことなく、一歩一歩着実に地固めする真面目な心根に触れた。
(取材日2014年9月13日)

父の思いに気づき選んだ医師の道

こちらはもともと、院長先生が開院されたクリニックだそうですね。

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はい。僕が生まれた30年以上前からここの場所で開院しているので、僕の赤ちゃんの頃を知っている患者さんもいらっしゃいますよ(笑)。医師をめざしたのも父の影響です。ただ、父は一度も医師になれと言ったことはありませんでした。むしろ予備校時代、勉強不足の僕を見て「医師になりたくないんだったらなるな!」と一喝。今まで怒ったことのない温厚な父が、唯一僕に厳しい顔を見せた瞬間でした。医師は軽い気持ちで就ける仕事ではない、と伝えたかったのだと思います。それ以来、もう一度真剣に考えましたが、「やっぱり医師になりたい」と思い直し、再び勉強に身が入り、大学に進学。進んだのは岡山県にある医学部です。

大学生活ではどのようなことを学ばれたのですか?

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大学で学んだのは、勉学はもちろんですが、東京という街が当たり前ではないということ。これは東京を出ないと気づけなかったことでした。住んでいる人の感覚や都市と都市との移動距離など、まるで違うんです。今でも患者さんに西日本出身の方がいると、話が合うんですよ。「○○に住んでた」と聞くと「ああ、あそこね」とより近づくことができる。今では岡山を第二の故郷だと思ってますし、たびたび訪れたりもします。大学では、素晴らしい仲間達と出会えました。人間として魅力のある仲間達とは今でも仲が良く、この大学だからこそ出会えたのだと思っています。皆各地で医師として活躍していますが本当にかけがえのない財産です。卒業後は都内の大学病院で2年研修。その期間を「スーパーローテート」と言いまして、すべての診療科を2〜3ヵ月おきに2年かけて回りながら、さまざまな診療科目の現場を経験できるシステムです。僕は内科、外科、救急、小児科、精神科、皮膚科などを、先輩医師のもと勉強をさせていただき、貴重な経験でした。その後ひたすら現場で臨床能力を磨きたかったので大学病院の総合内科や救急診療などハードな職場で働き始め、2009年からこちらで本格的に父親と2診体制で診療しており、父も喜んでくれています。

診療とは、医師と患者の人間同士の話し合いだから

先生が診療において大事にしていることは何でしょうか。

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まず患者さんを知る、患者さんの立場・目線になること。患者さんが何を求めているのかを感じ取る・感じ取ろうという姿勢というのは何より大事だと思っています。言葉にすると簡単ですが、忙しい臨床の場ですべての患者さんに対して実践・継続する事は容易い事ではありません。そして基本的な事ですが「医療」と「医学」は違います。医学は学問で確固たるものがある。でも医学から見たら正しいことも、医療として行う場合それがすべて正しいとは限らない。学術書には必要な検査と書いてあっても、それがどれほど苦痛を与えるものなのか、どれほどコストがかかるのか、そういった生々しいことは一切書かれていないんです。ですから体調はもちろん時間的な余裕や経済的な事情、また一人暮らしなのか介護するご家族がいるかなど、その方のバックグラウンドに合わせた治療、投薬、検査を心がけます。患者さんにとってはしてほしい検査でも、医師としては必要がないと判断する場合もあります。逆にすぐにでも始めて欲しいお薬があるケースも。それらをどう理解・同意してもらい、納得を得るか。そのためにはひたすら説明とお話をすることですね。処方と治療は異なりますから、理解していただいた上で処方し、それをしっかり内服してくださる事で初めて治療になります。そのプロセスとして患者さんとは常に話をしています。僕は肩書き的には医者ですが、それ以前に患者さんと同じ人間です。ですから診療と言っても、人と人との話合いが何より重要だと僕は思います。

患者にとってはとても安心感のある診察風景ですね。

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ありがとうございます。診療というのは1人1人オーダーメイドのようなものですし悩む事も目が回る程疲れる事もしばしばです。そうした時はいつも、「この患者さんが自分の家族だったら」とか「この患者さんにも大切な人がいて、この患者さんを大切に思っている人もいる」と思うようにしています。そうすると当然手は抜けないですし俄然暖かい気持ちで診療ができます。自分を鼓舞する僕なりの方法ですが、それがまた安心感に繋がれば本望です。実は2年前、趣味のフットサルの試合中アキレス腱を切って即手術をしたことがあります。もちろんその間、僕は休診になりました。2週間後復帰し、ギプスをはめてクリニックに来たら、「大丈夫でしたか?」と言ってくれる患者さんもいましたが、ほとんどは怒られました。「頼むよ先生、自分1人の体じゃないんだよ」と(笑)。自分を頼りにしてくれている方々の厳しいお言葉がうれしかったです。それ以降、迷惑をかける事はできないとフットサルは辞めました。でも怪我をするのも悪いことだけではないんです、患者さんの気持ちになれますから。医師としてこれ以上の経験はありませんから、怪我も前向きに捉えて多少は成長の糧になったかもしれません。もう1つ、嬉しかった言葉があります。アメリカ人男性の患者さんが初診でいらっしゃったときのこと。診察後、「アメリカと日本を含め、今まで会ったドクターで一番良い」と言われました。その方がしっかりコミュニケーションをとってくれたこともありそのお声につながったのだと思うのですが、日本の医師は彼にとってはまだまだコミュニケーション不足だそうです。うれしかったと同時に教えられました。今ではお子さんと、家族ぐるみで来院してくださってます。当院は家族単位や親子世代で来られる方が多かったり、また地方に転居されてもわざわざ通院してくださる方もいらっしゃったり、そんな皆様の気持ちに応えれるよう毎日朝1番から真剣かつ全力で診療しています。心療内科を掲げていることもあって、職場のメンタルヘルスを診る産業医も、近隣で10社ほど受け持ち、休診の木曜に何社か回っています。この辺はビジネス街でもあるので会社員の方も多いですし、産業医での経験も活かす事ができていると思います。

幼い我が子に伝えたい、4つの人生訓

スタッフの皆さんも温かいですね。何か気を付けていることはあるのでしょうか?

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いつどんな状態で人が来るかわかりませんから、スタッフにも救急対応ができるよう常に意識を持ち、準備を整え、イメージトレーニングをしてもらっています。また、接遇という面での意識は強くあります。クリニックを構成するのは医師だけでなく、看護師や事務員、縁の下の力持ちの事務長など、全員が大事なファクターです。その意味で、受付ってとても大事ですよね。患者さんが医院に入って来て最初に顔を合わせるのも、診察を終えて最後にお会計し、帰る間際に顔を合わせるのも受付です。最初と最後という一番大事な部分を担っているので、笑顔を絶やさないようにしています。また、どんなに忙しくても待合室にいる人に常に目を配り、異変がないか待ち時間が長すぎないかお声がけをするようにしています。僕の細かい指摘は、もしかしたら姑以上にうるさいかもしれません(笑)。でもそれもすべて患者さんのためになっていれば嬉しいです。昼休みもまともに取れない事も多い中でスタッフも皆本当に頑張ってくれています。まだ至らない点も多いのですが、これからもさらに良い医療を提供すべく全員でホスピタリティ性を向上させたいと思っています。

先生のそうした心配りの精神は、どこから育まれたものなのでしょう。

僕の人生のモットーがあって、「人にやさしく」「人に迷惑をかけない」「嫌な思いをさせない」、そして最後は「少し人を幸せにする」。世界中というより、身の丈に合わせて自分の周りの人をちょっとでも幸せにするだけでいいと思うんです。幸せの定義はいろいろとあると思いますが、僕の仕事でそれができるとしたら病気の人を治すとか、大きな病気にならないように予防したり、困っている人のサポートするといったことなので、それを地道に、しっかりと続けていく事が僕の使命だと思っています。そうすると自ずとやるべき事が見えてきて、それを日々粛々と実践しているに過ぎません。これは幼い頃から両親を見ていてそう感じるようになったので、自分の子にもそうなって欲しいですね。僕には2歳の娘と4ヵ月の息子の2人の子どもがいますが、そのモットーのもと育てていますし、「家訓を作るとしたらその4つだね」と妻が言っています。そんな妻には本当に感謝しています。仕事でストレスと疲労がたまっていたのを見かねて、妻がある日突然「ジムの体験入会の予約をとったから行ってみて」と言ってきました。医師はこう見えて体力勝負の部分が大きいので、物は試しと通い始めたんです。すると体型維持も含めて体調も良くなり、今では率先して週に1度は行っています。合わせて食事療法もしているので、生活習慣病の患者さんにもこういうトレーニングや食事療法が良いよとアドバイスにも具体性が増します。もちろんパワーの源は他にもあります。子どもの寝顔だったり、子どもとのお風呂。2歳の娘は特に育ち盛りなのでエネルギーも同時に奪われますが(笑)、一番可愛い時期ですし、精神的な充電になっています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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内視鏡検査など、内科の中でも自分の操作で体の中を治療ができる、少しアグレッシブな部分に惹かれて消化器を専攻しました。しかし特定の分野に偏らずに、どこに相談したら良いかわからない悩み事でも聞ける医師でありたい。それこそがかかりつけ医ですし、そのためにも常にアップデートされる医学について継続的に学び続けます。培った経験と最新医学のバランスが大切だと思っています。専門外で必要があればその専門の医師を紹介するネットワークも整っています。相談しやすい空気を作るのも大事です。相談に来られた帰り際、「もう1つ聞いてもらってもいいですか?」とそれまでしていた治療とまったく違う相談をされることがありますが、これは医師としての僕を評価してくださった結果だと思ってうれしくなります。そういえば僕が高校生の頃、診察を終えた父と一緒に帰宅することがあったのですが、道すがら患者さんからよく声をかけられていました。それを見て自然と、医師のあるべき姿は地域に、人に近しい存在なのだと教えられました。今では僕も医院から家に帰るまでの道で、よく声をかけられます。そんないつまでも人として触れ合いが持てる、ホームドクターのような存在になれたらと思っています。また、当院は開院当初から予約制はとっておりません。これは調子が悪くなった時にもいつでも予約を気にせず駆け込めるようにするためです。当院は患者様が多くどうしても混み合う事が多く、また問診も時間をかけるため待ち時間も長くなってしまう時もありますが、スタッフ一同、日々全力で診療をしておりますので皆様にはご理解いただき、そしてこれからも当院を応援して頂ければと思います。

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