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橋本 雅人 院長の独自取材記事

アリスクリニック

(横浜市戸塚区/東戸塚駅)

最終更新日:2019/08/28

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東戸塚駅東口から徒歩1分。「アリスクリニック」の橋本雅人院長は内科、心療内科、皮膚科の診療を提供し、体と心の両面で患者の健康を支えている。「体の痛みや不快感など、つらい症状をやわらげることも大事なことです。しかし、近年ではストレスが体の不調の原因になっているケースも増え、精神面もサポートする必要性が高まっています」と言う橋本院長にはしっかりと話を受けとめる雰囲気がある。「患者の内側には治癒に向かう力があり、それは発揮されることを待っているはずなので、治癒に向かう前向きな気持ちをせきとめるような言葉遣いはしない」というポリシーを持つ、優しい診療方針を聞かせてもらった。
(取材日2016年11月24日)

時には、内科で受診した患者のストレスを考える必要も

医師になり、診療を実践してこられた経緯をお聞かせください。

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小学生の頃、母に勧められたんです。母方の祖父は歯科医師でしたが、残念ながら早くに亡くなっています。それで、母は息子の私に「その夢を継ぎ、医療の道に進んで欲しい」と。私は母を尊敬していたし、親戚に開業医の先生がいたこともあり、医師という職業に親しみを覚え始めたのです。困った時に安心して頼ることができる存在になりたいと考えて、医学部に進学しました。卒業後、東戸塚の救急指定病院に勤務したのは私が希望してです。多くの症例を経験し、重症の患者さんも治せるような医師になりたかったのです。そのようにしてこの地の病院に10数年間勤めているうちに、目立つと感じられたのは、心の悩みをお持ちの方の増加でした。

それが、内科のみならず心療内科も含めて開院されるきっかけになったのですか?

「内科の病気を治すだけで、果たして患者さんは本当に幸せになるのだろうか?」と考えるようになったのです。私は病院時代にも周囲と相談をし、完全予約制でメンタルケアも含めてじっくり治療できる特別な内科の外来を設けました。手ごたえはありましたが、「病院」の「内科」という枠の中で診療を行うには、方法にも時間にも限りがあったのですね。そのような中で、今のような診療を行うべく開院を考えるに至りました。東戸塚は愛着のある地域で、離れるつもりはなかったため、ここで開院することになったのは自然なことだったのです。

当院は、総合的な癒やしを大切にされているそうですね。

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内科と心療内科を中心に診療していますが、内科で受診されても「ストレスが病気の原因になっている」と思われる場合も多いのです。精神的に不安な状態が続けば、生活習慣が乱れ、健康に悪影響が出ることもあります。心療内科での患者さんのみならず、心と体の健康をめざすことで出てくる「癒やし」を大切にしています。例えば、糖尿病の治療にしても、血糖値を下げるお薬の処方をし、食生活のアドバイスをするだけでなく、精神的な面からのケアも行うのです。飲酒や過度の食事を控えるには、気持ちのサポートがあるほうがいいですからね。もともと、内科の診療には原因がはっきりしない症状も多いため、そのような総合的なアプローチが必要だな、と感じてきたのです。

10代から90代までが訪れ、相談する場としての医院

待合室には、穏やかで落ち着いた雰囲気がありますね。

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クリニックに入った時から癒やされる雰囲気を大切にし、患者さんがリラックスできる空間にしたかったのです。待合室のソファは、奥に向けて横1列に並べています。これは、患者さん同士がお互いに顔を合わせずに済むように配慮したためです。内科でいらした患者さんに重篤な感染症の危険性がある場合には、院内で隔離するお部屋をご用意しています。多く患者さんにいらしていただき、待ち時間が出てしまうのですが、完全予約制にしていないのは、いらっしゃった日に何とかしたいという思いがあるからです。心療内科の診療にはきめ細やかな配慮と対話が必要なので、どうしても時間がかかり、お待たせしてしまう面もあります。それも、お帰りになるまでに1つでも2つでも症状の緩和に向かうよう全力を尽くしてのことなのです。

どのような患者の来院が多いのでしょうか?

10代から90代まで、年齢層は満遍なく来られています。本当に多様な皆さんにいらしていただいているという印象がありますね。近隣に住んでいたり働いていたりするケースのみならず、鎌倉、横須賀、あるいは東京都内や他県などから来られる患者さんもおられます。近くからも遠くからも、「知人や親戚が受診して良かったと勧められた」「このクリニックなら安心と知り合いに聞いた」など、クチコミで来ていただくことが多いのは、うれしいことですね。3割が男性、7割が女性で、内科、心療内科のどちらでもいろんな症状でご相談に来られています。

心療内科の診療は、どのように進めてゆくのでしょうか?

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患者さん自身では原因や症状を突きとめづらい苦しさがおありでしょうから、まずは本当に気軽に「医師に話をすることで気持ちが楽になる場合もあるようだ」というぐらいの心持ちでいらしていただきたいのです。その上でうかがうのは、苦しさの細部です。患者さんは、頭や体の多くの部位に痛みやしびれを感じる、めまいがする、胸が苦しいなどと言われます。専門の診療科目で精密検査を受けても異常なしと診断され、「神経性のものかもしれません。心療内科で診てもらってはどうか」と勧められて当院に来られることも少なくありません。私がまず行うのは、つらい症状や不快感の緩和です。症状に合うお薬を処方するだけでなく、慢性的な疲労感や微熱、体のあちこちが痛むといった複合的な症状には漢方で対応すると「改善した」と喜ばれる場合が多いですね。西洋医学は痛みどめを使いますが、漢方では体全体のバランスを回復させる点に違いがあります。

10の苦しみが6や7になるだけでも前進、という姿勢

「他にも多くの医療機関で診てもらったけれども難しい状況にある」という患者に対して、優しいですね。

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心療内科に限らず、内科や皮膚科など当院の他の科の症状でも、現代西洋医学のみで充分に治しきれない部分があります。そこで、漢方も含めて可能性があると思われる療法は何かないか、と試行錯誤を続けているのです。理想は、帰る前までに心理的にも物理的にも少しでも良くなっていく状態にしてさしあげる治療。そのためには、きつい言葉遣いは厳禁です。他の医療機関で「一生、薬を飲み続ける病気だ」と言われた体験をお聞きしても、厳しい言葉が精神的に大きなダメージになっていることを感じます。「先生とは話したくなる。来たくなるクリニックは初めて」と言われるのはありがたいことです。10ある苦しみが0にはならないかもしれない。しかし、6でも7でも、少しでも軽くなればそれは前進だと考え、困ったことに対して力になろうと心がけています。あそこに行けば何とかしてくれる、と患者さんに思っていただきたいのです。

ご著書を記されたりと、診療内容を進歩させようと努力し続けている姿勢が伝わってきます。

日々、少しずつ進歩しているはずだと自分では思っているのですけどね。実際に、西洋医学の勉強を続けることは当然のことながら、漢方に関しては、今も毎月、中国人の本当に素晴らしい先生方から学び続けているのです。東洋医学も、先が見えないというぐらいにいろいろな可能性があるな、と痛感しているところです。今後も、気を引き締め、諦めず、学び続けねばと思っています。漢方ではお1人ずつの体質の違いもふまえて処方するためか、初めてお飲みになった患者さんからも「症状が大きく改善した」と言っていただけることも多いんですよ。患者さんのつらい症状を緩和し、少しずつ元気を取り戻すプロセスでは、暮らしや仕事の状態、ご家族との関係など1つずつお聞きし、問題を一緒に見つけだし、向き合い、考え続けてゆきます。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

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近年では、当院を開院した時期よりもさらに心の問題に絡んだ体の苦しみは増え続けている、と実感しています。1人で悩んで取り返しのつかない事態を招いてしまうことは1つでも防げたら、というのが今後も続く方針ですね。心でも体でも、苦しいことがあったら勇気を出していらしていただけたら、と願っています。人間には治癒力が備わっています。それを潰すような言葉はかけず、むしろ発揮してもらえるような対話を通して、治療を進めていきたいですね。

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