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張 家正 院長の独自取材記事

医療法人社団鳳凰会 いえまさ脳神経外科クリニック

(横浜市戸塚区/戸塚駅)

最終更新日:2019/08/28

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戸塚駅西口から徒歩5分の「いえまさ脳神経外科クリニック」には、連日多くの患者が訪れる。「開業して驚きました。当院のようにMRI検査の設備を持ち、気軽に受診できる脳神経外科は戸塚地区になかったんですね」と語るのは張家正(ちょういえまさ)院長だ。30年近く横浜市立大学病院などの総合病院で活躍。「特発性正常圧水頭症」という、歩行障害や認知症を起こす病気の手術では、日本でナンバーワンの実績を持つ脳神経外科医だ。この病気はテレビでも紹介されて話題を呼んだ。「僕がテレビに出るのは、こういう病気は手術で治せると知らせることで、認知症だ、年のせいだ、と諦める人が減ってほしいから。クリニックの宣伝はあまりしなくていいんだ(笑)」。自身も「諦めない治療がモットー」という張院長。目指しているのは「紹介状なしに誰もが簡単にアクセスでき、質の高い診療が受けられるクリニック」。ざっくばらんに話せる、会うと楽しくなる、キャラクター的にも魅力満載の張院長の元気トークをお届けする。
(取材日2012年7月10日)

人生はいつだってチャレンジ。50代半ばの開業に戸塚を選んだ理由

先生が医師をめざした、きっかけを教えてください。

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私の父は台湾出身で、私自身も外国人国籍となるのですが、私は幼いころに台湾から来日して、中学、高校、大学と日本の教育を受けました。日本で仕事を選ぶには一定の制限があり、その中で「身につけた知識と技術を生かして、困っている人の役に立てる仕事」に就きたいと考えて、医師になりました。この気持ちはずっと変わりません。より多くの患者さんの役に立ちたくて、新たな病気の治療にも積極的に取り組んできました。歩行障害や認知症の原因となる「特発性正常圧水頭症」を日本で一番多く手術していることも、そうした気持ちの表れです。また誰でもできる仕事より、自分にしかできない仕事をめざしています。そのためには常にチャレンジする気持ちも大切。1999年に台湾で大地震が起きた時は、横浜市大附属の高度救命救急センターにいたので、そこのメンバーを中心に医療団を作り、現地での医療活動にも参加しました。

開業医になられたのは、どのような理由からですか?

30年近く総合病院に勤めてきましたが、私が求める医療のあり方と、最近の総合病院の方向性が大きくずれてきました。大きな病院で診てもらうには、初診の患者さんは紹介状が必要だとか、救急でも担当医がいないと断られるとか……。私は誰でも診察して、いつも諦めず前向きに治療したいと考えています。もう数年前から退職を希望して、自分がやりたい医療のために開業しようと考えていました。しかし特殊な専門領域も担当していたので、後任がうまく探せず、やっと昨年バトンタッチできたのです。つまり当院は、私が理想にしていた「やりたい医療」を実現したもの。紹介状がなくても誰でも気軽に受診でき、大学病院並に質の高い脳外科の診療が受けられるクリニックです。受診当日、予約なしでも検査できる体制が整っています。一人でも多くの方の力になりたいと思っていますので、MRIは超高解像度で撮影できる最新型を用意、他の医療機器も最新の設備をそろえました。

開業場所をお選びになる時は、何が決め手でしたか?

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私はいつもチャレンジが大好きです。開業という50代半ばからのスタート地点は、勤務先の近くや自分の地元ではなく、全く知らない場所を選びたかったんです。唯一のこだわりは交通の利便性。特発性正常圧水頭症を的確に診断・治療できる医師は少ないので、診療を受けたい患者さんが各地からお見えになります。戸塚は各方面から交通アクセスが良く、車でも便利という点が気に入りました。しかも開業してわかったのですが、予約なしでMRI検査もできる脳神経外科は、周囲にはほとんどありません。そのため、くも膜下出血、脳出血や脳梗塞など救急の患者さんも受け入れてきました。また頭痛、めまい、手足のしびれや腰痛といった症状の患者さんも多くお見えになっています。

歩行障害や認知症が手術で治る?その原因となる病気とは

先ほどお話に出た、認知症などを引き起こす病気とは何ですか?

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「特発性正常圧水頭症」ですね。最近テレビなどでよく紹介されますから、ご存じの方も増えたと思います。NHKの番組でも、当院で治療した患者さんを取材していただきました。この病気は何らかの原因で脳脊髄液が脳室にたまって、脳室が拡大し、周囲を圧迫して歩行障害、認知症、尿失禁などを起こします。しかし適切に治療すれば、これらの症状が改善する可能性も高い病気です。脳脊髄液の量を調整するために手術を行い、特発性正常圧水頭症を治療することで、この病気が起こしていた歩行障害や認知症などの症状改善が期待されます。NHKには私も少し登場したのですが、クリニック名は出なかったので、番組を見た方も当院をすぐに探せなかったと言っていましたね。クリニックを宣伝するより、この病気を多くの方に知ってもらうのが目的ですから、まあ私は構いませんけどね(笑)。

多くの人に知っていただくという狙いは何でしょうか?

認知症の5%は特発性正常圧水頭症が原因といわれます。しかし大半の方は60歳以上でかかる病気。30代、40代の方なら、ちょうどご両親の世代だと思います。そういった年代の方が、急に物覚えが悪くなったり、歩けなくなったりした時も、この病気について知っていれば「仕方ない、もう年のせいだろう」と簡単に諦めないと思うんです。また初期にはパーキンソン病と間違えられやすく、きちんと診断できる医師に診せることも大事です。私が手術をした最高齢の患者さんは94歳。最近急に歩けなくなったと、相談に来られました。調べてみたら典型的な特発性正常圧水頭症で、手術をしたら歩けるようになり、とても元気になりましたよ。その人の寿命は神様が決めてくれます。平均寿命と比較して決まるものではありません。もちろん病気の進行具合によって、完治しないケースもあります。それでも重い認知症や歩行障害が少しでも軽減できれば、生活の質の向上に役立つと思います。

先生がこの病気を一番多く手術していると聞きました。

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まず見つけようとする姿勢が大事です。認知症や歩行障害の患者さんを診察する時、すぐに「パーキンソン病だろう」「もう高齢だから」と一方的に決めず、いろいろな可能性を検討することが、この病気の発見につながっていると思います。さらに重要なことは、薬局や介護施設などで働く人たちへの情報提供。高齢者やご家族と接する機会の多い人が、「お世話をしている人が、歩けなくなった」など変化を感じて、見つけてほしいのです。開業してからは地域の薬局や介護施設と連携を取り、ケアマネージャーや薬剤師会が主催する、区の福祉介護担当者も参加される研究会などと協力して、地域ぐるみのチームワークで病気の発見と治療に力を入れています。それと私は手術がものすごく速いといわれますね。一般の脳外科医がこの手術を担当すると、1時間から2時間程度かかるようですが、私は25分前後。でも手術では手を動かすのが特に速いわけではありません。それもチームワークなんです。看護師と上手に連携して、次の準備を先回りしてやってもらう。それが時間短縮につながります。今はクリニックを開業していますから、手術は依頼を受けた病院や当院と連携をとっている病院で行っています。

脳神経外科は全身が診療対象。気軽に受診して、早めの安心を

先生が診ている症状には、どんなものが多いですか?

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脳神経外科という診療科名から、脳のことを扱うと思われがちですが、脳と神経は体全体を動かしています。ですから当院では頭痛やめまい以外に、肩こり、腰痛、手足のしびれなども診ています。また近くの病院から、急患の患者さんを受け入れることもあります。特にこのクリニックなら診療当日にMRI検査ができ、結果を見ながら、診断まで終えることができるんです。何ともなかったという診断を聞いて、不安で暗かった表情がパッと明るい笑顔になる。患者さんに安心して帰っていただけると、私もお役に立てたことを実感しますね。そして万一病気が見つかった場合も、早い段階ならそれだけ助かる可能性も高まります。「脳神経外科は自分に関係ない」と誤解しないで、気軽に受診してほしいですね。

その他、このクリニックの特色を教えてください。

当院では漢方薬を併用した治療も特色です。高齢の方を診る機会が多くなり、西洋薬だけでは難しいと感じる症状も増えてきました。漢方薬による治療を取り入れて、特に頭痛や腰痛、しびれ、冷え、食欲不振などの症状に効果が現れています。和洋折衷で患者さんが治る割合が高まるのなら、これからも諦めないで工夫していこうと思いますね。患者さんには「台湾出身の張先生が出す漢方薬だから効く」と思われているのかもれません(笑)。

頭痛でお悩みの方は、どの年代でも多いのではないでしょうか?

頭痛はいつ痛むか、どんな痛みか、どの程度痛むか、本人しかわかりません。そして治療も患者さんが主体で、医師はそのサポート役なのです。MRI検査などで脳に器質的な異常がなければ、慢性的な頭痛への対処は、片頭痛か、緊張型頭痛か、その両方が混在するかによって違ってきます。そこで私は、北里大学の坂井先生が提唱する「頭痛日記」をつけてもらい、ご自分の頭痛を分析するようお勧めしているのです。日記をつけ始めてしばらくすると、患者さん自身が「今日はこの頭痛だと思う」と判断できるようになり、もう診断役としての医師は不要になるほど。運動療法などで整形外科を利用する時の指導、必要なお薬の確認は行いますが、基本的には患者さんが自分の頭痛を把握しているので、「もうあなたは私から卒業ですよ」とお伝えしています(笑)。頭痛を例に話しましたが、私は「病気は患者さんが治すもの」だと思います。医師は応援する役目で、本人やご家族が諦めないで治療に取り組んでいだたくことが一番大切だと思うのです。

元気に満ちたお仕事ぶりですが、お休みの日はどうお過ごしですか?

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今は開業してから生活が変わりましたが、もともとスポーツが大好きで、テニス、ウォーキング、サイクリングなどを楽しんで、夏は真っ黒に日焼けしていました。腹筋を200回も連続でやった翌日は、おしりが痛くて座って診療するのが大変でしたが(笑)。そうやって汗をかいた後、ビールを飲むとおいしいんですよ。今は少し落ち着いて、休みの日は漢方など自分の専門以外の本を読んでいることが多いですね。でも、そろそろ時間を見つけて体を動かす機会を作りたいと思っています。

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