村上 善勇 院長の独自取材記事
いわつき本丸 内科と脳の診療所
(さいたま市岩槻区/岩槻駅)
最終更新日:2026/04/01
岩槻駅から車で7分。地域の暮らしに溶け込む大型スーパーマーケットの2階に、「いわつき本丸 内科と脳の診療所」はある。院長の村上善勇先生は、日本神経学会神経内科専門医であり、日本内科学会総合内科専門医。東京慈恵会医科大学卒業後、急性期医療から神経難病のフォローアップ、病院運営や地域の医師会活動まで、多彩な経験を積んできた脳神経内科と総合内科の専門家だ。内科全般に広く対応しながら脳神経疾患はより専門的に診る。院名から脳に特化していると思われがちだが、「どんな悩みでも気軽に相談してほしい」と穏やかに語る姿が印象的だ。テントウムシをモチーフにした赤と緑、温かな木目調の院内には親しみやすい空気が流れている。患者との信頼関係を何よりも大切にする村上院長に、診療への思いやめざす地域医療の姿を聞いた。
(取材日2026年3月17日)
岩槻のかかりつけ医が内科から脳の悩みまで幅広く
先生のこれまでの歩みと、開業の経緯を教えてください。

大学やナショナルセンターで脳神経内科の専門研修を積んだのち、長く勤めた済生会加須病院(旧・済生会栗橋病院)では脳神経内科を一から立ち上げました。急性期から慢性期まで幅広い神経内科の診療に加えて一般内科も担い、医局長として病院運営や地域の医師会活動にも携わるなど、さまざまな経験をしてきました。これまでのキャリアを通じて、患者さんを全人的に診ることをずっと大切にしてきたので、その経験を長く地域医療に生かしたいと考えたのが開業のきっかけです。開業に岩槻を選んだのは、この辺りに脳神経疾患を専門的に診ているクリニックが少なかったからです。自分が何をやりたいかよりも、求められる場所で力を発揮したい。埼玉にはずっと暮らしていて土地勘もありましたし、ここに根を下ろそうと決めました。
こちらではどのような診療を行っていますか?
脳神経内科をベースにしつつ、内科全般を幅広く診ています。院名に「脳」とあるので専門に特化したクリニックだと思われがちですが、風邪も診ています。そもそも内科と脳には深いつながりがあって、糖尿病・高血圧・脂質異常症といった生活習慣病は動脈硬化を進行させ、脳梗塞や認知症のリスクを高めます。生活習慣病をしっかり管理することが、脳の健康を守ることにもつながるんです。「何科を受診すればいいかわからない」「いくつもの科に通うのが大変」という方にもお役に立てると思いますし、さいたま市の特定健診や物忘れ検診にも対応しています。どんな悩みでも気軽にご相談ください。
スーパーマーケット内ということで受診しやすそうですね。ほかにどんな工夫をされていますか?

当院は地域の暮らしに溶け込む大型スーパーマーケット2階にありますので、大型駐車場を無料でお使いいただけますし、エスカレーターで上がれるバリアフリー設計で、車いすの貸し出しにも対応しています。受診手続きや会計のデジタル化にも力を入れていて、ウェブやアプリからの予約やクレジットカード登録による会計待ちなしの仕組みを導入しています。その分の時間を患者さんとしっかり向き合うことに使いたいという考えです。基本は予約制ですが、予約なしで来ていただいても大丈夫です。検査は血液検査や心電図、エコー検査などに対応し、第2・第4土曜の午前も診療しています。
まず話を聞くことから。頭痛も原因不明の不調にも
幅広く診てくださる中で、特に多く見られる主訴はどのようなものですか?

開院してみて実感したのは、頭痛に悩んで来られる方がとても多いということです。大人だけでなく、小学校高学年くらいのお子さんの頭痛も少なくありません。頭痛の診療で何より大切なのは、患者さんのお話をしっかり聞くことです。どんなときに痛むのか、どれくらい生活に支障が出ているのかを根気よく聞き取ることで、適切な診断につなげていきます。「MRI検査で異常がないと言われてしまって……」とお悩みの方も多いのですが、画像に映らないタイプの頭痛はたくさんあります。ご相談いただければ解決策がきっと見つかると思いますので、諦めずにいらしてください。適切に対処すれば生活の質の向上が期待できますから、一人で抱え込まないでくださいね。
総合内科の専門家でもある先生ならではの強みを教えてください。
検査をしても異常がはっきり出ない症状の診断は、私が得意としている分野の一つです。いろいろな病院を回っても原因がわからずお困りの方も少なくないのですが、そうした方のお話をじっくり伺い、一緒に問題点を整理していくことを大切にしています。問題が整理されれば、おのずと答えは見えてくるものです。また、いくつもの診療科に通って薬がどんどん増えてしまっている方の治療を一つにまとめ、総合的に管理できるのも当院の強みだと考えています。専門的な治療が必要な場合は適切な病院へご紹介しますが、そうした場面でも日頃から信頼関係を築いておくことで、患者さんが安心して受け入れてくださると感じています。
患者さんと向き合う上で大切にされていることを教えてください。

何よりも、患者さんとの信頼関係を大切にしています。いきなり「この検査をしましょう」「この治療がいいですよ」と言われても、信頼関係ができていなければ納得しづらいでしょう。まずはお話をしっかり聞いて、今どんなことに困っているのかを一緒に整理することが出発点です。また、病気そのものだけでなく、その方の生活背景や歩んでこられた人生の物語にも目を向けるようにしています。脳神経疾患の診療では、10年・15年先を見据えた治療計画が求められることもあります。短期的な結果だけでなく、「この先どう生きていきたいか」を一緒に考えていきたいのです。病院では人生の一場面を切り取るような診療が主でしたが、クリニックでは家庭環境や生活背景も含めて、患者さんの日々を長く見守っていけるのが大きなやりがいです。
地道に、丁寧に。チーム一丸で地域に根差したい
一緒に働くスタッフの皆さんについてもご紹介ください。

ベテランで優しいスタッフが集まってくれました。看護師、臨床検査技師、医療事務、社会福祉士も豊富な経験を持つ方ばかりで、本当にありがたいですね。当院では「これは私の業務」という線引きをつくっていません。受付も会計も掃除も全員でシェアする方針で、カバーし合えるようにしています。コンパクトな院内設計で、診察室からスタッフ全員の動きが見えますし、スタッフ側からも私の状況がわかる。だからこそ自然と声をかけ合いながら、皆でクリニックをつくっている感覚があります。私が大事にしているのは、医師もスタッフも精神的な余裕を持って働くということ。余裕がなくなると患者さんへの対応にも影響が出ますからね。スタッフは院内新聞を作って地域の皆さんに配ってくれたりと、情報発信にも積極的です。
テントウムシのロゴマークが印象的ですが、込めた思いをお聞かせください。
聴診器を頭につけたテントウムシが当院のロゴマークです。背中の斑点は医師やスタッフ、患者さん、そして病気そのものを表していて、それらを背負ったテントウムシが少しずつ上向きに良い方向へ進んでいく。そんなイメージを込めました。実はテントウムシは、私の子どもが初めて触れた虫なんです。個人的にも思い出深い生き物ですので、皆さんに親しみを感じてもらえたらうれしいですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

健康に関する不安を抱えたまま過ごすのではなく、まず正しく知ることが大切です。周りから聞いた話やインターネットの情報だけで判断してしまう方も多いのですが、大丈夫なのかそうでないのか、一度受診して確かめてみてほしいと思います。当院は、健康上のお困り事を気軽に相談できる窓口でありたいと考えていますので、「こんなことで受診していいのかな」と迷われたときこそ、遠慮なくいらしてください。岩槻で診療を始めてまだ間もないですが、この地域の皆さんは本当に温かい方ばかりで驚いています。素晴らしいスタッフにも恵まれましたので、チーム一丸となって皆さんの健康をしっかりサポートしていくことができれば。私たちがめざしているのは、この地域のホームドクターです。地道に、丁寧に、この岩槻に根差していきたいと思います。

