吉川 勝広 院長の独自取材記事
よしかわ乳腺クリニック
(高槻市/高槻駅)
最終更新日:2026/01/21
高槻駅から徒歩4分、高槻市駅から徒歩6分の場所に2025年12月に開業した「よしかわ乳腺クリニック」。院長の吉川勝広先生は、薬剤師から乳腺外科医に転身し、病理学の臨床経験や超音波検査の専門的な知識も持つ。アジアンリゾートをイメージしたという院内はヒーリングミュージックが心地良く、ラタンの椅子は、吉川院長が自ら横浜に出向き、座り心地を確認した物。快適な院内環境の整備に力を入れるのは、受診のハードルを下げ、乳がんの早期発見・早期治療につなげたいという想いからだ。「また検診に来ようと思っていただくことが、健康への最大のメリット。乳がんで悲しむ人を減らすお手伝いをしたい」と、穏やかにほほ笑む吉川院長に、開業までの道のりや、注力している乳がん検診について聞いた。
(取材日2025年12月29日)
乳がんで悲しむ人を減らしたい
薬剤師から医師に転身したのは、なぜですか。

最初は薬剤師として薬学研究に従事しようと思い、薬学修士課程に進学したのちに病院薬剤師として勤務していました。さまざまな経験をする中で、医学臨床研究にトライしてみたいという気持ちが強くなり、一念発起して医学部に学士入学したんです。専門を決める際は外科分野を志望し、漠然と消化器外科を考えていました。でも、初期研修で乳腺外科に携わり、非常にやりがいを覚えました。通常、臓器や領域ごとに外科と内科に専門分野が分かれていますが、乳腺外科は、手術だけでなく、初診、検査、診断から薬物治療、放射線治療、術後の管理まで総合的に、すべてのフェーズの患者さんを診られるのを魅力に感じました。中でも薬物治療のウエイトが高く、手術もできて薬剤師の経験も生かせる、まさに天職だと思いましたね。
開業前は、どのような研鑽を積まれましたか。
関西医科大学総合医療センターでは、乳がんだけでなく、乳腺炎など多岐にわたる良性疾患の診察を経験し、かけがえのない財産となりました。その後、大学院で乳がんの病理学的な研究をして、病理診断に関するトレーニングを受けたことも大きいです。エコーやマンモグラフィの画像を見る際に顕微鏡で見たプレパラートのイメージが浮かぶようになり、目に映るものがまったく変わりました。現在も、病理検査では必ず自分でも顕微鏡をのぞくことにこだわります。検査結果の文書を読む際にも違ってくるんですよ。さらに、日本超音波医学会超音波専門医の資格も取得しました。自身の経験の蓄積による診断に加え、超音波の物理的な特徴や機器の専門知識に基づく診断も可能になるため、これまで経験のない疾患でも類推が可能です。
開業への想いをお聞かせください。

早い段階から、最終的には開業すると決めていました。最初は研究のために医師を志しましたが、実際に臨床を経験し、患者さんと会話を交わして診察し、治療を通じて喜んでいただけることにやりがいを感じて、自分に向いているのは地域医療かなと思ったんです。いざ開業を考えたとき、高槻以外の選択肢は思い浮かびませんでした。生まれは南河内ですが、大阪医科薬科大学時代も合わせると、人生の半分くらいは高槻にいる計算になり、なじみの場所です。ほどよく都会で、少し離れると自然もあり、大阪や京都へのアクセスも良く、住民の皆さんが穏やかで、僕の中でトップ・オブ・トップの大好きな街。この地で、乳がんで悲しい思いをする方が1人でも少なくなるようお手伝いをしたいです。
先進の機器で検査の精度を追求し、苦痛も軽減
どのようなクリニックをめざしていますか。

「また来たい」と思っていただけるクリニックです。乳がんは、日本人女性の9人に1人が罹患するといわれている病です。現在は、多くの治療薬が登場し、少し進行しても根治に近い状態をめざせるようになりつつあります。その反面、治療に有用な薬は非常に高価なので、治療しても経済的に困窮するなど「経済毒性」の問題もあります。治癒率を高めるためだけでなく、患者さんの生活のためにも、早期発見・早期治療が重要です。そのためには、特に気になる症状がなくても、定期的に検診を受けていただくたことがポイントとなります。検診を受ける気持ちのハードルを下げるとともに、先進の機器を用いて検査精度を追求して早期発見をめざし、地域の基幹病院とも連携して早期治療につなげていきたいです。
乳がん検査の心理的なハードルを下げる取り組みをお聞かせください。
マンモグラフィ検査は、撮影の際に板で乳房を挟んで圧迫するため、痛みを感じる方もおられます。痛みを軽減するために、通常の乳房圧迫完了後に、厚みが変化しない範囲で圧迫圧を自動減圧する制御システムを搭載した機器を導入しました。そして、その検査を行うのは女性の検査技師です。また、超音波検査は、仰向けになった患者さんの乳房の上をプローブというヘラの形をした機器を動かしながらリアルタイムに診断を行いますが、天井に患者さん用のモニターを設置することにより、画像を一緒にご覧いただきながら安心感を持って検査を受けていただけます。患者さんは不自然に首を曲げてモニターをのぞき込む必要はありませんし、検査する側も、患者さんと共用ではなく自分の正面に設置したモニターを見られるので検査しやすく、一石二鳥なんです。
AIを搭載した超音波検査機器を導入するなど、検査精度向上に注力されていますね。

マンモグラフィなどの静止画で診断する検査は、別々のタイミングで2人の医師が同じ写真を読影できるのでダブルチェックができますが、動画でリアルタイムに診断する超音波検査では、2人の医師が同時に立ち会わない限りダブルチェックはできません。AI搭載超音波装置では、検査中にAIも病変を探し、異常が疑われる部分を発見したら光って教えてくれるので、検査を機械と医師とでダブルチェックすることができ、見落としを防ぐことにつながります。マンモグラフィ検査でも、高精度の3D撮影が可能な機器を備えています。乳房を約1mm間隔で撮影することにより、乳腺を立体的に観察し、2D画像では判別しにくい乳腺の重なりに隠れたしこりの発見につながります。また、血液検査は院内で測定を行っており、腫瘍マーカー等の特殊検査を除き、病院と同じように当日結果をお伝えできます。
早期発見のためにも、気持ち良く受診してほしい
受診しやすいクリニックづくりのために、こだわった点はありますか。

患者さんのスケジュールに合わせて予約できるのは、クリニックのいいところですよね。当院の診療時間は、平日は19時まで、土曜日も13時半までなので、お勤めなどでご多忙な方も受診しやすいのではないでしょうか。快適な空間づくりに力を入れ、パウダースペースにもこだわりました。乳がん検診では、検査着に着替えたりするため、髪が乱れたりお化粧が崩れたりしがち。検査後に身なりを整える場所が充実していたら、また検査にいらしていただけるのではないかと考え、知り合いの美容師さんに相談して、女性に人気の高性能のドライヤーや、3種類の香りの髪と体兼用のオイルをご用意しました。
患者さんと接するときに心がけていることを教えてください。
まずは、患者さんのおっしゃることを否定しないことです。もちろん、医学的に間違っている場合は修正する必要がありますが、「それは間違っています」と、頭ごなしに否定することはしません。患者さんの考えに寄り添い、信頼関係を築いて、こちらの意見を受け入れていただく方向に持っていきます。そして、最も気をつけているのは、ゆっくり話すこと。自分ではスロー再生のように感じるくらいのスピードで話すと、患者さんにはちょうどいいくらいだと考えています。診療時間には限りがあり、特に重要な話をするときには医師も緊張するので、ともすると早口になりがちです。そういうときこそ、意識的にゆっくり話すように気を配ります。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

乳がんは、生活習慣に気をつければ大丈夫というような予防策はなく、誰もが罹患する可能性があります。でも、決して不治の病というわけではありません。早期発見・早期治療で、治療期間や治療費の負担を減らし、根治もめざせます。だからこそ、定期的な検査を受けていただきたい。諸外国に比べ、日本は乳がん検診の受診率が低いといわれているので、検診の重要性をお伝えし、乳がんでつらい思いをする方を減らすことをライフワークにしたいと考えています。気になる症状がある方はもちろん、「乳がんになったらどうしよう」と漠然と不安に思っている方も、ぜひ、いらしてください。
自由診療費用の目安
自由診療とは2Dマンモグラフィのみ/9000円、2Dマンモグラフィ+エコー/1万2000円、3Dマンモグラフィのみ (2Dも同時撮影)/1万円、3Dマンモグラフィ(2Dも同時撮影)+エコー/1万3000円、エコーのみ/7000円

