涙が止まらないのは病気?
「涙道閉塞」に対する涙道内視鏡手術
市ヶ谷駅前いしかわ眼科
(千代田区/市ヶ谷駅)
最終更新日:2026/03/10
- 保険診療
「涙がよく出る」という症状を年齢や体質、生活環境のせいだと考え、仕方がないものとしてそのままにしている方も少なくない。しかし、涙が出る症状にはいくつかの原因があり、状態によっては治療により改善をめざせる場合がある。「市ヶ谷駅前いしかわ眼科」の石川悠院長は、涙目の原因の一つである「涙道閉塞(るいどうへいそく)」の治療経験が豊富なドクターだ。涙道閉塞とは涙の排水路が閉じていて流れず、涙があふれる流涙症を引き起こす病気で、同院では院内に設けた手術室で、涙の通り道を開けるための「涙道内視鏡手術」を行っている。「涙が止まらないのは仕方ないことだと諦めていた方にも、改善をめざせる方法があることを知ってもらいたい」と話す石川院長に、涙目の原因や受診目安、涙道内視鏡手術について詳しく教えてもらった。
(取材日2026年2月19日)
目次
涙目の原因となる涙道閉塞に対する涙道内視鏡手術。日帰り・低侵襲な手術で長年の悩みの解消につなげる
- Q涙が出る症状にはどんな原因がありますか?
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A
▲術前検査から術後のフォローまでしっかりとサポート
ドライアイやアレルギー性結膜炎、目の炎症、まつげやコンタクトレンズの影響などで涙の分泌量が増えることがあります。年齢に伴う機能の低下も涙目の原因の一つです。中でも大きな原因となり、自然にはなかなか解消しないのが、涙道閉塞です。涙道閉塞というのは、涙の排水路が詰まってしまう病気で、通常流れていく涙がたまってあふれる流涙症(りゅうるいしょう)を引き起こします。閉塞する場所によっては目やにに悩まされる方もいます。涙道閉塞になってしまう原因としては、結膜炎などの強い炎症やプールなどの塩素による影響、抗がん剤による影響などが挙げられますが、理由がわからないことのほうが多い病気でもあります。
- Q様子を見ていい場合と受診したほうがいい場合の違いは?
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A
▲症状に合わせて隅々まで検査
重要なのは今ご自身が困っているかどうかです。どうしても検査をしてみないとわからないことが多いため、困っているのなら「こんなことでいいのかな」と思わずにご相談ください。涙がよく出る、涙が止まらない、目やにが出るといった症状を、これが普通だと感じて過ごしている方も多いです。お子さんの場合は、頻繁に目やにが出ている、片目の涙目、片目だけ目やにがたくさん出ているなどの症状は検査を要するケースがあります。親御さんが気になることがあれば受診してください。赤ちゃんの場合、1歳までに治療したほうがいい症状もありますので、早めに来ていただきたいですね。
- Qどのような検査や治療を行いますか?
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A
▲模型を用いて説明することも
まず、涙を染色してたまり具合をスリット顕微鏡で観察します。ドライアイの有無を調べ、アレルギーの有無もチェックします。その後、涙の排水路に水を流す通水検査を行います。閉塞していたら水が通らず、目やにがたまっている方は目やにが帰ってくることも。この通水検査で閉塞部位を予測します。完全に閉塞している方もいれば、狭窄といって涙道が狭くなっている方もいます。閉塞部位があった場合の治療としては、現在手術という方法しか改善は望めませんが、涙道内視鏡による低侵襲な日帰り手術でも対応ができます。また、すべての方に治療が必要なわけではなく、状態によっては経過観察のみで問題ない場合もあります。
- Q涙道内視鏡手術について教えてください。
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A
▲日帰り手術が可能
涙道閉塞に対する涙道内視鏡手術は、涙管にチューブを入れて涙の通り道を設ける手術になり、当院では早ければ10分ほど、閉塞の状態によって30分ほどで手術は終わります。涙点が狭いケースや閉じているケースは切開しますが、基本的には切らずに済む低侵襲な手術です。術後の制約として、当院では術後5時間ほどは眼帯をしていただいています。対象となるのは涙道が閉塞している方ですが、閉塞していなくても涙道が狭く、涙で困っている場合は対象となります。チューブを入れる手術にならなかったとしても、内視鏡で実際に涙道の状態を見られるというのは、この手術の利点でもあります。
- Q院長が涙目の診療で大切にしていることは?
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A
▲涙の知識が豊富な先生
一般的な眼科診療と同様ですが、まずは患者さんから状況を教えていただき、しっかりと検査を行い、病態を理解することです。病態を理解しなければ本当の治療にはつながらないと考えています。また、患者さんに理解してもらうことも大切にしている部分です。丁寧な説明を心がけ、時に検査の画像などで患者さんご自身に今の目の状態を見ていただいて納得してもらい、一緒に相談しながら治療を進めることを重視しています。医師が一方的に「治療を行うこと」そのものよりも、患者さんがご自身の状態を理解して、安心できることを大切にしていきたいと思っています。

