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土屋雅則 院長の独自取材記事

緑園皮膚科クリニック

(横浜市泉区/緑園都市駅)

最終更新日:2021/10/12

土屋雅則院長 緑園皮膚科クリニック main

相鉄線緑園都市駅から歩いて数分。閑静な住宅街の一角に、「緑園皮膚科クリニック」はある。中に入ると目を奪うのは待合室の広さ。ちょっとしたホテルのロビーほどはあるだろうか。「開業した当初は喫茶店と間違えて入ってくる人がいました」。院長の土屋雅則先生は笑う。清潔感漂う院内は広く明るく、さわやかさに満ちている。診察室で笑顔を絶やさない土屋先生は、明るく親切で、他者への配慮に満ちた応対に安心感が湧く。「私は名医ではなく良医になりたいんです」。この言葉が味わい深かった。開業して20年が過ぎて、すっかり街の顔になった土屋先生に、じっくりとお話をうかがった。

(取材日2012年10月31日)

何よりもコミュニケーションが大切

なぜ医師を目指されたのでしょうか。

土屋雅則院長 緑園皮膚科クリニック1

私の父は医師ではなかったのですが、戦時中に軍隊で衛生兵をしたり、また戦後も保健所に勤めるなど、医療に関連した仕事についていた時期が長かったことから、私にも「医者になれ」と医師への道を勧めました。私自身は高校2年まで、将来は演劇関係に進みたいと考えていたのですが、父からそんなことでは生活できないと反対され、それから医学部受験の勉強を始めました。浪人はやむを得ないだろうと考えていたのですが、現役で聖マリアンナ医科大学に合格することができ、医師への道を歩みだしました。皮膚科を選んだのは、国家試験に合格してどの科に入るかを決めるときに、皮膚科に尊敬できる教授や先輩がいたことが理由です。大学院にも行き、講師も勤めましたが、もっと一人ひとりの患者さんとじっくり向き合って診療したいという思いが強くなり、また尊敬する教授が退官される時期が重なったこともあり、私も大学を退職して開業しました。

どんな年代の患者さんが多いのでしょうか?

幅広い年代の患者さんがいらっしゃいますが、緑園は泉区の中でも平均年齢が一番若い街だそうでして、当院でもお子さんが目立つように思います。開業直後から、保育園や幼稚園、小学校に通う子どもたちとそのご両親の来院が多く、皮膚科というより小児科のようでしたね(笑)。そういったお子さんやご両親をずっと診させていただいて、一緒に年を重ねています。開業当時、小さかった子も、もう成人していたりしますからね。これからも地域の皆さんの健康を末永くサポートしていきたいと考えています。

患者との関係で大事にしていることはなんですか。

土屋雅則院長 緑園皮膚科クリニック2

コミュニケーションです。たとえ忙しくても、患者さんとはできるだけ話をして、信頼関係を結ぶように努力しています。キャッチボールと同じで、話が一方通行になってはいけません。互いに話し合って「こうしましょう」とこちらが提案し、「よくなりました」ならOK、しかし「よくなりません」なら、「ではこうしましょう」と意思を交わして治療することが重要です。とくに皮膚科は、症状が目に見える部位ですから、治療の成否が明確に出ます。信頼関係がなければ、双方納得のいく治療はできません。

アイソレイズでニキビ跡を撃退する

こちらの医院では「アイソレイズ」での治療を行っているそうですね。

土屋雅則院長 緑園皮膚科クリニック3

「アイソレイズ」は皮膚吸引とマイルドなブロードバンドの光を組み合わせた治療法でニキビやニキビ跡の治療、皮膚の若返り、シミの改善、脱毛などに効果があり、従来のレザー治療に比べ治療時の痛みが少ないうえ、赤みや腫れなどの合併症も起こりにくく、治療効果の優れた治療法です。1ヶ月に約1回、間隔をおいておよそ5〜10回程度、効果をみながらこちらに来ていただいて光を照射します。麻酔もいりませんし、安全です。それから、医療的に安全なピアス(ゴールド、誕生石など)各種を取りそろえ、その装着も行っています。ピアスを耳につけるとき、ピアスセンターで穴を開ける方も多いですが、それでトラブルがあったという話もよく聞きます。当院では、ピアスの素材や施術法に万全を期し、安全なピアスの装着を行っています。

薄毛治療や漢方についてもお話ください。

薄毛治療にはプロペシアを使用しています。治療を希望する方にはまず6ヶ月間服用していただき、服用を続行するか否かを判断します。副作用が少ない薬で、効く方には著しい発毛が見られます。また当院では他の一般的な薬に加えて、漢方薬も患者さんの希望に応じて使用しています。このようにさまざまな治療法を用意していますが、皮膚科では遺伝的な要素や年齢的な要素も大きく、正直なところ老化現象にはいかんともし難いのが本当のところです。著しく問題のあるものであれば治療すべきですが、加齢によるしみなどのようなものは、やはり受け入れていただくしかありません。中にはインターネットで自分の症状を調べて、「自分の病気は○○に違いない」と決めつけてくる方もおられますが、間違った情報も多く含まれていますので、信頼できる情報かどうか、しっかりと見極める必要があります。メディアが発達して病気に対する意識が高まるのはいいのですが、情報を疑いもなくすべて受け入れるばかりでなく、何か心配なことがあればかかりつけ医に相談して欲しいと思います。

皮膚の病気は長い目で付き合っていく必要がありますね。

土屋雅則院長 緑園皮膚科クリニック4

皮膚科の病気は、根気よく治療することが大切です。すぐ治るものもありますが、「先生の所で○軒目です」などといわゆるドクター・ショッピングをしている患者さんも多いと言われています。治らなかったら別の病院へ行けばいい薬をもらえる、と思われるようですが、どんな名医でも治療に時間のかかる病気というものがあり、そうした場合ははっきり「これは時間がかかりますよ」と申し上げています。中には、ほんの一言二言、アドバイスをしただけで病状が劇的に快方に向かう場合もあります。患者さんの病気に対する意識も人それぞれなので、やはり患者さんのお話をよく聞き、それに基づいて治療を進めていくことが大切なのだと改めて思い知る気がいたします。

名医ではなく良医でありたい

軽い水虫くらいの症状でも、やはり医師の診察を受けるべきでしょうか。

土屋雅則院長 緑園皮膚科クリニック5

できれば受けたほうがいいと思います。自分ではたかが水虫と思っても、実は別の疾患だったという場合もありますから。間違った薬をつけて、余計悪化して皮膚科に駆け込んでくる人がよくいます。時折、私たち開業医には手に負えない病状の方も来られますが、その場合は大学病院をご紹介して、そちらに行っていただくことになります。開業医にとって一番大切なのは、実はこの判断だと思います。自分で手に負える病状か、それとも大学病院にお願いすべきか、本当に患者さんのことを考えて判断することが大切です。そういう意味で、私は名医ではなく「良医」でありたいと思っています。

お休みの日は何をされていますか。

週1回はテニスをしています。ただ、膝を悪くして十分に動けないのが残念です。中学・高校時代はサッカーを、大学時代はバスケットをしていました。それから最近カラオケを始めました。同じ歌や自分の十八番ばかり歌うのではなくて、その時々の新曲にチャレンジして歌うことがボケ防止にもよいと聞きました。

最後に読者にメッセージを。

土屋雅則院長 緑園皮膚科クリニック6

これは私だけではなく、多くの医師が同じことを考えていると思いますが、医師の指導はできるだけ遵守するよう、お願いいたします。患者さんの中には薬の服用や塗布を指導しても「症状がなくなったから途中から飲まなくなりました」とか、「もうかゆみがとれましたから薬は塗っていません」という人がよくいます。表面的には症状が消えても、実はまだ治癒していない場合もありますから、自己診断で薬をやめることは避けていただきたいと思います。

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