手島 敬介 院長の独自取材記事
東広島てっしーデンタルクリニック
(東広島市/東広島駅)
最終更新日:2026/02/13
東広島市・西条の中心部からほど近くにある「東広島てっしーデンタルクリニック」。手島敬介院長は2013年に広島大学歯学部を卒業後、県立広島病院を経て広島市内の歯科クリニックに約10年間勤務。「人を助ける仕事がしたい」という想いを原点に、地元への恩返しとして西条町に開業した。さまざまな講習会に参加し日々研鑽を重ねているが、穏やかに謙遜する、物腰のやわらかい人物だ。診察においては、模型や自作の資料を用いながら、患者一人ひとりにわかりやすく説明。10年後20年後も自分の歯で食べられる口腔環境づくりを見据えた診療を行っている。子どもが好きだという手島院長に、クリニックづくりへのこだわりと患者への想いを尋ねた。
(取材日2025年12月3日)
誰もが通いたくなるクリニックとして
ご経歴と開業の経緯を教えてください。

2013年に広島大学の歯学部を卒業し、県立広島病院で2年学んだ後、広島市内の歯科クリニックに10年勤めてから開業しました。歯科医師をめざしたのは「人を助けることを仕事にしたい」と思ったのがきっかけです。地元である東広島に恩返しがしたいと考え、ここで開業しました。ご家族で通えるクリニックをめざして設立しています。
院内の造りでこだわった点はありますか?
院内は、子どもと大人で動線を分けています。こちら側は大人中心、あちら側は子ども中心で騒いだとしても大人側へ聞こえにくい、という造りです。キッズスペースやファミリールーム、お子さん用のお手洗いもあり、お子さんを連れてこられた方も安心できるようにしています。子どもが遊んで待てるスペースの隣に診察台を設けてあるので、お父さんお母さんが治療中でも壁越しに子どもの声が聞こえたり、気配がわかったりして安心して治療を受けられる環境にしています。平日の午前中は保育士さんが常駐していて、お母さんの治療中にお預かりすることもできます。産前産後は歯の不調が出やすいため、時間を合わせてぜひ活用していただきたいですね。
子どもが治療を受けやすいように工夫していることはありますか?

小さい子からお父さんお母さんまで来られることを大切にしていて、年齢を問わず幅広い世代の方に来ていただいています。病院は「静かにしなさい」と言われがちだと思うんですが、それが昔はすごく嫌だったんです。僕自身、子どもの頃は歯科医院が苦手でしたし、子どもは大抵そうだと思うんです。3~4歳で治療ができないのは自然なことなんです。ただ、歯科医院を嫌いにならなければ、6歳頃になったらほとんどの子は治療できるようになります。そのため「歯医者はちょっと楽しい所かもしれない」と思えることが大切なんです。当院では、キッズルームでごっこ遊びをしながら歯ブラシをしてみて、自分でできるようになったら「隣のお部屋に行ってみる?」と声をかけるようにしています。そこから自分で診察室に入って、自分で診療台に登って、自分で口を開ける。そういった流れを大切にしています。
患者一人ひとりに合った治療を考え抜く姿勢
治療の際に心がけていることは何ですか?

歯の治療にとらわれるのではなく、その人を見なければいけないと思っています。例えば歯の治療だけを考えた場合、正解は一つしかなく、「歯を抜くべき」という状況はあります。ただ、患者さんには「抜きたくない理由」があると思います。仕事が忙しい、子育てがあるなど、人生観や社会的背景も影響してきます。そのためきちんと説明し、その人に合わせた治療の進め方を一緒に決めていきます。僕たちが提供している地域医療は、歯が痛い時だけ通ってもらう医療ではなく、一生きちんとご飯を食べられるように支えるための医療であることが大切です。だからこそ、生活習慣も含めて話をして、10年20年後どうなっていきたいかというところまで一緒に考えたいと思っています。
治療方針を教えてください。
虫歯の治療は、一度削ると虫歯の進行が進みやすくなるんです。そのため、なるべく削らず、削らなくても済むように予防することが大切です。虫歯は一気に進行するわけではなく、最初は歯の表面のエナメル質が白く濁った感じになるんですが、これは削るべきではないと考えています。エナメル質は体の中で一番強い組織で、骨より硬く、白く濁ったくらいの虫歯なら戻ってくる可能性があります。一方で、エナメル質を突き抜けて中までいくと元に戻る機能がないため、そこからが削る治療になります。さらに進むと神経までいき、痛みがひどくなり、神経を取る必要が出てくるんです。しかし、神経を取ると歯の寿命は短くなるので、できるだけ神経を取らない治療を心がけています。
治療の痛みには、どのような配慮をされていますか?

歯科で感じる痛みには、削る・注射をするといったときの肉体的な痛みだけでなく、心理的な痛みもあります。何をされるかわからない、削られるかもしれない、抜かれるかもしれない、という怖さが一番大きいと思います。そのため、最初に図や絵を使ってわかりやすく説明し、治療のゴールをお伝えするようにしています。治療中も説明しながら進めるので、患者さんは自分が何をされているのかがわかれば安心できると思うんです。実際に感じる痛みについては、和らげるために麻酔はできるけど、その麻酔注射が痛い。そこで、表面麻酔を使って針が刺さる痛みの軽減に努めています。注射の痛みに関係するので、麻酔液の温度管理も欠かせません。電動の麻酔器を使うと、ゆっくり圧が加わり痛みが弱くなるので活用しています。
地域住民とともに歩む「これから」
衛生管理について、スタッフにはどのように教育をされていますか?

患者さん自身の安全管理を含め、院内の滅菌をはじめとする衛生管理については、最近の歯科医院がやっていることはすべてやっています。またスタッフさんには「自分で考え、自分で行動できる人」になってもらいたいと思っているので、フィードバックをしながらブラッシュアップしていくスタンスです。例えば歯科衛生士さんには「自分がこの病院に通いたいと思える衛生管理」を考えながら、日々患者さんと向き合うように伝えています。
「赤ちゃん歯科」とは、どんな取り組みですか?
実は、口の発育は歯が生えていない0歳児の頃から始まるんです。例えば、おっぱいを浅くくわえると口周りの発達が弱くなることがあり、寝返り・うつ伏せ・仰向け・首据わりといった発達の段階で、体幹をしっかり育てることが飲み込む力につながるんです。そのため、赤ちゃんを迎える準備として、妊娠中に離乳食や抱っこの仕方、おっぱいのあげ方を知ってもらうと、生まれてきた子は年を取ってからも自分の歯で食べられる力をつけやすくなります。そこで、当院では管理栄養士を常勤にして、発達発育に応じた離乳食のあげ方をお伝えしています。
今後の展望や目標を教えてください。

当院の理念は「東広島に笑顔を増やす」です。笑顔になってほしいのは、治療に来てくださる患者さんだけではありません。ここで働くスタッフも含めて、このクリニックに関わるすべての人が、自然と笑顔になれる場所でありたいと思っています。また、診療以外の部分でも、地域の方と関われる機会をつくれたらいいなと思っており、歯科医院の仕事を遊びながら学べる体験会や、夏祭りのようなイベントを考えています。そういった場があれば、歯科医院をもっと身近に感じてもらえると思います。この場所で、地域に根差して末永く続けていくことが今の一番の目標です。

