全国のドクター14,192人の想いを取材
クリニック・病院 157,096件の情報を掲載(2026年4月10日現在)

ドクターズ・ファイル会員でできること

予約情報をマイページ上で管理できます!

過去の予約を一覧化

予約内容の確認

予約の変更・キャンセル※

※一部対象外の医療機関もありますので、あらかじめご了承ください

会員登録がお済みでない方は

すでに会員の方は

  1. TOP
  2. 神奈川県
  3. 平塚市
  4. 平塚駅
  5. 在宅・ケア たかたクリニック
  6. 家族の緩和ケアを検討する人へ大切なのはその人らしい「生」

家族の緩和ケアを検討する人へ
大切なのはその人らしい「生」

在宅・ケア たかたクリニック

(平塚市/平塚駅)

最終更新日:2026/02/20

在宅・ケア たかたクリニック 家族の緩和ケアを検討する人へ 大切なのはその人らしい「生」 在宅・ケア たかたクリニック 家族の緩和ケアを検討する人へ 大切なのはその人らしい「生」
  • 保険診療

大切な人が病気と向き合うことになった。不安や恐れ、言葉にできない戸惑いは大きくなるばかり。「何をしてあげれば良いのか」「どう接すれば良いのか」、答えを出すことが難しい問いに、悩み続ける家族も多いことだろう。神奈川県平塚市で「在宅・ケア たかたクリニック」を立ち上げた高田賢院長は、長年の臨床経験と死生学の学びを通じて「どう終えるか」ではなく「どう生きるか」という視点を大切にしている。「緩和ケアは、最期のための医療ではなく、その人らしい時間を支えるためのもの」、これからの時間を前向きに見つめるために、患者の家族が知っておくべき考え方について、高田院長の言葉をまとめてみた。

(取材日2026年1月22日)

迷いながら悩みながらで大丈夫、大切な人の「生」を医療者とともに支えてほしい

Qまずは緩和ケアについて教えてください。
A
在宅・ケア たかたクリニック 「治す」だけでなく、「その人らしく生きる」を支える医療を提供

▲「治す」だけでなく、「その人らしく生きる」を支える医療を提供

病気による痛みや苦しさ、不安を和らげ、その人らしく過ごすための医療・ケア全般のことです。熱があれば解熱剤を使い、吐き気があれば吐き気止めを使う。それと同じように、心や生活がつらいとき、症状に苛まれることなく、その人らしい時間を過ごせるように、症状を軽くするために行われるのが緩和ケアなのです。緩和ケアは、終末期だけに行う特別な医療ではありません。終末期に限らず、治療の初期段階から関わることで、症状だけでなく気持ちの負担軽減もめざしていきます。病気に振り回されず、前向きに生きる時間を支えるための医療だと認識していただくのが正しいように思います。

Q大切な人の死と向き合うのが怖いです。
A
在宅・ケア たかたクリニック 「どう生きるか」をともに考える高田院長

▲「どう生きるか」をともに考える高田院長

死は誰もが怖いですし、もしかしたら大切な人の死は自分の死以上に怖いものかもしれません。ただ、その方がこれまであなたに与えてくれた影響や、ともに過ごした時間は、死によって消えるものではありません。その方がどのようなことをしてくれ、どんな影響を与えてくれたから、大切な人となったのか、改めて思い出していただきたいのです。病気はその人の一部であって、すべてではありません。今見えているつらそうな姿が、これまでのその方を否定するものでは決してないのです。悲しむ自分の気持ちも大切ですが、それは今最優先されるものでしょうか。今その方にとって何が一番幸せなのかを考える視点も、同時に持っていただけたらと思います。

Q生死について、高田先生はどのように考えていますか?
A
在宅・ケア たかたクリニック 通院が困難な人でも気軽に診療を受けることができる

▲通院が困難な人でも気軽に診療を受けることができる

私自身も、大切な人を失うなど大きな悲嘆を前に冷静でいられる自信はありません。しかし、大切な家族が今まで与えてくれた良い影響が、死をきっかけに悪い感情に切り替わるようなことはありません。私は「どう終えるか」よりも「どう生きたか」が大切だと考えています。大切な人を失っても、その人が残してくれた思い出や価値観は自分の中で生き続けます。思い返すたびに、新しい気づきを与えてくれることもあるでしょう。亡くなった後もその人は影響を与え続ける。そう考えると、生と死は完全に分断されたものではなく、つながっていると思えるのです。「あの世なんてそう遠くなく、ほんの扉の向こうくらいのイメージ」と感じることもあります。

Q家族が病気になったら、どのように向き合っていくべきですか?
A
在宅・ケア たかたクリニック ゆっくり時間を使って、患者に寄り添う診療を心がける

▲ゆっくり時間を使って、患者に寄り添う診療を心がける

病気だけに目を向けてしまうと、その人の尊厳が失われてしまうことがあると感じます。病気になっても人の本質は変わりません。たとえ認知症などの病気によって言動が変わったとしても、それはその人の尊厳を否定するものではないのです。悲しんでいるのは誰なのか、本人なのか、それを見ている自分なのか。立ち止まって考えてみてください。患者さんご本人は、その人なりに今を生きています。人生のステージが変わっただけと見方を切り替え、まずはその姿をそのまま受け止めることが、向き合う第一歩なのではないでしょうか。病気でできないことが増えると、ぶつかることもあるでしょう。しかしそれも、その人の尊厳を尊重するからこそなのです。

Q不安を感じるときは、どのように対処すると良いでしょうか?
A
在宅・ケア たかたクリニック チーム医療を実施。スタッフと連携し患者をサポート

▲チーム医療を実施。スタッフと連携し患者をサポート

初めて出会う困難に、誰もが不安や戸惑いを感じることと思います。とことん向き合い、一人で抱え込んで自己昇華する方法もありますが、吐き出すことも大事です。特に医療や看護に関することは専門職に頼ってください。医師に言いづらければ看護師やスタッフなど、話しやすい相手を見つけてみてはいかがでしょうか。在宅医療において看護師は、時に医師を超える知識と経験を持っていることもあります。また、同じような悩みを持つ患者さんやご家族に、これまでたくさん接してきました。状況を共有することで、問題の本質が軽くなることもあるでしょう。一人で抱え込まず、心情を吐露する機会を持つことが、良い結果を招くように感じています。

ドクターからのメッセージ

高田 賢院長

病気や死に直面すると、人はどうしても「失うこと」にばかり目が向きがちです。しかし、そこには確かに「生きてきた時間」があることを、忘れてはなりません。病に苛まれ、死に向かう姿が、その人のすべてではないのです。緩和ケアは、その人らしい「生」の時間を大切にするための医療です。時にその方の物語、「人生」のほうが「生命」を守ることより優先されることもあるでしょう。医学的な正しさだけが正解ではないかもしれません。完璧に向き合おうとしなくて大丈夫です。迷いながら、悩みながらで構いません。困ったときは私たち医療者を頼ってください。ご家族の皆さん同様に、私たちも患者さんご本人の「人生」を大切に思っています。