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丸山 進一郎 院長の独自取材記事

アリスバンビーニ小児歯科 大森診療所

(品川区/大森駅)

最終更新日:2019/08/28

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朝霞にある診療所とこの大森診療所の2院体制を敷く「アリスバンビーニ小児歯科」は、埼玉県での小児専門歯科医院の先駆けとして1978年に開業。以来歴史を重ね、開業当初通っていた子どもたちが親となり、今ではわが子を連れて治療に訪れるという。大森診療所は2016年に現在の場所に移転。白木のフローリングが敷き詰められた待合室、診療室はバリアフリーで明るく広々としており、診療台も赤・青・黄のカラフルな色使いで楽しげな雰囲気だ。丸山進一郎院長を筆頭に「子どもが大好き」という小児歯科のドクターたちによる丁寧なカウンセリングと、予防や矯正までカバーする専門的治療に定評がある。優しい笑顔と穏やかな語り口の丸山院長に、診療の特徴や小児歯科治療にかける思いをたっぷり語ってもらおう。
(取材日2017年4月11日)

地域の小児歯科専門クリニックの先駆けとして

埼玉県において小児歯科専門医院の先駆けだそうですね。

朝霞の医院が開院したのが1978年、この大森が1986年ですから、もう40年近くこの地域で診療してきました。今まで来院されたお子さんは、合わせるとおよそ4万人に上ります。年齢としては0歳から中学生くらいが中心ですが、中には自分の子どもを連れて2世代で通ってくださっている方もいらっしゃいます。近隣だけでなく都内や神奈川県からもご紹介やクチコミで来られますね。最近は予防目的の意識の高い親御さんが多く、歯並びのご相談もよくあります。当院では、なるべく歯を抜かずに顎の発育を良くして、タイミングを図ってきれいな歯並びや噛み合わせに誘導する治療を行っています。また、子どもは4人いるのですが、当院にて末娘は受付を、次女が矯正の歯科医師を担当しています。

小児専門の歯科医院で診察を受けるメリットとは?

専門性が保証されているということですね。今は小児歯科を標榜している歯科医院も増えていますが、実際には医師が子どもの扱いに慣れていなかったり、泣く子どもは治療を断られたりすることがあります。子どもがなぜ泣いているのか、私たち小児歯科を専門としている歯科医師はその理由がもちろんわかります。どうしていいのかわからなくてパニックを起こして泣いているのです。しかし、そこで優しいまなざしと優しい言葉がけがあれば、パニックを起こすことはほとんどありません。小児歯科に不慣れなクリニックでは、お母さんも不安になって、その不安が子どもにも伝染します。でもお母さんが歯科医師を信頼しているのがわかると、不思議とお子さんも泣かないんですよ。子どもは親の気持ちをしっかりと感じ取るのです。

実際にどのように診療されているのですか?

初診時は、まず親御さんにも一緒に診療室に入ってもらい、お悩みをしっかり聞き、不安や緊張を取り除くことから始めます。そして安心してお子さんを任せてもらえる状態になってようやく治療開始です。当院ではお子さんの治療中、親御さんには待合室で待っていてもらうのですが、それは私たち医師とお子さんがダイレクトにコミュニケーションを取りたいから。治療環境も重要ですね。子どもは隣に他の子どもの姿が見えると安心できるので、視界をさえぎらない造りになっています。待合室と診療室を隔てるドアも上下の隙間が大きくあいているので、待合室からでも診療中の声が聞こえ、待っている親御さんも安心できる造りになっているんですよ。

「自分がされたくないことはしない」が診療のモットー

歯科医師を志したきっかけについて教えてください。

父が歯科医師で、大森にある実家で歯科医院を開業していました。父は私が歯科医師になるのを望んでいましたが、高校生の私はあまり乗り気ではありませんでした。それを高校の恩師が、「これからの歯科医師はスペシャリストの時代。君は小児歯科が向いているんじゃない?」とおっしゃって、その言葉に心を動かされたんです。学級委員もやっていましたし、どちらかというと面倒見がいいタイプだったので、そう言われたのかもしれません。小児歯科を専攻したのは、子ども好きだったからですが、私のいとこが脳性まひの障害があり、子育てに苦労している叔母の姿を見ていたことも影響しています。子どもやお母さんたちのためになる、そんな仕事がしたいと思ったのです。

開業に至る経緯は?

日本歯科大学で学び、卒業後は先輩の歯科医院に勤めながら、母校の教授が主宰する小児歯科の勉強会で学んでいました。1年半ほどたった頃、別の先輩のクリニックで新しく開設する小児専門の分院の院長を任され開業することに。もともとの「アリス歯科」という院名にイタリア語で「子どもたち」という意味の「バンビーニ」を加え「アリスバンビーニ小児歯科」としました。理想の小児歯科医療を提供しようと、開業後、日本歯科大学歯科麻酔学で歯学博士を取得しました。これは来院される患者さんの中に障害を持つお子さんも多く、何か事故があった場合にも安全な対応ができるようにと考えてのことです。

先生の診療スタンスをお聞かせください。

しっかりカウンセリングをして、そのお子さんの3年後、5年後、大人になったときのことまでを考えて診ることが最も大事です。そして「より安く、より早く、より確実に」というのが当院の開業以来の基本方針。診療では「自分がされたくないことは、患者さんにしない」ということを大切にしています。私の父は「歯はなるべく削らないほうがいい」と常に言っていました。歯を削ることが治療の主流だった時代に、「歯を削ると後からいろんなツケがまわってくる。予防歯科を大切にしたほうが良い」という考えをしっかり持っており、私はその教えを引き継いでいます。この仕事をお金儲けとして考えたことは一度もなく、それも父譲りかもしれません。

小児で特徴的な診療はありますか?

食べづらい、話しにくいといった、お口の機能改善の治療も行っています。実は食べ物の好き嫌いも、野菜など繊維質のものが飲み込みにくいことが原因になっているケースもあるんですよ。また話し方で、カ行、サ行、タ行の発音がはっきりしないお子さんは、生まれつき舌の下の筋が短くて動きにくいことが原因となっていることがあるため、そういう子にはまず舌のトレーニングを行います。それでも改善されない場合は手術をしますが、なるべくそうならないよう機能改善に努めます。4〜5歳になれば継続して舌のトレーニングができるようになり、子ども自身も舌に意識がいくようになります。

歯科治療を通じ、子育てに悩む親たちの力になりたい

思い出に残っている患者さんとのエピソードはありますか?

開業して間もない頃、治療を嫌がるお子さんを押さえ付けて治療したとき、たまたまユニットの出っ張っているところにお子さんがぶつかり、親御さんにものすごく怒られました。「あなた、お子さんいないでしょ」と言われてそれがショックでね。それ以降、「自分がこの患者さんの親だったらどんな気持ちか、どうしてほしいか」と常に思い描きながら治療をするようになりました。そして「もし親だったら、歯科医師から医学的な説明だけではなくて、こんなふうに説明してほしいだろうな」と考えながら、親御さんに説明をするように心がけてきました。

クリニック以外の活動やプライベートはどう過ごされていますか?

現在、日本学校歯科医会の会長、品川学校歯科医会の会長、日本小児歯科学会では理事を務めています。また、埼玉県立大学では小児歯科を、昭和大学歯学部では口腔衛生学を学生たちに教えています。何かと忙しくしていますが、時間が空いたときには好きなゴルフや山登りを楽しんでいます。あとは英会話の勉強ですね。いつか留学したいと思っているんです。

子を持つ親たちへ、メッセージをお願いします。

最近の親御さんたちは、お子さんを怒りませんね。診療しながら、親としてもっと毅然とした態度でいてほしいと思うことがあります。片やこちらがお子さんに注意するとものすごい剣幕で怒り出す親御さんもいる。そういうときは「お母さんも一生懸命だろうけど、それはちょっと違うんじゃないのかな」と話をします。すると「今まで私の育児は何だったんでしょう」と泣き出してしまう人もいてね。でも必ずその後は僕の熱烈なファンになって(笑)、リピーターになってくれ、子育ての相談を受けることも。「親育て」なんていうと言い過ぎですが、僕としてはやはり親として自信を持っていただきたいんです。年の功としてアドバイスをすることで、少しでも親御さんたちの役に立てたらなと思います。

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