宮下 乾三 院長の独自取材記事
宮下歯科室
(品川区/戸越公園駅)
最終更新日:2025/04/08

再開発が進む東急大井町線・戸越公園駅から徒歩2分ほどの商店街の中にある「宮下歯科室」。宮下乾三院長は、2002年の開業から22年がたつ今もなお、先端の歯科医療の研究を怠らない。老若男女が引きも切らず訪れる多忙な診療の傍ら、先端の歯科医療を学びに韓国へ飛び、実践する先端の矯正の講演のため全国を回る。「新しい知識を吸収し、患者さんに先端かつ最善の治療を提供したいと思うことは、口腔のプロとして当たり前のこと」と話し、自院のみならず国内の歯科医療全体の底上げを図る姿勢から、仕事への誇りと強い信念が感じられる歯科医師だ。優しい笑顔と穏やかな語り口も、長年通う患者やその紹介による患者が多い理由の一つだろう。同院の特徴や強み、診療の信念などについて、宮下院長に聞いた。
(取材日2024年12月9日)
ひと手間かけた丁寧な治療にこだわる
北海道で勤務された後、東京に出て来られたそうですね。

大学卒業後、大学の医局などで勤務していましたが、保険診療だけでなくもっと先進的な歯科診療を幅広く学びたいという気持ちが強くなり上京しました。当時の北海道では講習会や勉強会などが少なく、新しい治療を学ぶ環境が整っていなかったので、勉強をする機会の多い東京に出て行こうと考えたのです。とはいえ、親戚など頼るあてもありませんでしたし、今考えるとかなり無謀でした。いくつかの歯科医院で経験を積んでから2002年に当院を開業しましたが、この辺りは当時から歯科医院の激戦区で、開業後も軌道に乗るまでは大変でしたね。ただ、下町っぽい雰囲気があり、ファミリー層からお年寄りまで幅広い年代の方が住んでいて雰囲気はとても良い所ですから、何とか特徴を出して地元に根づこうと頑張ってきました。
ぜひ、その特徴を教えてください。
できるだけ良い材料を使用し、そして通常よりひと手間かけた丁寧な治療にこだわってきました。例えば型採り一つをとっても、歯茎の状態が落ち着くのを待ってから行えば、保険診療の詰め物やかぶせ物でも長持ちさせることが見込めます。時間がかかり、通っていただく回数も増えるのですが、理由を丁寧に説明すれば納得していただけると思っています。歯をあまり削らず、神経を残せる可能性の高い虫歯の治療にも開業当初から取り組んできました。ホワイトニングも、体に負担の少ない薬剤を選び、マウスピースにも工夫しています。睡眠中に歯ぎしりをする方は、普通のマウスピースでホームホワイトニングをすると穴が開いてしまうことがあるんですよ。当院では、まずお口の中の状況を丁寧に診察し、その方に合った形でホワイトニングを行いますから、安心してご相談いただきたいですね。
義歯の診療もお得意だと聞きました。

大学では補綴科を専攻していましたので、義歯治療は得意分野の一つです。部分入れ歯も扱いますが、多いのは総義歯ですね。当院の義歯は、ギリギリと歯ぎしりした際に上の歯が動かないよう、噛んでもガクガクすることがないよう安定した義歯の提供をめざしています。義歯の作り方、噛み合わせの作り方、型の採り方に特徴があるのですが、詳しくは患者さんにしか言えません(笑)。ただ、義歯でお悩みの方に安心してお勧めできると思っています。
矯正には審美面だけでなく健康面のメリットも望める
近年、矯正に力を入れているとか。

矯正には審美的なメリットだけでなく、噛み合わせや咀嚼機能の改善を図れること、ブラッシングしやすくなることが期待できるため虫歯予防にもつながることや、舌の位置の調整を図ることで自然な鼻呼吸ができるようになることが望めるなど、健康面のメリットがたくさんあります。特に、鼻呼吸に関してはとても重要だと考えています。本来、人間の呼吸は鼻が主体であるべきですが、顎の形や歯並び、噛み合わせの影響で口呼吸が主体になってしまうことがあるんですね。そうすると、細菌感染のリスクが高まったり、いびきがひどくなって睡眠の質が悪化したりします。当院では、矯正によって鼻呼吸しやすい顎の形態を確保することをめざす他、正しい呼吸のコツなどもアドバイスしています。
複数の矯正法に対応しているとお聞きしました。

はい、症例に応じて使い分けています。ただ、歯に持続的な力をかけて動かすブラケット矯正は安定した効果が望める方法である反面、痛み、異物感、磨きにくさという大きなデメリットがあることも確かです。最近では負担が少ないマウスピース型装置を用いた矯正も登場していますが、マウスピース型装置を用いた矯正だけでは対応できない難症例には、やはりブラケットとワイヤーの組み合わせで治療するしかありません。そうした状況の中で、ブラケットを使わずに矯正を行えないかという観点で研究が進んでいて、この動向に注目しています。もしそんな矯正法が普及すれば、歯並びや噛み合わせ、口呼吸による体の不調に悩まされている全国の患者さんを救うことにもつながるのではと思っています。私がその一助になれたらとの思いで、韓国で先端の技術を学んでいます。
常に患者の目線に立ち、最適な診療の提供をめざす
最近、気になることはありますか?

ストレス社会の中で、自分では気づかないうちに歯を食いしばっている方が多いと感じますね。それによって噛み合わせが悪くなり、片頭痛や肩凝りなどさまざまな不調の原因になっていることもあるようです。噛み合わせの不具合があって顎の筋肉を必要以上に使うと、エラが張ってしまうこともあります。こうした場合、噛み合わせを調整することによって改善を図れることが少なくありません。
お忙しい毎日ですが、お休みの日はどのように過ごされているのでしょう。
学生の頃はサッカー部で、勤務していた頃はゴルフも楽しんでいましたが、今はもっぱら趣味のバイクを楽しんでいます。子ども2人も大きくなりましたので、家族そろって出かけることが少なくなってしまったのはちょっと寂しいですね。ちなみに妻とは北海道で結婚して、一緒に上京してきました。当初は給料が安く東京は家賃が高いので、妻にも苦労をかけました。東京で勉強したい、新しい歯科治療に取り組みたいという私のわがままに付き合ってくれて感謝しています。
ありがとうございました。最後に読者へのメッセージをお願いします。

一般的な虫歯の治療からインプラント治療、歯周病治療、矯正、審美歯科分野のホワイトニングまで、幅広い症状や要望に対応しています。説明と対話を重視した診療で、口腔内カメラなどを使用して口腔内の状況を正確に伝え、一人ひとりに最適な治療方法を提案できるよう努めています。お子さんも、じっくりお話しすれば理解してくれるものです。怖い思いをさせないよう、トラウマが残らないよう、少しずつ治療を進めていきますので、気軽にご来院ください。また最近は、歯科治療もスピードが重視されますが、早ければ良いというものでもありません。治療によっては時間をかける必要がある場合もあります。目先のスピードや結果に惑わされず、長期的な視点で信頼できる歯科医院を選んでいただきたいですね。私自身、選ばれる歯科医師であり続けるために、これからも先端の治療方法を学んでさまざまなご要望にお応えしていきたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療(1歯)/49万5000円~、矯正/41万8000円~、ホワイトニング(上下)/3万3000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。