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森山 直哉 理事長の独自取材記事

森山医院

(品川区/荏原中延駅)

最終更新日:2020/04/01

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東急池上線荏原中延駅前、昭和の雰囲気が感じられる商店街を脇に入って徒歩5分。静かな住宅街の一角にある「医療法人社団あおい會 森山医院」は、理事長の森山直哉先生の父が開業し、地域に根差したクリニックとして70年の歴史がある。「患者さんの言葉、一つひとつが診断のヒント」と語る森山先生は、患者が話しやすい雰囲気をつくることを心がけつつも、礼儀を欠いてはならないとの思いからネクタイを着用し、気を引き締めて診療に臨んでいる。同じ地域に3年前から、リハビリテーションと訪問診療に重点を置いた入院のできるクリニックの開設も行うなど、多忙な日々を送る森山先生に、クリニックの歴史や診療方針、新クリニック開設にかける思い、今後の展望など、じっくりと聞いた。
(取材日2016年10月1日)

将来的な視点を持ち、患者にとって必要な医療を提供

とても歴史のあるクリニックだそうですね。今日に至るまでの経緯についてお聞かせください。

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当院は1946年1月に私の父が開院した診療所で、70周年を迎えました。私が当院を引き継いだのが1990年の1月です。建物の老朽化もあったので6年前に改築しています。院内は階段を緩やかにし、通路の幅を広げて患者さんが使いやすいように気を配りました。冷暖房についても、天井を冷やしたり暖めたりするシステムに変更し、患者さんに風が直接当たらないようになっています。また、これからの時代に必要な「生活を支える医療」への関連施設として、入院・在宅・外来・リハビリテーションを中心とした、入院のできるクリニックを2011年に開院しました。

クリニックの引き継ぎに際し、ご苦労も多かったのでは?

引き継ぐ前の数年間、私は大学院に在籍しながら大学病院に勤務し、父は病に伏していたので、当院での診療を行っていない期間でした。私が当院での診療を新たにスタートさせたときは、看護師である妻と2人で二人三脚、本当に手作りという感じでした。患者さんが1人も来ない日もありましたね。それでも、少しずつ地域の方々に受け入れられ、父の時代の患者さんも再び来院していただくようになったおかげで、今までやってこられたと感じています。地域の皆さん患者さんに育ててもらったという思いが強くありますね。

診療方針についてお聞かせください。

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患者さんの中には「病気をお医者さんに治してもらった」とおっしゃる方もいますが、医師は医療に関する専門知識や技術を使って、患者さん自身の力で治すのをサポートする立場だと考えています。検査や診察は治すための最短ルートを探すために行い、薬や手術などの治療によって、回復を後押ししているのです。ですから、私たちが治療を押しつけることがあってはいけません。納得してもらうだけの説明ができていないこともあるかもしれませんし、説明を尽くしたとしても受け入れてもらえないこともあります。きちんと信頼されるために、将来的な視点を持って、患者さんにとって何が必要か、何を求めてきたのかということを考えながら診療という形で応えていく努力が大事でしょう。その結果として、患者さんにかかりつけ医として選ばれるのだと考えています。

リハビリと訪問診療に特化した有床クリニックと連携

診療時に心がけていることがあるそうですね。

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健康について、何かしら困っているから診察を受けに来ているわけですから、きちんと患者さんの考えに寄り添い、どのように手を差し伸べるとよいか意識していますね。患者さんに対して、医師が偉そうに接していては、言いたいことも言いたくなくなってしまいます。患者さんの言葉一つ一つが診断する際のヒントになりますから、話しやすい雰囲気をつくることが大事だと思います。医師と患者だけではない、人と人との関わり方を大切にしたいと思っています。

来院する患者さんはどのような方が多いですか?

当院は一般内科と整形外科ですので、地域の方々、特に高齢者の割合が多いです。最近感じるのは、患者さんの治療に対する多様なニーズですね。風邪をひいた患者さんでも、飲み薬がいいという人もいれば、注射がいいという人もいます。当院の基本的な姿勢としては、患者さんの要望には可能な限り応えていく方針です。例えば、点滴スペースを確保していますので、必要な場合には対応できますし、生活習慣病の方には、管理栄養士による栄養指導を行っていますので、食事から改善に向けたアプローチも可能です。整形外科については、近隣に整形外科クリニックがなく、治療のために遠くまで足を運ばないといけないという声に応えるかたちで、診療をスタートさせたという経緯があります。今後も患者さんが必要としている医療を地道に提供していくつもりです。

新たに開院したクリニックでは、どのような診療を行っているのですか?

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リハビリテーションと訪問診療に重点を置いた有床クリニックで、大きな特長として、急性期から回復期にかけてのリハビリを必要とする患者さんを入院という形で受け入れることができます。急性期の病院では2週間をめどに退院することになりますが、高齢者の場合、その後すぐに動けるわけではありません。そういった方を一旦受け入れて、日常生活での食事やトイレができるようにリハビリを行ったり、寝たきりを防止するようなリハビリを行ったりします。在宅療養支援診療所でもあるので、その後の在宅ケアにも対応できます。また、自宅で看取る予定で訪問診療を続けていた場合でも、ご家族の精神的、身体的負担の状況によっては、クリニックで最期を看取るほうが良い場合もありますので、個室の病室には、家族が一緒に宿泊できるように設備を整えています。本院と含めて考えれば、通院、入院、在宅という3つの診療体制を整えており、柔軟な対応ができます。

生活を支える医療へ

なぜ入院施設、リハビリテーションと訪問診療に重点を置いたクリニックを開院したのですか?

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医院を継承した時から、「自分や自分たちの大切な人がかかりたい医院にしよう」とスタッフ共々歩んでまいりました。患者さん、そのご家族もケアしたいという思いがあります。私自身、両親ともに長い闘病生活の末に他界したという経験があります。家族の立場も長かったわけです。看病や介護は、24時間365日休みがなく、心から気が休まる時間はありません。疲れがたまれば笑顔がなくなり、家庭の雰囲気も悪くなり、家族皆の気持ちもネガティブになるという負のスパイラルになってしまいます。ご自身の目標を持ったリハビリに取り組み、医療介護の連携も円滑にいけば患者さんと家族が生活しやすくなります。少しでも心穏やかな暮らしのためのサポートをしたいのです。

認知症の無料相談を行っているそうですが、どういった内容でしょうか?

日本看護協会認知症看護認定看護師が看護師の外来無料相談を受けています。これからの高齢化社会には地域での生活の見守りの関係性が必要だと考えています。ご相談例としては、ご本人やご家族から、「最近物忘れしちゃうが認知症なの?」、ちょっとした物忘れがあり、家族としてどう対応したらよいのかわからず困っているとか、徘徊する場合、どう見守ったらよいのかわからない、などの相談が寄せられています。病院や介護施設、ケアマネジャーさん、ヘルパーさんと密に連携を取っていますので、速やかに各機関につなぐこともできます。認知症のことが気になる方や介護をされている方、認知症について知りたい方など、まずは気軽に相談してほしいと思います。

休日はどのように過ごされていますか?

この数年は、入院施設ができたこともあって、なかなか完全オフの1日を取るのも難しい現状ですね。スタッフへはワークライフバランスを大切にしたい職場環境づくりを推奨してますが、そこは私自身が一番の課題かもしれません。自身の休暇の仕組みづくりも考えなければなりませんね。そのような日常から、気がついたらあっという間に成人してしまった子どもたちとの家族の食事時間や、家族に連れ出される外出とか、自宅でのなんでもない時間が癒やしで、今の仕事の原動力になっています。

今後の展望についてお聞かせください。

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私たちがめざすのは、安心して暮らすことができる地域社会です。医療と介護に境目をつくることに意味はありません。健やかな生活のために、医療と介護がしっかりタッグを組んで、医療福祉連携が重要なのです。そのために、スタッフ育成や施設のさらなる充実など、各部署や二施設間の内部連携と外部連携をつなぎ、地域の生活を支える医療提供の実現へ行動していきたいですね。

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