大久保 恒希 院長の独自取材記事
あけぼの橋内科・内視鏡内科
(新宿区/曙橋駅)
最終更新日:2026/01/15
曙橋駅から徒歩1分、スーパーマーケットが入るビルの3階に2025年開業の「あけぼの橋内科・内視鏡内科」はある。紺色をアクセントに木目を生かしたシックな院内は、広々としたバリアフリー設計だ。院長の大久保恒希先生は、慶應義塾大学病院や国立国際医療センターなどで内視鏡診断・治療の研鑽を積んだスペシャリスト。総合病院で内視鏡チームを一から編成した経験も持つ。「ここは安心を提供する場」と語る大久保院長の原動力は、父を胃がんで亡くした経験と恩師への憧れ。フランクで話しやすい人柄ながら、大腸がんで苦しむ人を減らしたいと熱く語る姿が印象的な大久保院長に開業の経緯や内視鏡検査へのこだわりを聞いた。
(取材日2025年12月15日)
恩師への憧れと父への思いを胸に内視鏡の道へ
まずは、こちらで開業された経緯をお聞かせください。

私自身がこの近隣に住んでおりまして、家族や自分のクリニック探しで苦労した経験があるんです。近くには病院がありますが、気軽にかかれるクリニックがとても少ないと感じたのです。ちょっとした不調でいきなり病院に行くのはハードルが高いと感じる方も多いのではないでしょうか。自分自身が困った経験を生かして、同じように悩んでいる地域の方々に医療を届けたい。その思いが開業を決意した一番の理由でした。曙橋駅から徒歩1分、スーパーマーケットが入るビルの3階という立地も、日常の延長線上で通っていただけるようにと考えて選んだ場所です。
内視鏡を専門に選ばれたきっかけを教えてください。
大きなきっかけは、初期研修で出会った恩師の存在です。荻窪病院で勤務していた時、消化器内科のスペシャリストである林量司先生に出会いました。高度な技術や知識をお持ちなのはもちろん、人間味あふれるお人柄に魅了されました。「林先生のようになりたい」という憧れが、内視鏡を専門に選んだ原点でした。もう一つ、私は父を胃がんで亡くしています。病院嫌いだった父が検査を受けた時には、すでに手の施しようのない状態でした。もっと早く検査を受けていれば、という思いがずっと心にあります。なので、内視鏡検査の重要性を広く伝え、消化器がんで苦しむ方を一人でも減らしたい。この使命感も私の原動力となっています。
これまでどのような経験を積んでこられたのですか。

慶應義塾大学病院からキャリアをスタートし、国立国際医療研究センター国府台病院では内視鏡技術の基礎をしっかりとたたき込んでいただきました。再度、荻窪病院で林先生のもとで、研鑽を積んだ後に新百合ヶ丘総合病院で内視鏡チームを一から編成したり、新設された令和あらかわ病院で消化器内科を立ち上げたりと、ゼロから形をつくる経験を重ねました。早期がんを電気メスで切除するESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)や、胆管・膵管の状態を確認するERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)といった高度な手技も習得しました。開業医では使う機会が少ない技術もありますが、その経験があるからこそ「このポリープはクリニックで対応できるか、それとも病院に紹介すべきか」を的確に判断できます。総合病院時代に築いた人脈が、迅速な紹介体制を支えています。
内視鏡と超音波で消化器をトータルケア
こちらで受ける内視鏡検査の特徴を教えてください。

当院では胃カメラと大腸カメラの検査を当日に両方受けていただくことが可能で、ポリープが見つかればその場で切除できます。大腸カメラ検査を受ける前に飲む必要のある下剤を院内で服用することもできますし、ご希望に応じて鎮静剤を使用するなど、リラックスして検査を終えられるよう配慮しています。また、胃カメラ検査では、経鼻内視鏡と鎮静剤を組み合わせる点が当院ならではの工夫かもしれません。大腸カメラ検査では「軸保持短縮法」という腸への負担が少ない挿入技術を駆使し、炭酸ガスを使用することで検査後のおなかの張りも素早く解消できるよう配慮しています。診断にはAIも導入していますが、あくまで補助役。多くの症例を診てきた目でしっかりと見極めることを大切にしています。
おなかの不調を訴える患者さんには、どのような検査を行いますか。
当院には、超音波専門のスタッフが常駐しており、超音波検査をすぐに受けていただける体制を整えています。「胃が痛い」と訴える患者さんでも、実際には胆嚢や膵臓に原因があることも少なくありません。おなかの痛みは漠然としていて、ご本人でも場所を特定しにくいものなんです。超音波検査は体への負担が少なく被ばくの心配もありませんから、まずこの検査で肝臓や胆嚢、膵臓の状態を確認し、内視鏡検査と組み合わせることで消化管の内部もしっかり調べられます。内視鏡と超音波という2つの検査で、漠然としたおなかの不調の原因を探る。この「消化器のトータルケア」ができることが当院の大きな強みだと考えています。そのほか、風邪など日常的な不調や健康診断後のご相談にも対応しています。
患者さんへの対応で心がけていることはありますか。

クリニックにいらっしゃる方は何かしら体の不調を感じ、どこかしらに不安を抱えています。ハッピーな気持ちで来院される方はほとんどいませんから、優しい声かけや丁寧な説明を心がけています。「こういった可能性があります」とお話しした上で、どんな検査をするのか、どのような治療に進むのかをしっかりお伝えします。「ここは安心を提供する場」でありたいと常に思っています。スタッフたちも同じ気持ちで患者さんに向き合ってくれていて、つらそうな方がいれば自主的に寄り添い、声をかけています。仲間が困っているときには手を差し伸べ、患者さんがお困りのときにはみんなで協力して支える。そういう温かいチームができあがっていると感じています。
大腸がん予防のために。40歳を過ぎたら検査を
大腸がんの予防について、先生の考えをお聞かせください。

日本人の2人に1人ががんと診断され、3人に1人ががんで亡くなる時代。その中でも大腸がんは男女ともに増えているがんですが、実は予防できるがんでもあります。大腸がんの多くはポリープから発生しますから、早い段階でポリープを見つけて切除していけば、理論的には大腸がんをなくせるのですね。「便潜血で引っかかったことがないから大丈夫」とおっしゃる方もいますが、それは大間違いです。便潜血が陽性になる頃にはがんが進行している可能性がありますし、ある程度の段階でも便潜血では見つけられないことが多々あります。胃がんはピロリ菌除菌の普及で減少傾向にあるので、次は大腸がんをなくしていきたいと強く思っています。
今後の展望についてお聞かせください。
一番の目標は、地域に根づいてさまざまな患者さんに頼っていただけるクリニックになることです。そして内視鏡の専門家として、大腸がんで亡くなる方をゼロにする未来に少しでも貢献したいと考えています。患者さんから「今までで一番つらくなかった」と言っていただけたら、内視鏡検査をやってきて本当に良かったと感じるでしょう。父のように病院嫌いで検査を敬遠してしまう方が、少しでも気軽に検査を受けられるよう、つらさを取り除くことに全力を注いできました。内視鏡はとても奥が深い分野で、「もっと良い方法があるのではないか」と今でも日々模索しています。患者さんからの感謝の言葉に支えられながら、これからも探求を続けていきたいですね。
最後に、読者へメッセージをお願いします。

ポリープを早期に取り除くことで、将来の大腸がんを防ぐこともめざせる時代になりました。これをやらない理由はないと私は思っています。何かしら不調を感じている方はもちろん、症状がなくても40歳を過ぎたら一度大腸カメラ検査を受けてみてください。欧米では40歳頃から大腸カメラ検査を受けるのが一般的になっていますが、日本ではまだ便潜血検査で引っかかってから受ける方が多いのが現状です。便潜血で拾い上げる段階では遅いことも十分あり得ます。だからこそ、積極的に検査を受けていただきたいのです。大腸がんで苦しむ方がいなくなる未来をめざして、当院は皆さんの健康を全力でサポートしてまいります。安心してご相談いただければうれしいです。

