横江 将 院長の独自取材記事
横江歯科医院
(新宿区/西新宿駅)
最終更新日:2026/03/16
西新宿駅1番出口を出てすぐの「横江歯科医院」。横江将院長は、西新宿で30年以上地域医療を支えてきた父母の歴史を引き継ぐ形で2026年に開業した。親子3人で診療にあたり、院長を幼い頃から知る患者が今も変わらず通い続ける同院はシックで清潔感、ゆとりあるバリアフリー設計。同院には受付がなく、歯科医師が直接患者を迎え、治療からメンテナンスまで一貫して担うのが大きな特徴だ。院長は大学病院や訪問診療など多様な現場で研鑽を積み、歯周病を専門に博士号も取得し、治療にあたっている。穏やかで飾らない人柄ながら、大切にしてきた患者を裏切れないと語る言葉には静かな覚悟がにじむ。3人の歯科医師の強みを生かした診療や患者に寄り添う独自のスタイルについて聞いた。
(取材日2026年2月24日)
歯周病治療を新たな強みに、30年以上の歴史を継ぐ
まず、クリニックの成り立ちについて教えてください。

私の両親も歯科医師で、西新宿で30年以上にわたり地域の歯科医療に携わってきました。その歴史を引き継ぐ形で、2026年に私が院長として当院を開業しました。現在も父と母は現役で診療にあたっており、長年通院されている患者さんの健康を変わらず支え続けています。母方の親戚も都内で歯科医院を営んでおり、私は「歯科医師」という職業が身近にある環境で育ちました。患者さんには幼い頃からかわいがっていただき、今も通ってくださる方に「大きくなったね」と声をかけてもらうたび、その温かさに身が引き締まる思いです。こうした患者さんとの心の距離の近さは、父の代からずっと大切にしてきたもの。変わらず、私も同じように患者さんと接していきたいと考えています。
先生ご自身のこれまでの歩みについてお聞かせください。
両親と一緒に働くことは早くから考えていましたが、本格的に始める前にまず視野を広げようと、大学病院や一般歯科、訪問診療、介護老人福祉施設など、さまざまな現場で幅広く歯科診療に携わってきました。特に大学病院での経験を通じて、歯周病治療や精密な根管治療、そしてその土台の上に成り立つ補綴治療の重要性を深く学びました。多くの現場を経て改めて感じたのが、両親の技術力の高さと、時代に合わせて柔軟に変化する姿勢です。大学院で歯周病を専門に選んだのは、家族がそろって補綴を得意とする中であえて異なる分野を深め、チームとしての幅を広げたかったのです。歯周病は全身の健康とも関わりが深く、医学部との共同研究にも取り組みながら博士号を取得しました。
クリニックの環境づくりで工夫された点を教えてください。

当院は西新宿駅の1番出口を出て徒歩0分の場所にあり、新宿駅や都庁前駅からも徒歩圏内。多くの方にとって通いやすい立地かと思います。院内はシックで落ち着いた雰囲気に仕上げ、照明の強さにも気を配りました。長く通ってくださっている高齢の患者さんや車いすの患者さんもいらっしゃるので、ゆとりあるバリアフリー設計にし、診療室も一つ一つ広めに作っています。大きな特徴の一つとして、当院には受付がありません。私たち歯科医師が患者さんを直接お迎えし、治療からメンテナンス、ブラッシング指導まで一貫して対応するスタイルです。
歯周病治療も補綴治療も、個々の強みを生かして診療
歯周病治療では、どのようなことを重視されていますか?

歯周病治療で最も大切にしているのは「土台」です。いくら上物にあたるかぶせ物をきれいに整えるために治療しても、それを支える歯茎や骨が安定していなければ長持ちしません。家に例えるなら、屋根がどんなにきれいでも大黒柱が揺れていたら安心して暮らせないのと同じことです。そのため、歯茎や骨といった歯を支える組織の安定と調和をめざし、噛み合わせのバランスが整った状態に導くことを第一に考えています。さらに、歯周病は全身の健康にも深く関わる分野です。血管疾患やアルツハイマー、誤嚥性肺炎など、さまざまな全身疾患との関連が指摘されています。当院では専門的な歯周病検査ができる環境を整えており、必要に応じて、より精密で高度な歯周外科にも対応しています。
治療の精度や、患者さんへの説明で工夫されていることはありますか?
マイクロスコープを導入し、根管治療や歯周外科、歯の形成など幅広い処置に活用しています。肉眼では見きれない部分を精密に捉えるには、やはりこの機器の力も欠かせません。また、根管治療ではラバーダムというゴムのシートを必ず使用しています。唾液や呼気が治療部位に入るのを防ぐためで、清潔な環境で精密に処置を行うには不可欠です。CTや口腔外バキュームも備えており、説明の際にはエックス線やCTの立体画像、口腔内の写真をお見せしながらお話ししています。マイクロスコープで撮影した治療中の動画をご覧いただくこともあります。歯科治療は何をされているか見えにくいものですから、「見える化」を通じて安心していただきたいと考えています。
ご家族での診療体制ならではの強みについて教えてください。

父と母は一般歯科全般の経験が豊富で、特に補綴治療を得意としています。私はそれに加えて歯周病治療を専門的に学んできましたので、土台となる歯周組織のケアから上物の補綴まで、3人それぞれの強みを生かした包括的な治療が可能です。また、当院ではクリーニングやメンテナンスも歯科医師が行います。日々のケアの中で変化に気づき、必要があれば専門的な対応にすぐつなげられるのは大きな利点です。そしてもう一つ、私たちが大切にしている「チーム」には患者さんご自身も含まれます。歯周病になると一度感染した菌が残り続けるため、食生活や運動習慣などに対する患者さんの意識や、日々のセルフケアが欠かせません。患者さんと対話を重ね、一緒に取り組んでいく姿勢を大切にしています。
患者に寄り添い、ともにゴールをめざす診療を
患者さんとの向き合い方で大切にされていることは何ですか?

治療を行う「歯科医師」であると同時に、歯の健康をサポートする「メンター」のような存在でありたいと思っています。父も母も長年患者さんに寄り添ってきましたし、私もそれが当たり前の環境で育ちました。患者さんとの関係は、行きつけのお店に通う感覚に近いかもしれません。いつもの自分の席があって、好みの飲み物が出てくるような、そんな安心感のある距離感です。何げない世間話で場がなごみ、アットホームな雰囲気のまま診療が進むことも少なくありません。最初に患者さんがめざすゴールを知ることも大切です。どこまで治療したいのか、何を求めているのかを伺い、その目標に向かって一緒に進んでいく。一人ひとりに十分な時間をかけて対話を重ねることが、信頼関係の土台になっていくと信じています。
今後、力を入れていきたいことや展望をお聞かせください。
介護老人福祉施設で訪問診療に携わった経験を生かし、ゆくゆくは訪問診療などにも力を入れていきたいと考えています。西新宿はオフィス街のイメージが強いかもしれませんが、少し歩けば住宅地が広がっていて、長くこの地域で暮らすご高齢の方も多くいらっしゃいます。通院が難しくなったときにお口の健康を守るための体制を整えることは、地域の歯科医院として大切な役割です。父や母の患者さんが年齢を重ねていけば、お口の管理を引き受けるのは私です。歯周病の専門性をそこにも生かしていきたいです。1代が30年だとすれば、2代、3代と続けば100年近くになります。患者さんとそのご家族の健康を長く支えていけるよう、地域に根差した医療を続けていきます。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

お口の健康は、全身の健康や日々の暮らしの充実を支える大切な基盤です。一生涯、ご自身の歯で食べる喜び、噛む喜びを感じていただけるよう、知識と技術、そして温かなおもてなしの気持ちを持って全力でサポートしてまいります。当院では丁寧な検査とわかりやすい説明を通じて、まずお口の現状をしっかりご理解いただくことを大切にしています。ご自身の状態を知ることが、未来の健康を守るための一番の投資だと信じているからです。30年以上にわたって父と母が大切にしてきた患者さんとの絆があるからこそ、その信頼を決して裏切るわけにはいきません。一人ひとりのお気持ちに寄り添い、信頼できる歯科診療をこれからも届けていきたいと思っています。

