植草 啓之 院長の独自取材記事
鶴川脳神経クリニック
(町田市/鶴川駅)
最終更新日:2026/02/26
2026年1月、小田急線・鶴川駅北口から徒歩1分の好立地に開業した「鶴川脳神経クリニック」。院長を務める植草啓之先生は、約20年にわたり大学病院や総合病院で研鑽を積んだ日本脳神経外科学会脳神経外科専門医。同院では脳神経外科、脳神経内科、内科を標榜し、自らの知識と技術を地域に還元している。「あそこにかかっていれば安心だよねと言われたい」と、脳の専門家でありながら幅広い悩みに寄り添うかかりつけ医をめざす植草院長。その穏やかな語り口と、患者が自然と心を開きたくなりそうな温かな人柄が印象的だった。今回は同院で取り組んでいる即日診断・早期治療や、「最初の窓口」をめざす診療姿勢について話を聞いた。
(取材日2026年2月4日)
「一秒でも早く安心を届けたい」という思いで開業
クリニック開業に至った経緯をお聞かせください。

約20年にわたり大学病院や総合病院で脳神経外科の治療に携わってきましたが、頭の病気で不安を感じている方が本当に多いことを実感してきました。頭痛やめまいといった症状は重大な疾患が隠れている可能性もあるため、患者さんの不安は計り知れません。そうした方々の不安を一秒でも早く解消したい、一日でも早く症状を改善したい、その思いから開業を決意しました。わかりやすく、はっきりとした診断をつけるためには専門的な検査機器が不可欠ですので、クリニックとしては重装備なMRIやCTといった機器をそろえています。早期診断・早期治療を実践し、患者さんに安心していただける場所をつくりたかったのです。
鶴川で開業された理由と、どのような患者さんが来院されているか教えてください。
私にとって鶴川は自宅と近く、なじみのある地域でした。この辺りは高齢の方が多いエリアでありながら、脳神経外科のクリニックがあまりないことに気づいていましたので、地域の方に貢献できればという思いで開業しました。実際に来院される患者さんは30代から80代まで幅広く、年齢によって主訴も異なります。30代では頭痛のご相談が多く、50代以上になるとしびれやめまい、70代以上では物忘れを心配されて来られる方が増えてきます。頭の症状だけでなく、脊髄に関連するしびれなども多く、町田から新百合ヶ丘辺りまでの近隣にお住まいの方がほとんどです。
医師をめざされたきっかけと、これまでの歩みについて教えてください。

小さい頃、風邪をひく度に診てくださった小児科のおじいちゃん先生の存在が大きいですね。昔ながらの先生に診てもらうと、とても安心できたんです。その記憶が心のどこかに残っていて、高校生の時に進路を考える中で医学部をめざすことにしました。脳神経外科を選んだのは、脳という小さな臓器が、まひや寝たきりの状態など全身に大きな影響を及ぼすことに興味を持ったからです。ほんの少しの異変が大きな障害につながる一方で、その治療を通して患者さんの人生に深く関われる、そのやりがいに惹かれました。約20年間、大学病院や総合病院で経験を積み、その後クリニックの院長職を経験する中で、認知症の患者さんと向き合う機会が増えました。その経験を生かし、当院では認知症治療にも力を入れています。
MRI・CTによる即日検査と物忘れ専門の外来
どんな診療スタイルを目標にしているか、お聞かせください。

頭の専門クリニックとしての特色と、全身に対応できる「古き良き町医者」という両輪をめざしています。小さな総合病院としての立ち位置といいますか、どこまでできるかわかりませんが、その両方を兼ねていきたいですね。というのも、頭の病気を診ている患者さんが、いつの間にか他の病気で亡くなってしまったという経験があるからです。そういうことは避けたいので、CTで全身の状態も確認できる体制を整えました。最初に行ったクリニックでよくわからず、いろいろ転々として、結局大きな病院にかかった時には大変な状態だった……、そんな話をよく聞きますが、当院に来れば転々としなくて良いよう設備を整えました。「最初に頼れる窓口」として、緊急性がある病気は最短距離で総合病院につなぐ役割を果たしたいと思っています。
診断において大切にされていることはありますか?

基本的に「あるものはある、ないものはない」と白黒つけることを大切にしています。よくわからないけどとりあえずこの薬を出しておくね、という曖昧な診療では、患者さんは不安なまま帰ることになってしまいます。何か病気があるならそれをはっきり伝えた上で「この薬が適していると思うからこれで様子を見ましょう」と説明する。何もなければ安心してもらえるよう何もないと伝える。そのためにMRIとCTを導入し、予約枠とは別に当日枠を設けることで、急な症状にも即日検査で対応できるようにしました。診断までは大学病院や総合病院と同じレベルをめざしつつ、気軽に来ていただける、そんなクリニックでありたいと考えています。
物忘れの治療についてお聞かせください。
当院では、物忘れ専門の外来も受けつけています。私だけでなく、言語聴覚士が詳しい聞き取りや専門的な検査を担当する体制を整えており、物忘れの診察には1時間以上かかることもあるため、診察室も2つ設けました。こうした体制は通常、総合病院にしかないものですが、身近なクリニックで専門的な検査を受けられる場所をつくりたかったのです。認知症の治療は早期発見が非常に重要で、実は認知症がかなり進行してしまうと使えない薬や、前段階のうちに使える薬もあります。ご本人やご家族が「あれ?」と思った段階で来ていただきたいですね。本人はなかなか来院されないことも多いので、ご家族からのご相談も歓迎しています。
「あそこに行けば安心」と頼られる存在をめざして
患者さんとの向き合い方で大切にされていることはありますか?

患者さんの気持ちになって、この方は本当はどうしたいんだろうと考えることを大切にしています。例えば脳梗塞が見つかった場合、通常なら即入院と判断するかもしれませんが、入院したくないという方も多いんですね。大学病院での経験があるからこそ、外来で経過を見られるケースかどうかの判断ができます。医者と患者という関係の前に、まず一人の人間として本当のことを言ってもらえる関係をつくらないと、相談してもらえないし本音もわかりません。「実は入院したくなかったんだよね」と言ってもらえるような雰囲気づくりを心がけています。何でも相談してもらえるようにしないと、適切な治療にはつながりませんから。
今後、地域にとってどのような存在でありたいとお考えですか?
「首から上のことは鶴川脳神経クリニックだよね」と言われる存在に、今すぐにでもなりたいですね。そしてそれだけでなく「とりあえずあそこに行けばなんとかなる」「あそこにかかっていれば安心だよね」と言ってもらえるクリニックをめざしています。そのためには、話しやすくて頼られる雰囲気づくりを日々積み重ねていくしかないのかなと思っています。開業して間もないですが、困っている方が多くいらっしゃることを実感していますし、少しでもお役に立てていることがやりがいにつながっています。地域の皆さんに信頼していただけるよう、一人ひとりの患者さんと誠実に向き合い続けていきたいと考えています。
最後に、読者へメッセージをお願いします。

子どもの頭痛から高齢者の物忘れまで、本当に幅広い年齢層の方に対応しています。認知症に関しては新しい薬が次々と登場しており、日々アップデートされている分野ですので、これまで大学病院でしか対応できなかったことにも取り組んでいます。頭の病気はとにかく早く見つけて早く治療しないと、後遺症が残りやすくなってしまいます。頭痛でもめまいでも、ろれつが回らないでも、何でも良いのでとにかく早く来てほしいですね。具合が悪いから翌日に、ではなく、具合が悪い時こそ来ていただきたいのです。当日枠も設けていますので、待ち時間も少なくなるよう工夫しています。気になる症状があれば、どうぞ気軽にご相談ください。

