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川名 伸子 院長の独自取材記事

かわなこどもクリニック

(横浜市金沢区/金沢八景駅)

最終更新日:2019/08/28

20181217 bana

金沢八景駅から徒歩約2分のビル3階で診療を行う「かわなこどもクリニック」は、2017年12月に移転オープンした小児科クリニック。移転に伴い、同じビルの2階に病児保育室を併設した。同院のスタッフは全員が子育て経験者の女性で、病気のわが子を抱えて不安な保護者の気持ちを優しくくみ取る母親業の先輩ばかり。院長を務める川名伸子先生自身、2人の子育て経験を持つ母親としての目線に立って接し、患者が話しやすい雰囲気をつくることを心がけているという。「将来ある子どもたちの役に立ちたい」と小児科医師をめざした川名院長に、移転や病児保育室を作ったきっかけ、診療で心がけていることなどを聞いた。
(取材日2018年11月15日)

移転オープンを機に病児保育室を併設

2017年12月に移転されたそうですね。

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もうそろそろ1年近くたちます。最初に開業したのは隣の金沢文庫駅から徒歩10分の場所。そこで10年ほど診療していましたが、クリニックの入っているビルがもともと古かったので、いずれどこかに移ることになるだろうと思っていました。移転のきっかけは、いつもは通勤で使わない道をたまたま車で通った時のこと。金沢文庫の隣の金沢八景駅近くまで来た時、駅の周囲に大きなマンション群ができているのを見て「これだけマンションが建ったから、小児科が必要になるだろうな。でもこの辺りにはなかった気がするな」と考えたんですね。その2、3日後、まさしく金沢八景駅の近くに新しいビルが建つのでテナントを募集しているというお話をいただいて。これも何かの縁と思い、思い切って移転することを決めました。

移転後は病児保育室を開設されました。

移転を考えた時、場所を移るなら意味のあることをしたいと思い、駅から近いことも生かしてかねてより興味のあった病児保育室を開設することにしました。クリニックは3階ですが、同じビルの2階にあったスペースを病児保育室用として借り、準備期間を経て移転から約4ヵ月後にスタートしました。定員8名で最大10名までお預かりできる設備と人員を調えています。広い1室としても使えますが、インフルエンザが流行したり0歳児と小学生のお子さんが一緒になったりして複数の部屋が必要になる場合は、ガラスドアで部屋を仕切って4部屋まで分けられるように設計しました。常勤の保育士2名とパートの保育士4名がその日ごとに必要な人員数で保育にあたり、看護はクリニックの看護師が日替わりで担当する、という体制です。

病児保育室の利用状況はいかがですか?

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事前登録制ですでに多くのご家族が登録されていますが、実際に利用されるのはリピーターの方が多いです。恐らく、病児保育室を利用するのはハードルが高いなと考えている親御さんが多く、それで利用経験のある方の割合が高いのではないかと思っています。利用者数は当然のことですが日によって大きく異なります。保育園で感染症が流行したような時はあっという間に満員になりますが、次の週は1人しかいない、などということも珍しくありません。そのためスタッフの配置が非常に大変ですし、医師としてどの時点で保育の現場に医療を持ち込むか悩むこともありますが、病児保育を通してもっと地域貢献したいという思いは強くなっています。

受診の目安がわかるよう具体的な説明を心がける

診療の際に心がけていることは何でしょう?

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患者さんや保護者の方の話をよく聞くこと。そして、こちらからの説明では、受診の目安がわかるように「〇日までに熱が下がらなければまた受診して」などできるだけ具体的にお話しすることです。特に夜間や週末は救急の窓口に走るかどうか迷うので、「40度近くの高熱でも、元気にいつも通り過ごしていれば週明けでも大丈夫」「熱が下がっていてもぐったりしていたり水分が取れないようなら夜間でも受診を」などとお伝えします。もう1つは、必要のないお薬は出さないということ。そしてその理由をきちんと説明することも心がけています。今、抗生剤の適正使用が問われていますが、咳止めや鼻水止めなども、症状によってはなるべく使わないようお話しします。お薬をもらうと安心するのかもしれませんが、風邪なら自己免疫で回復に向かうもの。逆にお薬が必要な場合は、薬嫌いなお子さんにも頑張って飲んでもらいます。

女性医師ならではの特徴を生かせていると思うことはありますか?

当院にいらっしゃる保護者の方のほとんどはお母さんですから、同性なのですごく話しやすいようで、子育てや家庭のことなどを気軽に話してくださいます。私も、同じ女性、同じ母親としての目線で話すように心がけているので、その点ではお互いに気持ちが楽なのでないでしょうか。2人の子どもを育ててきたという経験も、診療に生きていると思います。先日も、わが子の具合が悪くて不安でいっぱいのお母さんに、「うちの子もそうだったよ」と過去の体験談を打ち明けたら安心してくれたようでした。また、女児の陰部のかゆみやはれなどで受診する場合、同性の女性医師に診てもらいたいという心理が親御さんにはあるようですね。

小児科医師としてやりがいを感じるのはどんな時ですか?

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1つは、お子さんが病気から回復して元気になり、お母さんたちの表情がぱっと明るくなった瞬間に立ち会えた時です。この仕事をやっていて、本当に良かったなあと実感しますね。もう1つは、小児科の医師は皆さん同じことをおっしゃると思いますが、当院に通ってくださるお子さんの成長を親御さんと一緒に見られることです。ついこの間までまだ小さな赤ちゃんだと思っていた子が、いきなりしゃべり出して驚かされたり。自分の中ではずっと赤ちゃんのイメージだったのに、実はもう2歳になっていて「そうだよね、その年齢ならしゃべるよね」と一人で納得する、などというのはよくあります(笑)。中学や高校、中には大学生になってまで年1回程度ですが通い続け、頼りにしてくれているお子さんもいて、うれしいですね。

地域の患者が笑顔になる医療を目指して

こちらで開業したのはどういうご縁ですか?

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私はこの地域の出身で金沢八景周辺に小児科がないことを知っていましたし、よく知っている土地で開業する安心感からこの場所を選びました。今は少子化の時代といわれ、地域全体の人口も減少していると聞きます。でも、当院にいらっしゃるご家族は3人目、4人目という方が珍しくないので、あまりそういう実感はありません。1㎞ほど南の場所に移転しただけなので、前の場所で通ってくださっていた多くの患者さんが引き続き通院してくださっています。さらに、金沢区と隣接する横須賀市や逗子市の方が来院されるケースも以前より増えていて、移転から1年ですが、お昼をとる暇もないほどたくさんの患者さんに足を運んでいただいています。

開業から10年、当初とは違う最近の傾向について何か感じることはありますか?

近年は、インターネットでいろいろ調べてから来院する方が多いです。ご自身でいろいろ検索した結果、こちらが予想もしなかったような病名が出てきて驚くこともあります。正しい診断をつけるには、ピンポイントの症状だけでなく、全体を診なければなりません。あまりネットの情報をうのみにせず、小児科を受診していただきたいですね。それから、心の問題についての相談が増えました。お子さんが「学校に通えない」「朝なかなか起きられない」などといった悩みです。心の問題のほうもカバーしなければとこつこつ勉強はしてきましたが、通常の診療時間できちんと対応するのはなかなか難しいのが現状です。将来的には、私自身の知識を積み上げながら、じっくり相談に乗れる時間枠を作らなければと思っています。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

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ここは私にとって大切な地元。地域の方々と誠実に向き合い、もっともっと信頼関係を積み重ねていきたいと思っています。医師といっても万能ではなく、はっきり診断をつけられないこともありますが、私は正直に「わからない」とお伝えした上で、治療が必要かどうかを判断し、場合によっては専門の医療機関に速やかに送る。それが私の役割であり、信頼関係をつくることにつながるのだと考えます。地域に根差した小児医療で、皆さんを笑顔にしていけたらうれしいですね。その一環として、当院の下に病児保育室を立ち上げました。横浜市の方だけでなく、横須賀市や逗子市など他地域の方も利用できます。医療的な処置が必要になれば私がすぐ対応にあたりますので、いざという時は頼っていただければと思います。

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