井上 薫 先生の独自取材記事
金沢さくら医院
(横浜市金沢区/金沢文庫駅)
最終更新日:2025/07/09

京急本線・金沢文庫駅から徒歩約4分の場所にある「金沢さくら医院」。婦人科外来のほか、定期健診、特定健診などの各種健康診断、人間ドックに対応するクリニックだが、2025年7月に歯科部門を新設。診療体制を拡充し、患者の利便性向上につなげる考えだ。歯科部門を担当するのは、歯科医師の井上薫先生。「患者さんファースト」をモットーに掲げ、気軽に受診し、定期的に通いたくなるクリニックをめざすという。「技術の進歩によってさまざまな治療法がありますが、常に患者さんが一生自分の歯でおいしく食べられる方法を探してご提案していきたいですね」と語る井上先生に、歯科部門の特徴について詳しく聞いた。
(取材日2025年6月21日)
健診中心のクリニックに口腔内からのアプローチ
歯科部門の開設を決められた経緯を教えてください。

「金沢さくら医院」は、婦人科外来や婦人科検診のほか、健康診断、人間ドックを提供しているクリニックです。この度、新たに歯科部門を開設することになり、私が歯科部門を担当することになりました。私自身は以前、新横浜で開業し、その後も勤務医として横須賀やお隣の港南区で研鑽してきたのですが、そうした経験や患者さんへの向き合い方を、このクリニックを運営する医療法人さくら会に評価していただき、新たにこの地域の皆さんのお口の健康のケアに尽力させていただくことになりました。
内装、設備面で力を入れている点を教えてください。
歯科部門では、患者さんにとってより快適で安心できる空間づくりに努めています。4台のユニットを半個室のようなブースとして設定し、1室個室を設けました。個室では、マイクロスコープを用いた手術や精緻なインプラント処置などに活用していきます。また、個室を1室「キッズルーム」とし、受診されるお子さんはもちろん、お子さん連れの患者さんも安心して治療を受けられるよう配慮しています。設備面では、先進の医療機器を導入し、精密な治療と診断が可能な環境を整えました。マイクロスコープのほか、顎の骨の状態や神経の位置を立体的に把握できる歯科用CT、セファロ撮影が可能なエックス線撮影装置を導入。さらに、患者さんの負担を軽減し、より精密な型採りができる光学印象システムも導入しています。
どのような年齢層の患者さんを想定されていますか?

主に2つの年齢層の患者さんを想定しています。1つは、未来の口腔健康を担うお子さんたちです。お子さんたちが歯科を「怖い場所」ではなく「楽しい場所」と感じ、自ら進んで通いたくなるよう、キッズルームの設置やおもちゃの提供など、さまざまな工夫を凝らしています。幼少期から歯の健康への意識を高め、定期的なメンテナンスを習慣化してもらうことをめざしています。もう1つは当院で健診や検査を受けに来院される、健康意識の高い大人の方々です。自身の健康に積極的に向き合う方々に対し、口腔内の健康も全身の健康と密接に関わることを啓発し、質の高い予防医療や治療を提供したいと考えています。
「生涯自分の歯でおいしく」を実現するために
こちらではどのような医療を提供していきたいとお考えですか?

患者さん一人ひとりの口腔内の状態やご要望に合わせた歯科医療です。保険診療と自費診療のどちらも柔軟に対応し、患者さんにとって本当に価値のある治療を選択できるよう、丁寧なカウンセリングと説明に重きを置いています。私たちは、単に病気を治すことだけが歯科医療ではないと考えているんです。患者さんが「おいしく食事ができる」「健康な口腔状態を維持できる」といった、日々の生活の質を高めるための「道具」としての「歯」を維持することが重要だと認識しています。患者さんご自身がその価値を理解し、納得して治療を受けられるよう、豊富な知識と先進の技術を駆使してサポートさせていただきます。
予防歯科にも力を入れていかれるそうですね?
予防歯科は、私たちの最重要項目の一つです。特に力を入れていきたいのはお子さんたちの予防です。乳歯から永久歯への生え替わりの時期は、虫歯や歯並びの問題が生じやすいため、定期的なチェックと適切なケアが不可欠です。私たちは、子どもたちが歯科を「痛い時だけ行く場所」ではなく、「健康を維持するために定期的に訪れる場所」として認識できるよう、楽しい雰囲気づくりに努めています。大人の方々に対しても、定期的なメンテナンスの重要性を啓発していきます。厚生労働省も予防医療に力を入れている時代において、病気になってから治療するのではなく、早期発見・早期治療、そして病気にならないための予防が、結果的に医療費の削減と生活の質の向上につながることをお伝えしていきたいです。
そのほかの治療についても教えてください。

予防歯科以外では、インプラント治療と入れ歯治療にも力を入れていきます。特に、従来の入れ歯に抵抗がある方や、噛む機能の回復を強く望む方には、インプラント治療を提案します。また、入れ歯治療に関しても、単に保険診療の入れ歯だけでなく、針金を使わない審美性の高い自費の入れ歯「ノンクラスプデンチャー」や、インプラントをアンカーとして利用する「マグネット義歯」など、さまざまな選択肢を提供します。患者さんの口に合う、しっかり噛める、長く使える「良いもの」を提案することが私たちの責務です。患者さんの口腔内の状態やライフスタイルに合わせて、最適な治療法を一緒に考え、選択できるようサポートいたします。
治療で大切なのは、患者の「治りたい」という強い思い
ところで、先生が歯科医師を志したきっかけは何だったのでしょう。

私が次男だったからです(笑)。父は内科の開業医で母は薬剤師をしており、幼い頃から兄が「医師になるべし」と教育されてきたので、私は好きな道が選べたんです。それで、慶應義塾大学商学部を卒業し、一度社会人を経験しました。兄はというと、医師にはならず結局歯科医師になったんですが、兄が患者さんから感謝されている姿を見まして、それでこの道に興味を持つようになりました。その後、昭和大学歯学部に編入し、歯科医師としての道を歩み始めました。歯科医師としての喜びは、やはり患者さんから直接感謝の言葉をいただける瞬間にあります。この仕事は、痛みを取り去ることができるか、噛める状態を取り戻せるか、結果がわかりやすく出る分野ですよね? それだけに患者さんが喜んでくださる姿を見ることができたら、この仕事を選んで本当に良かったと心から感じられると思います。
歯科医師としてどんなポリシーをお持ちですか?
私の歯科医師としてのポリシーは「患者さんファースト」です。患者さん自身の「治したい」という強い気持ちが何よりも大切だと考えています。歯科医師は、その気持ちを最大限に引き出し、患者さんの治癒力をサポートする存在であると認識しています。この考え方は、内科の医師だった父の影響が大きくあります。父から「病気は患者さん自身の力が治すもので、医師はその手助けをするだけだ」と教えられてきました。また、歯科大学でも「患者さんのモチベーションがなければ、どんなに素晴らしい治療をしても成功しない」と教わり、患者さんの心の状態が治療結果に直結することを学びました。口腔内の健康は全身の健康にも影響を与えるため、患者さん一人ひとりの「健康になりたい」という想いをこれからも大切にして治療を行っていきたいです。
今後のビジョンと、読者へのメッセージをお願いいたします。

金沢の地での診療を開始するにあたって、私は歯科医師としての初心に立ち返り、すべての患者さんに対し、一つ一つの治療に真摯に向き合い、質の高い歯科医療を提供することをお約束します。私たちのビジョンは、患者さんが人生の最後まで、ご自身の口でおいしいものを食べ続けられる健康な状態を維持できるよう、全力でサポートすることです。最晩年まで、皆さんがご自身の歯とお口でおいしくものを食べることができ、健康な毎日を送れるお手伝いをさせていただければ幸いです。小さなお子さんは、今のうちからぜひとも歯科に通う習慣をつけていただきたいです。また、子どもの頃にそうした習慣を身につけられなかった大人の方も、今からだって遅くはありませんから、気軽にお立ち寄りください。口腔内の健康は全身の健康に直結し、食の喜びは人生の質を高めます。皆さんの健康で幸せな生活のために、ぜひ私たちにお手伝いをさせてください。
自由診療費用の目安
自由診療とは日帰り人間ドック/4万5100円、婦人科検診/2万2000円、インプラント/44万円程度(1本)、オフィスホワイトニング/2万3650円(通常 2照射×8分)、ジルコニアインレー スタンダード/6万6000円、ノンクラスプデンチャー/12万8500円~19万2500円、インプラントアンカーを用いたマグネット義歯/80万円