川田 真大 院長の独自取材記事
堂島かわだクリニック
(大阪市北区/北新地駅)
最終更新日:2026/03/09
北新地駅から徒歩3分、ビジネス街のビルの地下に「堂島かわだクリニック」はある。2026年2月に開業した同院の院長・川田真大先生は、救命救急センターや災害派遣医療チーム(DMAT)で医療の前線に携わってきた日本救急医学会救急科専門医。内科・外科を診療し、「働く人が健康でいられる」ことをめざして診療時間を昼休みの時間と夕方以降に設定。シックな黒を基調とした落ち着いた院内には、待ち時間に仕事ができるようカウンター席に電源を完備している。物腰やわらかで温かい笑顔が印象的な川田院長は、「困ったときの医療の入り口でありたい」と語る。今回は川田院長に、開業への思いや診療へのこだわりを聞いた。
(取材日2026年2月19日)
父の急死を原点に、働く人を支える医師をめざす
先生が医師の道に進み、救急科を専門に選ばれた理由を教えてください。

高校1年生のときに父が急死したことが、医師をめざすきっかけになりました。当時、父を救うにはどうしたら良かったのだろうかと真剣に考えるようになり、その一つの答えが救急医療にあるのではないかと思い至ったのです。ですから、医師をめざすと決めた時点で、すでに救急科の医師になると心に決めていました。救急医療は幅広い分野を扱うため、その中でどこを専門的に深めていくかは後から考えましたが、大きな方向性としては最初から一貫しています。岐阜県出身の私が大阪大学に進んだのも、救急医療を学ぶためでした。2010年に卒業した後は救命救急センターで勤務し、日々命と向き合う現場で研鑽を積んできました。
救命センターでのご経験から、開業に至るまでの経緯をお伺いします。
大きな転機となったのは、新型コロナウイルスの流行下で大阪コロナ重症センターに勤務した経験です。そちらは大阪府が設置した施設だったのですが、働く中で、若くして亡くなられる方を数多く目の当たりにしました。懸命に治療しても助けられない命がある現実を目の当たりにするとともに、改めて、「やりたいことを生きているうちにやらないと」という思いが強くなったのです。時間に追われる日々の中で、自分の人生を振り返る余裕が生まれたタイミングで、今後どう生きていきたいのか、何を成し遂げたいのかを深く考えた結果、働く人を医療面で支えたいという思いでクリニックを開業することを決意しました。
特に「働く人のため」に開業したとのことでしたが、診療時間が特徴的ですね。

診療時間を11時から13時半、17時から22時半に設定したのは、働いている方が来やすい環境を作りたかったからです。昼休みの時間帯と、仕事が終わった後の夜間に受診できれば、忙しいビジネスパーソンでも通いやすいはずだと考えました。北新地駅から徒歩3分というビジネス街のど真ん中に開業したのも、同じ理由からです。さらに待合室にはカウンター席を設け、電源コンセントと無線LANを完備しました。待ち時間も仕事ができる環境があれば、時間を無駄にせずに済みますし、多少待ち時間が生じても気にならないのではないかと思ったのです。働く方だけでなく、そのご家族が来やすい時間帯という点も意識しています。
子どもから大人まで幅広く診療、困ったときの入り口に
こちらのクリニックでは、どのような診療を行っていらっしゃいますか?

内科と外科を診療していますが、救急科専門医として培った経験を生かし、子どもから大人まで幅広く診療しています。整形外科の経験もありますし、外科は一番長く携わってきた得意分野ですので、急にケガをされた際などは遠慮なく来ていただきたいですね。ただ、眼科や耳の奥のほうの診療には対応するのが難しいのですが、それ以外であれば何でも診られるというのが当院の強みです。何でも診られると聞くと、逆にどんなときに受診すればいいかわからないと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、困ったときの入り口でありたいというのが私の思いです。
開業にあたって、設備面でこだわられた点があれば教えてください。
処置室を広く取ることにこだわりました。一般的なクリニックでは診察室に患者さんが入って診察するイメージが強いと思いますが、私は救急科の医師ですので、ベッドに横になっている患者さんのところへ出向いて診察するスタイルに慣れています。患者さんの状態によっては最初から処置室に入ってもらい、そこで診察することも可能です。また、血液ガス分析という検査機器を導入しました。これは救急領域では当たり前に使われていますが、クリニックで導入しているところは少ないものです。血中の酸素や二酸化炭素などの量がすぐにわかるため、重症度の判断に役立ちます。超音波エコーも据え置き型とポータブルの2台体制で、往診時にも対応できるようにしています。
患者さんと接する際に、心がけていらっしゃることがあれば教えてください。

私が大切にしているのは、治すことをめざすのではなく、病気とうまく付き合っていくことを目標にするという考え方です。例えば、「お酒をやめてください」とは絶対に言わないようにしています。お酒が好きな方もいらっしゃいますから、完全にやめるのではなく控えてもらうという形で、無理のない範囲での約束を積み重ねていきます。その約束が守れないときは、あなたのためだからと正直に伝えて厳しくご指導することもありますが、決して頭ごなしに否定するつもりはありません。一人ひとりの生活スタイルに合わせた処方や治療を心がけ、いわばオーダーメイドの医療を提供したいと考えています。特に生活習慣病は長く付き合っていくものですから、その人らしい生き方を尊重することが大切だと考えています。
健康で楽しい人生のために、気軽に相談を
クリニックの雰囲気やスタッフさんについてお伺いできますか?

実は、スタッフは全員これまで一緒に働いたことがある人ばかりなのです。働いている姿を知っている人たちですから、安心して任せられますし、あうんの呼吸で診療にあたることができています。皆さんそれぞれ個性があり、本当に良い方ばかりで、患者さんにもその温かい雰囲気を感じていただけたらうれしいですね。院内は黒を基調としたシックで落ち着いた空間にしました。クリニックというと外から見える明るい雰囲気のほうが人が集まりやすいとも言われますが、私はプライバシーを重視したかったのです。人と会いたくないという方もいらっしゃるでしょうから、処置室に先に入っていただき、他の方と接触せずに対応することも可能です。
今後、どのようなクリニックをめざしていきたいとお考えですか?
皆さん、お酒を飲みに行ったり、おいしいご飯を食べたり、スポーツをしたりと、仕事以外の楽しみをお持ちだと思います。そうした時間を全力で楽しんでもらうためにも、健康でいてほしい。これが私の根本にある思いです。働く人を支えるというのは、その人自身を診るだけでなく、ご家族の健康を支えることで憂いをなくし、安心して働ける環境を作るという意味も込めています。社会の中で、高齢者の医療や小児の医療をどうするかという議論は尽きませんが、真ん中の世代、つまり働き盛りの人たちこそがこれからの鍵を握っているのではないか、と。家庭の大黒柱が元気でいることで、ご家族の人生も安定すると考えています。そこを医療面からサポートし続けたいと思っています。
最後に、クリニック選びに迷っている読者へメッセージをお願いします。

健康で楽しい人生を過ごすための助けになれることであれば、何でも相談に乗ります。救急科専門医というとハードルを感じる方もおられるかもしれませんが、むしろ困ったときの医療の入り口でありたいというのが私の思いです。救急車を呼ぶか迷うような状況でも、歩いて来られるのであればまず当院に相談していただければ、必要に応じて病院をご紹介したり、自宅で様子を見て大丈夫だとお伝えしたりすることができます。初診の方でも予約なしで来ていただいて構いません。体の不調を感じながらも「働けるからいいか」と放置している方もいらっしゃるかもしれませんが、不安があれば気軽に相談に来てください。皆さんのお力になれれば幸いです。

