大矢 敦司 理事長の独自取材記事
大崎ThinkPark歯科
(品川区/大崎駅)
最終更新日:2024/01/18
大崎駅から徒歩30秒のビル3階にあるのが、2007年11月に開業した「大崎ThinkPark歯科」。理事長を務めるのは大矢敦司先生。患者と対等な立ち位置で接することを大切にしており、患者とフランクに会話を楽しめるような環境づくりを心がけている。また、国内の予防歯科の認知度が拡大することを期待するとともに、国が掲げる予防歯科の動向を注視していて、予防歯科を中心に診療を行い、主に歯科衛生士が活躍するようなクリニックが理想だという。今回はそんな大矢理事長に、クリニックの特徴や今後の展望について話を聞いた。
(取材日2023年12月5日)
理想的な診療は、歯科医師が削る道具を持たないこと
クリニックのコンセプトについてお聞かせください。

当院は予防歯科に注力することで、患者さんの口腔内の健康に貢献したいと思っています。歯科医師の理想的な姿は「削る道具を持たないこと」。当院の患者さんのうち予防を目的に来院される方は、約6割です。多くの方が、お知り合いの紹介を通して来院されているようです。私は、患者さんと同じ立ち位置で接したいと思っています。一般的に歯科医師は先生と呼ばれることが多いですが、私は違和感を覚えます。それは、歯科医師が上位であるという感覚から生じる呼称だから。私は患者さんと対等に接することを願っており、患者さんとフランクに会話ができる環境を構築することは、よりレベルの高い医療を提供する上で重要であると考えています。
患者の傾向についてお伺いします。
大崎駅から雨に濡れずに30秒でアクセスできる立地にあるため、平日の患者さんは大崎駅近隣のオフィスワーカーの方が大半で、年齢層は30代、40代、50代が中心。その多くは、ご自分の意志で歯のケアを心がけているという特徴をお見受けします。当院スタッフは皆が、待ち時間や診察時間といった「時間」を強く意識して従事していることはアピールポイントの1つ。これがあるからこそ、時間的に余裕のないオフィスワーカーであっても、会議の合間やお昼休みに通院していただけるのだと思います。週末は平日の傾向と異なり、地元住民の方からご相談を承る機会が増えます。ほかに子育て世代の親御さんが、幼稚園のお子さんを連れていらっしゃる方も。親御さんご自身が虫歯で苦労された経験があるため、子どもには同じ苦労を味わわせたくないという思いのようです。
クリニックの特徴を教えてください。

当院のメンテナンスでは、主にエアフローという機器を使用したパウダークリーニングを行っています。歯周病や虫歯の原因は歯の表面についたバイオフィルムという膜。この膜は、歯垢が口腔内にとどまることによって形成されます。従来の研磨剤による予防処置では、歯やかぶせ物の表面を傷つける可能性が高かったのですが、パウダークリーニングではほとんど歯を傷つけることはないとされており、安心して受診いただけると思います。このクリーニングは虫歯や歯周病の予防処置であるだけでなく、歯の着色を取り除くことも期待できます。一般的にバイオフィルムは3ヵ月程度で歯に再付着することから、多くの患者さんには3ヵ月ごとのメンテナンスをお勧めしています。
利他の精神をもって人と接することが大切
診察時の特徴についてお聞かせください。

クリニックで治療を行い「やっと治療が終わった」と喜んだ矢先に「次は予防処置をするので予約を取ってください」と言われ、不快な気持ちになった経験をお待ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。当院ではそのようなケースを防ぐために、治療目的で来院した患者さんに向けて、初診時に「口腔内トラブルの治療後は予防を継続する」旨を明確にお伝えしています。患者さんと医療側のコミュニケーション不足によって相互理解の齟齬につながり、ひいては信頼関係に亀裂が入る場合も。患者さんの健やかな口腔状態の維持をめざして、細かな配慮に努めています。また予防歯科の場合、経過を正確に把握するために、基本的には患者さんのケアを行う歯科衛生士は担当制。時間調整が難しいケースは、担当以外の歯科衛生士が対応することも可能です。
理事長が診察する際に、心がけていることについてお伺いします。
私は理事長ではありますが、自分の手技によって患者さんが喜んでくださる場面が大好きな現場人間です。患者さんとのお話も長引きがちなのですが、その場合はさすがに、スタッフから「巻き」が入ります。患者さんと歯科医師の関係において信頼関係は重要な要素だと考えているので、フランクなコミュニケーションは継続していきたいですね。地域柄、大企業の上層部方の治療をお受けすることも多く、そうした方々から歯科業界以外の知識、例えば社員の健康管理に関する情報などを教示いただくこともあります。こうした機会が得られるので、やはり現場は離れられません。また、私が治療の中で重視しているのは「丁寧な処置」。私自身がここにこだわりを持っているので、スタッフにもその重要性について強調しています。
スタッフ教育に関する、理事長のこだわりを教えてください。

当院には歯科衛生士が10人おり、歯科医師は常時4〜5人が院内におります。診察後の時間を使って、定期カンファレンスや技術研鑽の機会を設け、スタッフ一同、現状の技術やホスピタリティーに満足することなく、さらなる高みをめざしております。私からスタッフに伝えているのは「利他の精神をもって、患者さんならびにスタッフと接すること」。お互いを尊重し合いながら業務に従事することが、働く人の基本であると感じています。またスタッフには、自分の家族、親戚や知り合いと接するような気持ちで、すべての患者さんに対応するよう指導を徹底しております。
モットーは、豊かな食生活の実現に向けた全力サポート
地域住民にとって、こちらのクリニックはどのような存在だと思われますか。

私にはかなえたい夢があります。それは「歯を削る道具を必要としない歯科クリニック」。歯科医師よりも歯科衛生士が活躍しているクリニックが、私の理想です。当院は患者さんの4割が治療目的、半分以上の6割が予防のために来院してくださっています。2010年と2023年の予防歯科の患者数を比較すると、その数は倍増。当院の患者さんの多くは、長年予防歯科のための来院を継続されています。当院が予防歯科に強みのあるクリニックとして認知されているのは、こうした方々が多方面の知人に紹介してくれるおかげ。とてもうれしく、誇らしいことだと思います。今後も、この流れに沿って精進してまいります。
今後の展望を教えてください。
私にとっての治療目的の大前提は、患者さんが自歯で食べ物を噛めること。そして私のモットーとして、患者さんが豊かな食生活を送れるよう全力でサポートさせていただくことを掲げています。今後この想いをトータル的に実現するために必要だと思っているのは「食育」の分野に着手すること。病気の根本的な原因は、多くの場合「食」にあると私は考えています。薬に頼らない生活をめざすために「食生活の見直し指導」を当院メニューに追加する方向で検討中です。すでにこの領域に踏み込んでいる歯科クリニックもあり、院内に管理栄養士が在籍し、患者さんの栄養状態改善などに取り組んでいるようです。私にとっての今後の課題の1つですね。また院内のデジタル化を進める必要性も認識しているので、こちらにも注力していければと考えています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

歯を失ったときにどのように補うのか。その選択基準が曖昧であるがゆえに、患者さんが戸惑っているようなケースが散見されます。他院で「抜歯以外の選択肢なし」と言われた患者さんが、当院に相談に来られることがあります。セカンドオピニオンを求める患者さんにも喜んで対応させていただきます。また先述した内容とかぶりますが、当院の強みの1つは「時間への意識」が高いこと。全スタッフが診察の開始時間、終了時間にこだわりを持って従事しています。お忙しいオフィスワーカーの方でも通院しやすいクリニックとして利用していただいておりますので、不調を感じる場合はご相談ください。またかかりつけ歯科医を探している場合においても、お気軽にお声がけいただければ幸いです。
自由診療費用の目安
自由診療とは歯列矯正/成人矯正:88万円〜

