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稲川 英明 院長の独自取材記事

稲川歯科医院

(横浜市青葉区/あざみ野駅)

最終更新日:2021/10/12

稲川英明院長 稲川歯科医院 main

あざみ野駅を最寄りとする落ち着いた住宅街で、2010年から診療を続ける「稲川歯科医院」のルーツは銀座にある。「祖父と父は、70年近く銀座などで稲川歯科医院を営んでいましたが、私は患者さん一人ひとりに時間をかけてじっくり診たいと考えてこちらに移設しました」。そう言って3代目の稲川英明院長は笑顔を見せる。「祖父も父も大切にしていた『患者さんの歯ができるだけ長持ちするように』との思いを受け継ぎ、より質の高い治療のためにマイクロスコープを活用し、その患者さんに必要な治療を積極的に行います」と話す稲川院長。自身も東京医科歯科大学に今でも籍を置き、常に高いレベルの知識と技術の習得に余念がない院長に、同院の特色や得意な治療分野、今後の展望などを詳しく聞いた。

(取材日2020年6月4日)

幅広い診療をベースに歯内療法と補綴治療を専門とする

こちらはあざみ野に移設開院されて10年と伺いました。

稲川英明院長 稲川歯科医院1

銀座で祖父から父に受け継がれた歯科医院を、私が院長になった2010年に今の場所に移設しました。その2年くらい前から、私は大学病院の診療や大学院での研究の合間に父の手伝いをしていましたが、当時は銀座の中でも規模の大きな歯科医院でした。そうした中、父が常に「患者さんの歯ができるだけ長持ちするように」と考えて治療を行っていたのが印象的で、私も同じ思いで患者さんを診ています。また、祖父も同じ思いだったのでしょう。こちらに移った当初に祖父が治療した患者さんがおみえになりました。ブリッジにした歯が痛むとのことでしたが、治療したのは30年以上も前。それまでさほど問題なく機能していたのですから驚きました。きちんと丁寧に処置をすれば、こんなに長く使っていただけるという事例を目の当たりにして、私が選んだ道は間違っていないとその時に確信しました。

先生のご専門や得意分野を教えてください。

予防を重視し、口腔内の良い状態を保っていただくことを基本に、虫歯や歯周病、入れ歯・ブリッジなど、患者さんの症状とご希望をもとに診療を行っています。その中でも、私の専門は、患者さんの歯をなるべく抜かずに治療する歯内療法と、入れ歯がしっかりフィットするよう調整し、痛みなく噛んでいただけるようにする補綴治療です。歯内療法は文字どおり歯の内側を治療するもので、根の部分の歯根を治療する根管治療はその代表例です。私が歯内療法を専門にしたのは、急な痛みや腫れは歯根が原因のことも多く、その対処には専門な知識・技術が必要と感じたからです。

補綴治療はどのように学ばれたのですか?

稲川英明院長 稲川歯科医院2

私の祖父と父は補綴治療やインプラント治療のスペシャリストでしたから、診ていた患者さんを私が引き継ぐことを考え、大学院の補綴治療分野に入って学び、同時に大学病院でも診療しました。あざみ野に移設した今でも、銀座時代の患者さんがおみえになっていますし、中には埼玉県や山梨県から通われる方もいらっしゃいます。もちろん近隣にお住まいの方も、かぶせ物や入れ歯の治療を希望されることも多く、補綴治療を体系的に学んできた経験が生かされることが多々あります。そして、歯内療法と補綴治療の両分野を習得したことは、1本の歯だけ診て治療するのでなく、口腔内全体を診て治療するという、私の診療の根幹を構築することにつながっています。

歯を長く保つために妥協しない治療を

歯内療法にはどんな特色がありますか?

稲川英明院長 稲川歯科医院3

歯内療法は歯根などに異常がある場合でも、抜歯して人工歯を植える以外の選択肢をご提供できます。その中でも根管治療は肉眼では見えない歯の内部が対象のため、昔は勘と経験に頼った治療が主流でした。しかし現在はマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)で、患部を拡大して見ながら治療が可能になり、歯科医師の手技次第で精密な治療を実現できるようになりました。私が重視しているのは、口腔内全体を診て、その場限りの治療ではなく、その後も長く口腔内の健康が保てるようにすることです。そのためには、治療前に患者さんとご相談して治療方針を決めていきます。中には高いレベルの治療を求められる症状もあり、そうなれば、どうしても十分な治療時間と高度な医療機器や専門的な治療器具も必要になります。当院ではそういった患者さんのご要望にも応えられるよう、自費診療も採り入れながら妥協をしない治療をご提供しています。

補綴治療でのこだわりをお聞かせください。

当院では大学病院での治療と同様、型採りを何度かに分けるなど、きちんと手順を踏んで精密に入れ歯を作り、患者さん一人ひとりにフィットするよう調整して、痛みがなく噛み心地が長く保てるよう心がけています。しばらく歯がない状態が続いた患者さんは、顎の位置や噛み合わせが変わっている可能性もあり、入れ歯をした後の噛み合わせを想定した顎の位置の調整まで行います。また、かぶせ物や詰め物ができないほど悪くなった歯を、根元だけ残して歯ぐきから上を入れ歯にする残歯上義歯にする方法もあり、これなら歯ぐきの下は抜歯せずに噛み具合のバランスを整えられます。常に考えているのはそれぞれの口腔環境に適した治療を実現させることであり、そのためにこれまで研鑽を積んできました。

さまざまな専門的治療の選択肢があるのですね。

稲川英明院長 稲川歯科医院4

そのとおりです。一般的には抜歯と判断される症例でも、歯ぐきを切開して歯根の病巣を取り除き、再度歯ぐきを縫合する歯根端切除が適用でき、抜歯をしなくても良い場合などもあります。こうした治療のためには、専門的な知識・技術を習得する必要があり、私はそうした分野で経験を積んできました。自費診療は審美的な要素や矯正などのイメージが強いと思いますが、うまくフィットしない入れ歯を使われる方の中には、歯や歯ぐき、その下の骨までダメージを受け、口腔内全体が悪化するケースも見られます。患者さんご自身の歯を長持ちさせるためには、専門的な治療を用いる自費診療という選択肢は欠かせないものだと考えています。

歯の健康から全身の健康へ。地域の健康長寿を支える

稲川先生が歯科医師になったきっかけなどを教えてください。

稲川英明院長 稲川歯科医院5

小学校に残したタイムカプセルを開けたとき、「将来は歯科医師になる」と作文に書いてあったので、その頃から意識していました。私の祖父、父母ともに歯科医師で、母方の先祖は江戸時代には大名を診る医師だったとも聞いていますし、昔から医療系の家系でした。ですから私も小さい頃から自然に医療の道、特に身近だった歯科医師をめざしたのでしょう。もっとも勉強一本槍でもなく、東京医科歯科大学に在学中、学園祭でいきなりライブをやったことが発端となり、大学でジャズ研究部が発足しました。私の担当はギターで、その後、アメリカのバークリー音楽大学で短期間勉強したほか、もう亡くなられましたがプロのギタリストのつき人も経験しました。今でもジャズ研のOB・OG会は続いていますし、自分の演奏を院内で流したり、患者さんとジャズの話で盛り上がったりもします。

稲川先生がこちらの診療で注力されていることをお聞かせください。

当院は患者さんの症状やご希望をもとに、虫歯治療から高度な治療まで幅広くご提供し、中でも歯内療法と補綴治療に高い専門性を持っています。その技術をさらに高めるために、私は今でも大学院に籍を置いて研究を続け、専門家が集まる症例検討会にも参加して、新たな情報を常に吸収しています。そして精密検査用の歯科用CT、マイクロスコープを備え、患者さんとしっかり話し合いながら、さまざまな治療法の選択肢を検討し、妥協せずに納得していただける治療を行うのが基本方針です。ただ、本来はそのような治療を必要としないよう、普段から定期検診やメンテナンスに力を入れていただくことが大切。当院も患者さんがご自身の歯を長く使っていただけるよう予防も大いに重視しています。体の健康診断と同様に歯も数ヵ月に1回は定期検診を受けていただくようお勧めします。

最後に地域の方にメッセージをお願いします。

稲川英明院長 稲川歯科医院6

糖尿病をはじめとした生活習慣病と歯周病は相互に悪化を招く関係だったり、口腔内の健康と全身の健康の深い関係が医学的に明らかになりつつあります。つまり健康で長生きするには、炎症のない歯茎、きちんと噛める歯並びも大切なのです。当院では地域の皆さんに歯周病が持つさまざまなリスクと、そうならないためのケアをお伝えし、必要な患者さんには自費診療も含めた質の高い治療で口腔内の健康を長く保っていただくなど、地域の健康寿命を延ばすお手伝いをしたいと思っています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

根管治療(自費の場合):11万円~、入れ歯(自費の場合):55万円~、コンポジットレジン充填(自費の場合):6万500円~、インプラント治療:55万円~
※税込み価格

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