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岡村 啓一郎 院長の独自取材記事

西谷デンタルクリニック

(横浜市保土ケ谷区/西谷駅)

最終更新日:2022/10/21

岡村啓一郎院長 西谷デンタルクリニック main

相鉄線西谷駅南口から徒歩30秒という好立地にある「西谷デンタルクリニック」。通りに面したガラス窓に並ぶかわいらしいぬいぐるみたちが、患者を温かく迎える。待合室にはキッズルームも設けてあるため、小さな子ども連れでも通いやすいだろう。2007年2月の開院以来、岡村啓一郎院長は、0歳の子どもから高齢者まで幅広い年齢層の歯の健康をサポートしてきた。また、通院が難しい高齢者のために訪問診療も実施。岡村院長をはじめ、訪問診療専門の歯科医師2人、歯科衛生士2人、歯科助手5人、事務スタッフ2人の総勢12人のスタッフが皆、笑顔にあふれているのが印象的だ。今回は院長に歯科医師を志したきっかけから、力を注ぐ訪問診療についてまで、じっくりと話を聞いた。

(取材日2013年9月30日/更新日2022年10月17日)

笑顔をモットーに、コミュニケーションを大切にする

歯科医師を志したきっかけや、開院の経緯を教えてください。

岡村啓一郎院長 西谷デンタルクリニック1

家族に薬剤師がいたため、子どもの頃から医療を身近に感じていました。出身は山口県なのですが、高校生の時に福岡大学病院の見学に行く機会があり、歯科口腔外科にふれた際、これは面白そうだなと思ったのですね。それで歯科医師をめざすようになり、親戚が東京に住んでいたこともあって、昭和大学歯学部に進学しました。同大学歯科病院の補綴歯科で2年間仕事をしながら学び、その後、先輩のクリニックに約2年間勤務しました。もともと開業願望が強かったので、働きながら好条件の立地をいろいろと探していて。当時ここにあったクリニックが閉院するのをきっかけに開業したんです。気軽にご来院いただけるようリノベーションし、道路に面した部分を大きな窓にして開放的にしました。ご高齢の方にご不便をおかけしないようバリアフリーにしたり、アットホームな雰囲気にしたくて診療室の配色をベージュとピンクを基調にしたりと工夫しています。

確かに、アットホームな雰囲気だと感じます。

「歯科ってなんとなく怖い」とイメージされる方が多いようなので、気軽に入れるクリニックにしたいと思いました。開院当初は、補綴科で学んだ義歯治療の技術を生かしたいとの想いから、ご高齢の方に向けたクリニックづくりを考えていたのですが、実際に開院してみるとお子さんも非常に多かったんです。それで、待合室にキッズルームを設置したり、お子さんからいただいた絵やぬり絵を貼ったりするように。受付にはわが家の一員、ペキニーズ犬の男の子“ペキちゃん”のフォトフレームを飾っていて、患者さんからも大好評です(笑)。お子さんに喜んでいただけるように窓ガラスに季節ごとのシールを貼っていますし、あと、窓辺にたくさんぬいぐるみが置いてあるでしょう。すべて患者さんから頂いたものなんですよ。子ども好きなスタッフたちと、患者さんたちと一緒にクリニックをつくり上げていく過程を楽しんでいます。

診療にあたっては、どんなことを心がけていらっしゃいますか?

岡村啓一郎院長 西谷デンタルクリニック2

“怖くない歯医者さん”でありたいので、なんといっても笑顔ですね。それから、できるだけ患者さんに痛みを感じさせないよう工夫しています。緊張なさると余計に意識が治療のほうに向いてしまうので、治療中にも話しかけたり、テレビを見ていただいたり。麻酔を打つ際には温めた液を注入していて、これにも痛みを和らげる効果が期待できます。また、いつでも患者さんと同じ目線でいたいと思っています。ですから、お子さんを診るときはお子さんの気持ちになってお話しし、ご高齢の方ならゆっくりはっきりしゃべるなど、お相手に寄り添ったコミュニケーションを心がけています。お友達同士というわけではないですが、雑談することで、なるべくリラックスして治療に臨んでいただければ幸いです。あとは……、繰り返しになりますが、とにかく笑顔(笑)。やはり、これが一番です。

訪問診療体制を整え、地域の高齢者を支える

先生の専門は補綴ということで、義歯を作るのもお得意だとか。

岡村啓一郎院長 西谷デンタルクリニック3

得意というか、好きですね。昭和大学歯科病院に勤務していた頃、学生向けに義歯のデモを作製したときは、完成度の高さを要求されて大変ながらもやりがいがありました。開院してから義歯はほぼ外注しているものの、簡単なものは私が作っています。実を言うと、当院が訪問診療に取り組んでいるのも、私の義歯への関心が関わっています。昭和大学歯科病院の後に勤めた先輩のクリニックが訪問診療に対応していたのですが、訪問診療をご利用の多くはご高齢の方ですから、義歯に触る機会が多かったのです。なので「これは義歯にたくさん関われていいな」と。30年後くらいには、クリニックでの治療はほかの先生に任せて、私は訪問診療で義歯を作り続けたいと思っています(笑)。

訪問診療ではどんなニーズが多いのですか?

訪問診療の患者さんの多くは体を動かすのが難しいご高齢の方で、8~9割は義歯治療・調整です。型採りの際に力が入らず、噛み合わせてもらうのが難しいことも多いですね。寝たきりですと、細菌が唾液や胃液とともに肺に流れ込んで生じる「誤嚥性肺炎」で亡くなる方も多く、その予防ケアのみをご希望の方もいらっしゃいます。皆さんお体の具合が良くないですから、訪問時間は毎回20分ほど。訪問診療は基本的に2人の勤務医に任せていますが、開院当時からお付き合いしてきた90代の患者さんは私を指名してくださって、毎月ケアに伺っています。その方はお年を召してもお口の健康を大切にされ、日頃のセルフケアにも努力していらっしゃるようです。非常に素晴らしいと感じます。

訪問診療というと歯科医師には多くの経験を求められそうですね。

岡村啓一郎院長 西谷デンタルクリニック4

訪問診療に私一人で担当していた開院当初は、時折、それまで関わったことのない症例のご相談を受ける機会もありました。例えばその頃、顎が外れてしまったと連絡が入った時は、「初体験だけれど、どうしたものか……」と思ったものです。そういった際には、当該分野に詳しい知り合いの歯科医師にどのように対応すればいいか電話でレクチャーしてもらったこともあります。汗をかきながら必死に技術を身につけてきたからこそ、今、同じような症例の患者さんが来たときに落ち着いて処置ができているんです。振り返ると、とてもいい経験を積んでこられました。

ストレスからも生じる口周りのつらい症状を解消へ

近年、どういった症状の患者さんが増えていますか?

岡村啓一郎院長 西谷デンタルクリニック5

ストレス社会のせいか、歯ぎしりや食いしばりなどで歯に負荷が起きて生じる顎関節症や知覚過敏の方が増えています。顎関節症は、顎が鳴る、口が大きく開かない、顎が痛むなど憂うつな症状が続くもので、女性に多いようです。知覚過敏は、冷たい物を飲食したり、歯ブラシの毛先や風が当たったりするだけで、歯がしみたり痛んだりする症状です。放っておくと歯の神経を取らなければならないほど重症になることもあるので、我慢しないですぐに診療にいらしてほしいですね。ほかにも、矯正の必要がある方、もともと歯が足りない先天欠如の症状なども増加傾向にあるように見受けられます。歯並びが悪くなる原因の一つは、固い物を噛まなくなり顎が細くなることですから、やわらかい食べ物が多くなった現代ならではの側面もあるのでしょう。先天欠如については、原因がはっきりしていないため、残念ながら予防はできないのが現状です。

先生のリフレッシュ法は? ご趣味などがあればお聞きしたいです。

患者さんやスタッフとも笑顔で会話し、普段からストレスをためないようにしています。趣味といえばテニスで、中学の頃に軟式を、大学で硬式を始めて、今も週2回くらいはテニススクールに通っています。妻と一緒にプレイすることもありますよ。テニス仲間には病院勤務の歯科医師の方もいらっしゃって、そこでできたつながりも患者さんに還元できるのではと思っています。あと先ほどもお話しした、ペキニーズ犬の“ペキちゃん”の散歩に行くのも楽しいですね。

最後になりますが、先生がやりがいを感じるのはどんなときでしょうか?

岡村啓一郎院長 西谷デンタルクリニック6

0歳の頃から診てきたお子さんが、最初は泣いていたけれど、だんだんと慣れてきて、今でも通い続けてくれていることがうれしいです。もちろん、私が試行錯誤して治療や調整をした義歯を使って喜んでいただければ、それも私の喜びにもなります。当院は、治療だけでなく予防にも力を入れていて、歯磨き指導はもちろん、歯茎マッサージを施すこともあり、こちらにもやりがいを感じていますね。これからも、患者さんとお話ししながら楽しく歯の健康をサポートし続けたいと思っています。

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