全国のドクター9,229人の想いを取材
クリニック・病院 161,263件の情報を掲載(2020年8月06日現在)

  1. TOP
  2. 東京都
  3. 港区
  4. 田町駅
  5. 社会福祉法人恩賜財団母子愛育会 総合母子保健センター 愛育病院
  6. 安達 知子 病院長

安達 知子 病院長の独自取材記事

総合母子保健センター 愛育病院

(港区/田町駅)

最終更新日:2019/08/28

99999 %e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%8b%e3%83%83%e3%82%af

今上天皇生誕を記念して翌年の1934年3月に財団創立されて以来、広尾の地で周産期医療を軸に母と子の健康に寄与し続けてきた「愛育病院」。少子化時代にありながら子どもの人口が増え続けているという港区からの要請を受けて、2015年、大規模開発によって従来のビジネスタウンから“住みたい街”へと変貌を遂げた芝浦に移転してきた。地上10階の建物にNICU12床、GCU24床、MFICU9床、PICU12床を含む160床を擁し、質を追求した医療で安全で快適な妊娠・出産・育児を支援しながら、出産に関わらない女性の健康もサポートしている。女性の社会進出が進み、晩婚・晩産化が進む現代のニーズに応える、きめ細かなケアで移転後も湾岸の若いファミリー層から支持を受けているという。新しくなった病院は、ホテルロビーのようなエントランスから、上質で居心地の良い空間が続く。そんな病院の魅力を、2017年末より院長を務める安達知子先生に聞いた。
(取材日2018年6月27日)

時代に寄り添い、女性と子どもの健康を支援

病院のなりたちと特徴を教えていただけますか?

20180830 1

1934年に、当時劣悪であり後回しにされてきた母と子の健康の調査・研究を行う目的で創立された「母子愛育会」が母体です。1938年に研究所と臨床部門を担う病院を開設。その後小児科と産科が開設され、1949年に「愛育病院」と改称されました。1999年より、「総合周産期母子医療センター」の指定を東京都から受け、妊娠・出産の周産期医療を軸に、女性と子どもの健康を支える医療を展開しています。総合周産期母子医療センターとは、人口100万人に1施設とされ、2018年4月の時点で全国に108施設あります。近年、再開発が進み若年層の人口流入が顕著な港区からの要請を受け、2015年に広尾から芝浦へと新築移転。従来の病院は「愛育クリニック」として機能を残し、役割を分担しながら運営しています。

貴院での出産について教えてください。

20180830 2

晩婚化、晩産化が進む現代では、ハイリスクとなる出産も増えています。そうしたリスクに対応しながら、妊産婦の意思と選択を尊重する産科医療を展開しています。流れ作業的な対応ではなく、医師はじめスタッフが妊産婦さんお一人お一人に向き合い、「愛育で産んでよかった」と思っていただけるお産を一丸となってめざしています。近年ニーズが高まりつつある麻酔分娩、いわゆる無痛分娩にも力を入れており、24時間365日麻酔科の医師が待機。麻酔分娩ご予定の方に向けて「麻酔分娩学級」を開催するなどして、そのメリット・デメリットを含めて詳しく説明しています。麻酔分娩で出産された方ではすぐに「もう一人産みたい」とおっしゃる方も多く、母体と胎児へのストレスを抑えられるためか、帝王切開率も減っているようです。当院はハイリスクな出産を担う総合周産期センターではありますが、帝王切開率は全体の24%程度です。

新病院長として病院に望むことは?

20180830 3

病院長として、すべての方に「愛育病院で診療を受けられて良かった」と思っていただくこと、すべての職員に「愛育病院で働いていて良かった」と思ってもらうことをめざしています。また、そのために適切な経営を行い、サービス向上と安全管理のバランスを取ることも大切です。その上で、高度周産期医療施設としての機能に加えて、出産するしないに関わらず、広く女性の健康を支える施設でありたいと考えています。生殖補助医療の発展で、あたかも出産が最終目的のように考える方もいらっしゃるようですが、女性にとって出産は通過点のひとつに過ぎません。大きく視野を広げて、子を宿す前から産み終えた後まで、すべての女性にご自身の体と向き合ってほしいと思っています。そのために女性専門の健診部門を作り、マンモグラフィ、CT、MRIなどの画像部門とも連携した本格的な女性専門の健診コースを運用しています。

移転後の変化はありますか?

20180830 4

質の高い周産期医療を軸とした当院の運営には大きな変化はありませんが、移転後は近隣にお住まいの方からも多数ご来院いただき、分娩数が広尾時代のほぼ倍の件数に迫るようになりました。港区は都内でも子どもの数が増えているエリアで、小学校を新設するなど行政も“産み、育てやすい街づくり”に力を注いでいます。そうした意味で、当院の移転が一助になれているのかなとは感じます。広尾の病院は「愛育クリニック」と改称し、小児科、産婦人科外来を中心とした機能は残してあります。また、小児精神科や周産期遺伝相談、インターナショナルユニット、歯科ユニットなど、当院では担いきれないニーズに応える機能を分化し、カルテを共通として密に連携をとっています。

読者へのメッセージをお願いできますか?

20180830 5

妊娠は病気ではないとはいいますが、やはり女性にとって出産は大変なこと。特に不妊治療後の多胎・双胎妊娠や、子宮筋腫の合併や筋腫の手術後、30代でピークを迎える子宮頸がんの円錐切除後などの影響もあって早期産が増えるなど、リスクのある妊娠出産も増加しています。また、妊娠出産を機にメンタルヘルスを崩される女性も。当院では妊娠前から妊娠・出産・育児中・更年期・閉経後まで、生涯を通じて女性の心身の健康を支えていきたいと考えています。当院での妊娠・出産だけでなく、オープン・セミオープンシステムでの周産期医療連携や妊産婦のメンタルヘルスサポート、NICU卒で常時医療ケアが必要な子へのレスパイト事業、小児救急や小児救命救急など、ニーズに応えるサービスでお応えしています。まずはご自身の体としっかり向き合っていただくことが大切ですが、その上で気がかりやお悩みが生じれば、ぜひご相談いただきたいと思います。

Access