眞鍋 博明 院長の独自取材記事
まなべ脳・脊椎クリニック
(岡山市東区/大多羅駅)
最終更新日:2026/01/07
2025年10月、岡山市東区益野町にオープンした「まなべ脳・脊椎クリニック」。頭痛やめまい、身体のしびれ、物忘れ、骨粗しょう症など、脳や脊椎に関連するさまざまな症状に対応するクリニックだ。スタイリッシュな外観が印象的な同院の内部は、清潔感のあるホワイトを基調に落ち着いた雰囲気を醸し出している。院長の眞鍋博明(まなべ・ひろあき)先生は、日本脳神経外科学会脳神経外科専門医として大学病院などの大規模病院で脳や脊椎の手術を数多く経験。さらに日本ペインクリニック学会ペインクリニック専門医としてさまざまな痛みの軽減にも力を注いでいる。MRI検査機による迅速な検査と、必要に応じた高度医療機関との連携によって、適切な医療を地域に提供したいという眞鍋院長に話を聞いた。
(取材日2025年11月19日)
脳と脊椎を中心とする幅広い症状に対応
まず、開業した理由をお聞かせください。

これまで私は、脳神経外科と脊椎外科を専門分野として、大学病院をはじめとする大規模病院で脳や脊椎の手術を数多く行ってきました。そのための検査に不可欠なのがMRIですが、導入しているクリニックはまだ少なく、MRIのある病院を紹介してもらったりしている間に検査が遅れてしまうケースも少なくありませんでした。また、私はこれまで手術をメインにやってきましたが、自分も高齢になればいずれは後輩にその道を譲ることになるでしょう。そうなる前に自分自身がMRIを導入したクリニックを開設することで、検査が必要な地域の患者さんと手術を行う病院との橋渡し的な存在になりたいと思ったのが、開業の理由です。実際にそう思い立ってから開業するまで5年間かかりましたが、その間多くの方にサポートしていただき、やっと実現できました。そういった経験を通して、周囲の人に感謝する気持ちが強くなりましたね。
開業にあたりこの場所を選んだ理由を教えてください。
まず自分が岡山大学出身で地の利があり、近隣に先輩や後輩がたくさんいるのが大きな要因です。立地も良く、近隣に同業のクリニックがごく少ないことも理由の一つでした。また、近くに私が開業する前に勤務していた岡村一心堂病院があり、開業後も連携させていただいています。例えば脊柱管狭窄症や圧迫骨折など、大がかりな設備が必要ない手術は、当院の休診日にそちらの病院で私が手術を行います。他の病院に紹介した場合、先生によって治療方針が異なったりすると患者さんが不安を感じることがありますので、その点自分が手術をしてその後の経過も診ていけば、患者さんにも安心していただけることと思います。
どのような患者さんがいらっしゃいますか?

まだ開院してから日が浅いこともあり、現在はクチコミなどで当院の存在を知ったという近隣の方が大半です。年齢層はある程度二極化していて、脊柱管狭窄症や骨粗しょう症による圧迫骨折など脊椎に関連した病気の方は高齢者に多く、一方で頭痛やめまいといった症状は若い方に多いです。いずれにしても、頭痛やめまい、首や背中の痛み、手足のしびれ、物忘れなど、脳や脊椎に原因があるかもしれないと思われる症状が続くときは、そのままにせず早めに受診してほしいですね。当院で必要だと判断した場合、早ければ即日MRI検査が可能です。それで異常がなければ安心していただけますし、何かあればすぐに適切な対応を取ることができますから。
骨粗しょう症の予防と検査にも力を入れる
クリニックとしての理念を教えてください。

患者さんにとって、快適に過ごせるクリニックでありたいと思っています。待ち時間が長いとか、処置が痛いというようなことがあれば、極力改善するように努力します。患者さんにとって何でも気軽に相談できる、困ったらとりあえず相談に行ってみようと思ってくれるような場所でありたいですね。そして、診療の理念にしているのは、適切な治療と十分な情報を提供することです。過剰な医療の提供を避けることはもちろん、必要にして十分な医療の実現をめざしたいと思っています。診察や検査の結果、自分のところでは治療が難しい症状であれば、速やかに適切な医療機関をご紹介いたします。その場合も、自分の経験上どこの病院のどの先生がどんな病気を得意としているか、といった情報も持っていますので、安心して任せていただけたらと思います。
診療における特徴はやはりMRIの導入でしょうか。
そうですね。以前はMRIというと最後の手段のようなイメージもありましたが、最近では目的によって最初からMRIで検査することも増えています。放射能被ばくもありませんし、手軽とまでは言えないかもしれませんが、画像からわかることがたくさんあります。MRIでなければ診断できない病気も多く、原因がわからないまま様子を見たりするよりも、早く診断して治療を始めることができるので、患者さんの満足度も高いものになるはずです。検査のために大きな病院を紹介するとなると紹介状や初診料などの費用もかかりますし、場合によっては検査まで1ヵ月待ちというようなこともあり得ますから。もちろん当院のMRIの機械自体も、大学病院などで使われているような性能の良いものを選んでいます。
MRI検査は診断を早く行うことだけでなく、患者さんの利便性などさまざまな面で役立っているんですね。

MRIでは脳だけでなく脊椎の検査もできますから、現在の日本のような超高齢社会において活用できる機会は今後も増えていくと思います。MRIの他にも、エックス線検査機はもちろん、DEXAという世界で標準的に用いられている骨密度測定装置なども完備しています。骨密度検査は自治体や企業の定期健診の項目には含まれていないこともあり、女性の半数以上が80歳頃には骨粗しょう症になってしまいます。そうならないためには、若いうちに予防を始めることが大切です。特に閉経後は骨量の減少が加速しますから、50代頃には骨密度を調べてみることをお勧めします。今後はこちらからもそういったことをお知らせする活動もしていかないといけないなと思っています。
エコーを活用したブロック注射で痛みを軽減へ
ペインクリニックも専門分野だとお聞きしました。

ペインクリニックは麻酔科に関連した専門領域で、私は以前勤務していた病院の麻酔科の先生の指導を仰ぎ、ペインクリニック専門医の資格を取得しました。この分野では、エコーを活用したブロック注射に力を入れています。痛みの原因となる神経や組織をエコー画像で確認しながら麻酔薬や鎮痛薬を注射することで、主に首や背中などの痛みやしびれの軽減を図ります。他にも痛みを和らげるための治療として、これも岡村一心堂病院で行うのですが、圧迫骨折でつぶれた背骨の内部に骨セメントを注入して整復を図る、経皮的椎体形成術(BKP)という治療も実施しています。
先生が医師をめざされた理由を教えてください。
私の学生時代はちょうどバブルの終わり頃で、バイオベンチャー企業の設立ラッシュがあったかと思えば、その後のバブル崩壊によって多くの企業が消えていきました。その経験から景気に左右される職業は怖いなと思いました。自分は理系で自然科学に興味があったこともあり、いつの時代のどの国にもあり絶対に必要な職業に就きたいと考え、医師を選びました。専門分野として脳と脊椎を選んだのは、人間にとって脳が特別な存在の臓器だからです。そして脳と脊椎とは密接に結びついていて、両方の知識が必要な病気もあります。そのことから、脳と脊椎の両方に対応できる医師になろうと考えました。
最後に、読者に向けたメッセージをお願いします。

皆さん体の具合が悪いと、不安になりますよね。それをそのまま抱え込んで我慢せずに、気軽に相談してほしいと思います。現在はAIなどもあって、何でも聞けば答えてくれますが、AIは診察や検査はしてくれません。「こんな病気かもしれません、こういう疾患もあります」と答えられると、かえって不安になってしまいますよね。現代社会は、あまりにも情報があふれすぎて、それに振り回されてしまいがちです。そんなとき、あれこれ悩まずに当院を受診していただき、必要があれば検査をすることで、そういった不安を解消することにつながるでしょう。そのためのMRIなのですが、言ってしまえばそれ自体は単なる機械です。それをどう使いこなし、結果をどう判断するかが大切です。そういった部分も含めて、地域の皆さんが安心できる医療を提供していきたいと考えていますので、ぜひお気軽にご相談ください。

