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宮原 篤 院長の独自取材記事

かるがもクリニック

(世田谷区/千歳船橋駅)

最終更新日:2024/12/23

宮原篤院長 かるがもクリニック main

「ちとふな」の名称で地域住民に親しまれている小田急線千歳船橋駅周辺。人々でにぎわう駅前バスロータリーの横に「かるがもクリニック」は位置している。院内はオフホワイトをベースに、カラフルな色が散りばめられており、高いセンスがうかがえる。院長の宮原篤先生は、これまで各地の総合病院で小児科医療に携わってきた。一般的な小児の病気治療だけでなく、ワクチン接種による病気の予防にも積極的だ。働く母親を応援したいという気持ちを強く持っており、病児保育をスタートさせたり、親の立場にあるスタッフが働きやすい環境を整えたりと幅広く取り組んでいる。話していると穏やかで優しい院長だが、医療に対する思いは熱く、有言実行の人だ。その宮原先生に、同院の特徴や診療体制などを聞いた。

(取材日2024年9月5日)

親子が仲良く寄り添うことをイメージさせる院名

先生が小児科医をめざした経緯を教えていただけますか?

宮原篤院長 かるがもクリニック1

私は子どもが大好きなので、将来は子どもと関わる仕事に就きたいとずっと考えていました。父親が医師だったということもありますが、最終的には自分の意志で医学部に進学し、自然な流れで小児科医への道を歩み始めました。大学時代には、部活動などで子どもたちを連れて登山やキャンプに行く活動も行っていました。病気の子や地域の子どもたちと一緒にテントを張ったり、ご飯を作ったり、キャンプファイヤーをしたりするのは本当に楽しい時間でした。夜遅く寝る子や、朝早く目覚めてしまう子などさまざまで、キャンプ中はほとんど眠れませんでしたが、とにかく子どもたちはかわいかったですよ。小児科医の醍醐味は、来院する子どもの成長や発達を間近に見られることです。私にも2人の子どもがいますが、最近は忙しくてなかなか一緒にいられないのが悩みです。

「かるがもクリニック」の名前の由来は何ですか?

開業する少し前に東日本大震災があったのですが、外出できない間、私の子どもたちがずっと家でカルガモの人形を作っていたのです。それがとてもかわいらしくて、開業したらクリニックの名前は「かるがもクリニック」にしようと直感で決めました。親と子どもが一緒にいて、仲良く寄り添っているという雰囲気も、クリニックのイメージにぴったりで、なかなか良い名前なのではないでしょうか。子どもたちが手作りした人形は、今でもクリニックのマスコットとして待合室に飾ってあります。

二診体制について教えてください。

宮原篤院長 かるがもクリニック2

開業した当初は私が一人で診療にあたっていましたが、患者さんにとってより良い医療をめざすにあたり二診体制にしようと考えました。紆余曲折ありましたが、現在は水曜日と土曜日が二診体制です。二診体制になってからは、以前のように患者さんを長時間待たせてしまうことも少なくなりました。私も含めて各先生方にはそれぞれ専門分野があり、専門的な治療を目的に来院される患者さんもいます。そうした治療は、どうしても1人の患者さんに時間を費やすことになりますが、そのようなときにもう一人の先生がサポートできるというのは二診体制のメリットですね。

病児保育やワクチン接種に積極的に取り組む

診療の際に工夫していることはありますか?

宮原篤院長 かるがもクリニック3

可能な状況なら丁寧に説明するということです。最近は忙しくなりましたが、看護師が補完してくれることも多くなりました。最初の赤ちゃんの場合、少し熱が出ただけでもお母さんは不安になります。現在は、各地で小児医療が全額控除になってきているので、気軽に医療機関で診てもらうことができます。しかし、まずはお母さんに正しい知識をつけてもらいたいので、初診のときは時間をかけてじっくり話し合うようにしています。赤ちゃんの病気の中でも注意が必要なものとしては、胆道閉鎖症があります。生後60日以内に手術を行うのが大切です。生後4ヵ月までは便色カードなどで疑わしければ、1日でも早く受診してください。この病気は、赤ちゃんのうんちの色で進行状態がある程度わかります。当院では、わかりやすく説明したパンフレットをお渡ししています。1番から7番までの色見本と比べながらチェックしてみてください。

予防接種にはどのように取り組まれていますか?

当院は予防接種に力を入れており、多種多様なワクチンを扱っています。子どもたちだけでなく、働き世代や高齢の方に向けたものなどもそろえて、さまざまな病気の予防に対応しています。海外に渡航予定の方には、渡航先や期間に応じて必要なワクチンの提案も可能です。また新型コロナウイルスワクチンの扱いは変わりつつありますが、当院では引き続き任意接種に対応しています。日本ではワクチンに関する情報が少なく、イメージや不確かな情報に惑わされる人も少なくありません。当院では、診療時間内にお伝えできなかった情報や、勉強会などで学んできたことをホームページやブログで公開しています。また、予防接種やワクチンに関するよくある疑問について共著も出版しました。さまざまな形で正しい知識の啓発をしていきたいですね。

向かいに病児保育施設をオープンされたそうですね。

宮原篤院長 かるがもクリニック4

病気を抱える子どもたちを預かることができる場所は、働くお母さんたちにとって重要な存在です。しかし、この地域には病児保育がなく、遠くまで通わなければなりませんでした。そこで2016年に、当院の向かい側に病児保育施設を開設しました。病気や不安を抱えたお子さんやお母さんの気持ちをケアできるような施設にしたいと考えています。

正しい情報を提供し、子どもと家族をサポートしたい

スタッフとの接し方で意識していることはありますか?

宮原篤院長 かるがもクリニック5

ともに働く大切なパートナーと考えて接するように意識しています。患者さんにとっては、医師よりも看護師のほうが話しやすい場合があるようです。看護師は診察が終わってからも、患者さんと話し込むこともあり、親しみを感じてもらいやすいのかもしれません。看護師たちは、医師にとっても心強く、診察中も必要なものを先回りして準備してくれます。患者さんに渡しているパンフレットには、彼女たちが作ってくれたものもあるのです。クリニックにとっても、患者さんにとってもスタッフは大切な存在。いつも感謝しています。

今後の展望について教えてください。

ワクチンに関しては、当院に通われる患者さんの認識が変わってきたように感じます。必要な予防接種を受ける人が増えてきたのは、何よりうれしいことです。親御さんが病気に関する知識を深めることができるように、医師として正しい情報をお伝えしていきたいですね。小児医療は全額控除なので、どうしても診療や検査が過剰になりやすいというデメリットがあります。特に初めての赤ちゃんの場合は、不安を感じやすいので無理はありません。しかし、病院に行くべきか、そうでないかを判断できる知識があれば、子育てをもっとリラックスして行えるようになるのではないでしょうか。そのために必要な知識を親御さんが学ぶ場を設けるなど、今後も親御さんたちの力になりたいと思います。

最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。

宮原篤院長 かるがもクリニック6

予防接種はご自身の健康はもちろん、社会を守るためにも必要なもの。もし不安があれば一人で悩むのではなく、小さなことでも気軽にご相談ください。直接のご来院が難しい場合には、お電話でのご質問にもできる限りお答えします。当院の公式ブログや公式SNSにもさまざまな情報を公開していますので、ぜひご覧ください。また当院には子育て経験豊富なスタッフが働いており、同じ母親の立場でアドバイスができると思います。小児かかりつけ医に登録していただければ、診察時以外でも相談できる体制を整えています。新型コロナウイルスの影響や成育基本法の設立などで、日本の小児科は大きく変わりつつあります。当院でもアレルギーの食物経口負荷試験への対応や、子どもの心身のサポートなど、院内外でできることを増やしました。子どもたちのために私に何ができるかを考えながら、これからも尽力していきたいですね。

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