木村 健二郎 院長の独自取材記事
きむら内科・外科、膵臓クリニック
(大阪市阿倍野区/西田辺駅)
最終更新日:2026/02/24
大阪メトロ御堂筋線・西田辺駅から徒歩1分、駅前のビル1階に「きむら内科・外科、膵臓クリニック」はある。院長の木村健二郎先生は大阪市立大学を卒業後、大学病院で15年間にわたり肝臓がんや膵臓がんなどの手術に携わってきた肝臓・胆のう・膵臓外科のスペシャリストだ。子育てする自分を支えてくれた地域に医療で恩返しをしたいとの思いから、2025年に開業を決意。天井が高く自然光が差し込む院内には、黄色のアクセントがやわらかな印象を添え、いい意味で病院らしさを感じさせない。「患者さんのためにできることをする姿勢は、場所が変わっても同じです」と穏やかに語る木村院長に、専門の肝胆膵疾患の検査や健康寿命の延伸への思い、診療で大切にしていることなどを聞いた。
(取材日2026年1月29日)
大学病院で得た経験や専門的医療で、地域に恩返しを
こちらで開業された経緯を教えてください。

結婚を機にこの土地に移り住んで18年になります。子どもを育てながら地域の方々に支えられてきたという思いが強くあり、何か恩返しができないかとずっと考えていました。自分にできることといえば医療ですから、この地域で開業することで貢献したいと思ったのです。これまで大学病院では15年間、肝胆膵外科の医師として前線で診療に携わってきましたが、組織というのは循環していくことで活性化されるものだと考えていて、自分の立場を後輩にバトンタッチする時期が来たと感じていました。そんなタイミングでさまざまな縁が重なり、西田辺という愛着のある土地での開業が実現したのです。駅から徒歩1分という好立地で、地域の皆さんに気軽に足を運んでいただける場所にクリニックを構えることができました。
大学病院ではどのようなご経験を積まれたのでしょうか。
大学病院では肝臓がんや胆道がん、膵臓がんといった難治性のがんを専門に診てきました。こうした疾患は手術できる医師が限られる一方で、手術によって治癒が期待できる方もいらっしゃいます。大学病院には、患者さんが大きな期待を持って来られますので、その思いに応えるべく全力を尽くしてきました。また、大学病院には診療だけでなく、医学生や若手医師を育てる教育、そして研究という3本柱があります。後進を指導しながら自らも学び続ける日々は、非常にやりがいのある時間でした。専門に特化しているからこそできる医療があり、15年間その環境に身を置けたことは自分の中でも誇りですし、今も感謝の気持ちでいっぱいです。
クリニックの理念と院内の特徴についてお聞かせください。

社会の超高齢化が進む中で、元気に歩いて笑顔で暮らすご高齢の方を増やしていくことが大切だと考えています。病気を治すことはもちろん大事ですが、健康な方を健康なまま維持することも同じくらい重要です。手術を中心に行ってきた大学病院という場所を離れても、患者さんのためにできることをするという姿勢自体は何も変わりません。これからも患者さんに寄り添う医療を続けていきたいと思っています。院内は高い天井を生かして自然光が差し込む明るい空間にしました。黄色のアクセントを取り入れ、いわゆる病院らしさを感じさせないやわらかな雰囲気を意識しています。「病院は怖い」というイメージを払拭し、気軽に相談できる場所でありたいという思いを込めました。
専門の肝胆膵から発熱症状を診る外来まで幅広く対応
ご専門の肝臓・膵臓の検査について教えてください。

当院では超音波検査を用いて膵臓や肝臓の状態を詳しく確認しています。膵臓がんの兆候をはじめ、脂肪肝や慢性肝炎、胆嚢結石症など、さまざまな疾患の発見につなげることができます。さらに異常な影が見られる場合には造影超音波検査で、より精密な診断を行います。造影超音波検査はクリニックレベルで実施しているところが少なく、通常は大きな病院でないと受けられないことが多いのですが、当院では紹介状なしで検査を受けていただけます。健康診断で肝臓や膵臓の数値が気になると言われた方、あるいは「どこで相談すればいいかわからない」という方にこそ、ハードルの低い、気軽に相談していただける場所でありたいと考えています。
発熱症状を診る外来についてもお伺いできますか?
発熱症状を扱う外来では子どもから大人まで幅広く対応しています。地域の小児科はどこも混雑していて予約が取りにくいという声をよく耳にしますが、体調が悪くなるのは当日急にということも多いですよね。そうした急な発熱や感染症の症状がある方のために、予約なしでも受診できる体制を整えています。院内では一般の診察室と発熱症状を診る外来の動線を完全に分け、発熱患者さん専用の待合室と診察室を設けることで感染症対策にも配慮しました。インフルエンザや新型コロナウイルスなどの検査を迅速に行える機器も導入しています。検査の結果、より専門的な治療や精密検査が必要となった場合、適切な医療機関へ紹介することも地域の開業医としての役目だと考えています。
ほかに力を入れている診療はありますか?

高齢化がますます進展していくことを見据え、骨粗しょう症の検査と物忘れに特化した外来にも力を入れています。骨密度検査ではDEXA法という精度の高い方法を採用し、腰椎と大腿骨の2ヵ所で測定を行っています。骨粗しょう症による骨折は寝たきりにつながり、それが認知機能の低下を招くこともありますので、早期発見と予防が健康寿命を延ばす鍵になると考えています。また、私は認知症サポート医としての専門知識をベースに、物忘れが気になる方には簡単なテストを実施しています。その結果をもとにクリニックで経過を見ていくべきか、専門病院での診察が必要かを判断し、適切な対応につなげています。認知症への不安を抱える方が相談しやすい環境づくりを心がけています。
会話を大切に、地域で頼られる存在へ
患者さんと接する際に大切にしていることはありますか?

きちんと相手の目を見て話すことを何より大切にしています。患者さんの訴えをしっかり聞き、それに対する助言や治療方針を目と目を合わせてお伝えする。一方的に説明するのではなく、会話のキャッチボールを重ねながら安心して治療を進めていける関係を築きたいと考えています。大学病院で難しい手術を担当していた頃から、この姿勢は変わりません。患者さんのためにできることをする、それは場所や診療内容が変わっても同じです。当院は内科・外科にとらわれない総合的な診療を行っていますので、どこに相談すればいいかわからないという症状でも、まずはお話を聞かせていただければと思います。
今後、どのようなクリニックをめざしていきたいですか?
まだ開業して間もないですが、まずは地域の皆さんに認知されて、何かあったときに頼りにしてもらえるクリニックになることが目標です。また、膵臓や肝臓は自覚症状が出にくい臓器ですので、その重要性を知っていただく啓発活動にも取り組んでいきたいと考えています。SNSやメディアを通じた情報発信はもちろん、将来的には地域の方をクリニックにお招きして講演会のようなことができればとも思っています。肝胆膵疾患は早期発見が何より大切ですから、ちょっとした不安でも気軽に相談していいんだという雰囲気をこの地域に根づかせていきたいですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

当院は「膵臓クリニック」という名前を掲げているとおり、膵臓が心配な方にぜひ頼っていただきたいと考えています。健康診断で数値を指摘された方、ご家族に膵臓の病気をされた方がいて不安を感じている方など、地域にお住まいの方だけでなく少し遠方からでも足を運んでいただければたいへん励みになります。大学病院で培った専門知識と経験を生かしながら、いつでも来られる身近なクリニックとして皆さんの健康寿命を延ばすお手伝いをしていきたいと思っています。お子さんの急な発熱から高齢のご家族の健康管理まで幅広くサポートいたしますので、些細なことでも気になることがあればどうぞご相談ください。

