小林 伸 理事長の独自取材記事
大崎オーバルコート歯科・矯正歯科室
(品川区/大崎駅)
最終更新日:2025/11/14
大崎駅が最寄りの「大崎オーバルコート歯科・矯正歯科室」は、オフィスビルとタワーマンションが並び、ビジネスと生活の場が混在するこの街で、高い理想を追求しながらも親しみやすさを兼ね備えた歯科クリニックだ。じっくり腰を据えた歯周病治療とそれに不可欠な衛生管理に注力する一方、専門性を要するインプラント治療にも強みを発揮する。同院院長、そして経営母体の理事長も務める小林伸先生は、患者を自分の家族と思って治療するきめ細かな態度で、多くの信頼を集めている。尊敬する父親に学んだというその精神をこれからも大事にしたいと意気込む小林理事長に、開業からの歩みや診療のスタンス、自慢のメンバーなどについて語ってもらった。
(取材日2025年10月16日)
現体制で10年目に突入し、地域医療への貢献に手応え
開業から現在までの歩みについてお聞かせください。

当院は2001年2月、医療法人社団良真会のもとで開業しました。そして2015年に良真会のご厚意で歯科医院を譲渡してもらい、その翌年から私が理事長を務める医療法人社団KDSの歯科医院として再スタートを切りました。早いもので、現在の運営となって10年の月日が過ぎようとしています。その間、当院の隣接区画に、歯科衛生士が患者さんの衛生管理に集中できるスペースを確保するために「大崎オーバルコート歯科・矯正歯科室 予防・口腔ケアクリニック」を新設し、大崎駅周辺の歯科医療ニーズに応じた改善を図ってきました。ありがたいことに、歯周病治療などの長期症例で通ってくださる方も年々増え、地域の歯科医院として一定の役割は果たせているのかなと思っています。
治療と予防のスペースを分けたことはプラスに作用していますか?
以前は限られたスペースに歯科ユニット5台が並び、歯科医師と歯科衛生士、治療またはメンテナンスで来られた患者さんが一緒になって混雑していましたが、たまたま隣のテナントが空いたので、予防特化型のスペースを造設したのです。治療と予防を分離したことで、それぞれの目的とアプローチを最適化できています。治療ゾーンでは診断や処置の精度を高めることに集中でき、結果として再治療率の低下や患者さんに満足していただけることが期待できます。歯科は予防こそがメインだと考えているので、スペースを分けることができたのは幸運だったと感じています。治療の必要がなく、メンテナンスのみで通う患者さんは、お口の中のチェックのタイミング以外は、ほとんど私とお会いしないでしょう。
改めて、クリニックの診療の特徴を教えてください。

患者さんは話を聞いてほしいと来院される方が多いため、治療だけでなく、随所にカウンセリングを設けて、患者さんの心配事や要望など、丁寧に伺うよう心がけています。治療を受けるにあたり、内容・費用・時間が事前にわからないと積極的に治療を受けようという気にならないと思うので、最終的なゴールを明確にお伝えすることを重視しています。ゴールが見えることで、最後まで頑張ろうという気持ちが生まれると考えているからです。治療の目的が「とりあえず噛めるように」と「20年後も健康に食事をしたい」だと、治療計画は大きく変わります。患者さんは専門的な情報を得るのが難しい場合もあるため、私たちが情報をお伝えして、潜在的なニーズに気づいてもらい、その上で判断してもらうことが重要です。すべては患者さんに健康になっていただきたいという想いからですね。
より良い治療には患者と雑談を交わす余裕も必要
インプラント治療が得意と伺いましたが、患者さんへの説明や治療の時に気をつけていることは何ですか?

「インプラントは魔法の道具ではないですよ」とお伝えしています。臨床で使われ始めてから60年くらいたって、インプラントの技術とクオリティーは確実に向上しました。しっかり噛めるようになるための治療法ですが、インプラントと天然の歯とは構造が全然違うんです。天然の歯は自分の組織だから血液供給があり、免疫がしっかり働いて、細菌への抵抗力が強いです。一方、インプラントは絶対的に抵抗力が弱いので、油断してメンテナンスを怠ると、すぐに壊れてしまいかねません。患者さんにはなぜインプラント治療が必要になったのかをよく思い出して、高い費用が無駄にならないよう、予防に一層力を入れられるよう、私たちと一緒に頑張ってほしいと思っています。
患者さんとの接し方を含め、診療に対してどのようなスタンスで臨んでいますか?
どの患者さんにも自分の家族を治療するようなつもりで、寄り添った診療を心がけています。この姿勢は、長く歯科医師をしていた父から学びました。父は私の歯学部在学中に亡くなり、歯科医院も閉じてしまったのですが、10年ほどたって後を継いだ私の兄が「足立インプラントセンター小林歯科医院」を始めると、父を知っている患者さんたちがたくさん戻ってきてくれたんです。その方たちのお話から、父が親身になって患者さんの訴えを聞き、時に気軽な雑談も交えながら温かみのある診療を行っていたことを知りました。じかに教わる機会はありませんでしたが、父は多くの人に慕われる素晴らしい歯科医師だったんだなと思い、少しでも父に近づけるよう、日々努力しています。
時間対効果を重視する考え方もありますが、診療の効率と患者さんとの信頼関係構築は両立できますか?

歯科のクオリティーが上がり、効率的な診療を求められる時代ですが、ほんの一言二言でも良いので患者さんと治療以外の言葉を交わす余裕は失いたくないですね。なぜなら、診療中は必要な情報をシンプルにわかりやすく伝えるのはもちろんですが、雑談の中からしか患者さんの本音や悩みを引き出せないことも少なくないからです。また、治療以外の話題やちょっとした声かけは、緊張を和らげ、安心感を感じてもらうという面でも欠かせません。父も患者さんとよくお話ししたようですが、これは時間の浪費などではなく、人間同士の信頼を築くための大切なコミュニケーションだと思います。だから私も、あくまでより良い治療につなげるために、意識して診療以外のお話をしています。
「宇宙一」のメンバーが存分に働けるよう勤務体系改革
先生から見たスタッフさんの働きぶりはいかがですか?

最高のメンバーですね。私にとっては世界一、いや、宇宙一だと思います。個々の資質や努力もさることながら、メンバー同士の協力や互いを高め合う関係が非常にうまくいっているからだと思います。メンバーにこうしてああしてと言ったりはしていないんです。皆が皆、その人の今の状態において最善を尽くしているのは見ていてわかるので、勤務態度には何も問題はないですね。ただ、その最善が効果的な場合もあればそうでない場合もあると思うので、後者かなと思ったら軌道修正を図ることはあります。私の役目は、その人が持っている可能性の追求に誠実に寄り添うことだけです。
診療の終わりを早めるなど、勤務体系をリニューアルしたそうですね。
私たちは、働く時間と休む時間のメリハリを大切にしています。勤務時間を見直し、休日をしっかり確保することで、オンの時間は集中して業務に取り組み、オフは心身をリフレッシュできる環境を整えました。職場は一日の大きな時間を過ごす場所だからこそ、楽しく意義のある時間にしたい。メンバーが成長を感じられる場であり続けるため、日々工夫を重ねています。取り組み当初は業績に影響もありましたが、皆の努力のおかげで今では以前の水準に戻り、安心しています。
最後に、読者へメッセージをお願いします。

「もう自分は良くならない」と思っていませんか。そう感じて、取りあえずの治療だけを選んでしまう方も少なくありません。けれど、私たちは知っています。どんなお口の状態でも、正しい治療とサポートがあれば、良くなることが望めます。確かに、程度によっては時間も費用もかかるかもしれません。しかし、噛めるようになった時、鏡の中で自然に笑えるようになった時、その喜びは何物にも代えがたいものです。私たちは、あなたの「もう一度、笑いたい」という想いを全力で支えます。治療も予防も、ともに歩んでいきましょう。あなたの未来の笑顔を、私たちは信じています。ぜひお気軽にご相談、お越しください。
自由診療費用の目安
自由診療とは虫歯治療/5万4780円~、入れ歯・義歯治療/10万5600円~、根管治療/5万5000円~、クリーニング/5500円~、歯周病治療/35万7500円程度、インプラント治療/50万1600円~、顎関節治療/5万5000円程度、矯正/4万4000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

