清水 浩一郎 院長の独自取材記事
しみず内科・糖尿病・甲状腺クリニック
(川崎市高津区/二子新地駅)
最終更新日:2025/12/25
2025年11月に二子新地駅東口より徒歩30秒、二子玉川駅からも徒歩10分と好アクセスな立地に開業した「しみず内科・糖尿病・甲状腺クリニック」。清水浩一郎院長は、大学病院や総合病院などで長く研鑽を積んだ、内分泌代謝内科・糖尿病・甲状腺の専門家。同院では糖尿病や内分泌疾患に限らず、生活習慣病を含む内科疾患全般に対する専門的な診療の提供をめざしている。診察から検査、治療までなるべく院内で完結できるよう、血液検査や感染症抗原検査のほか、各種検査機器を導入。隔離待合室も備え、発熱などの風邪症状にも対応する。「将来の健康寿命の延伸と今現在の生活の質向上との両立をめざします」と意気込む清水院長に話を聞いた。
(取材日2025年11月26日)
さまざまな健康リスクに専門性の高い診療で対応
2025年11月に開業されたそうですね。

当院は、川崎市高津区で長年地域医療に貢献されてきた神奈川県医師会副会長・宮川弘一先生のクリニックを前身としています。私が開業を思い立ち、神奈川県医師会に相談した際、医院継承プログラムをご紹介いただき、宮川先生が当時所属されていた二子新地ひかりこどもクリニックの内科部門の継承を勧めてくださいました。宮川先生のおとこ気あふれるお人柄と、活気と落ち着きが共存する二子新地の雰囲気に惹かれ、継承を決意しました。開院後は発熱や咳などの風邪症状の患者さまが多く、隔離待合・診察室を設け動線を分けた診療体制を整えています。また、私の専門である糖尿病・甲状腺疾患の患者さまや、父の専門である呼吸器疾患の患者さまに受診していただく機会も増えていますが、宮川先生から一般内科や健診、予防接種の技術も受け継ぎ、訪問診療も開始するなど、地域の患者さまのお役に立てることは何でも取り組んでいきたいと考えています。
ご経歴をお聞かせください。
宮崎大学を卒業した後、宮崎大学医学部附属病院の内分泌・代謝・糖尿病内科で10年以上勤務し、幅広い専門疾患を担当しました。また、宮崎市内の総合病院でも糖尿病・甲状腺疾患の診療経験をたくさん積みました。父も医師で、現在も世田谷記念病院の院長を務めていますが、高齢の両親のそばで暮らしたいと思うようになり、宮崎から横浜市の平成横浜病院へ移りました。同院では内分泌診療経験をたくさ疾患に限らず内科全般を幅広く診療し、医師としての引き出しを広げる貴重な経験となりました。そうした中、これまで培った診療スキルをより直接的に患者さまにお届けしたいという思いが強まり、開業を決意した次第です。
今後、力を入れていきたい領域はありますか?

専門は糖尿病や甲状腺疾患などの内分泌領域ですが、生活習慣病全般を診ることが重要だと考えています。糖尿病は血糖値を下げれば良い病気ではなく、糖尿病性神経障害・糖尿病網膜症・糖尿病性腎症の三大合併症に加え、心筋梗塞や脳卒中など多くの合併症を予防することが診療の目的となります。これら合併症の背景には、糖尿病だけでなく高血圧・脂質異常症・高尿酸血症・肥満・喫煙・飲酒など、さまざまな要因が絡み合っています。そのため、血糖値だけでなく、血圧やコレステロール、尿酸値などさまざまな検査数値を総合的に整えていくことが不可欠であり、複数のリスクを同時に改善していくことが、合併症の予防につながると考えています。糖尿病だけでなく、生活習慣病や、健診で異常を指摘されての再受診、体調不調など、幅広い相談を入り口に地域の皆さんの健康を支え、健康寿命の延伸に貢献していければと思っています。
無駄のない薬剤で多くの効果を得られる治療をめざす
生活習慣病の治療はどのように進めていくのですか?

生活習慣病の治療は、単に検査上の数値を改善することが目的ではなく、その先にある脳卒中や心筋梗塞といった重大な合併症を防ぎ、将来の健康寿命を延ばし、QOLを高めることが本来の目標です。生活指導の際には、患者さまのお仕事や普段の生活リズムを伺って、無理なく続けていただけるよう工夫しています。例えば、食事では「まず野菜から食べて血糖値の上昇を緩やかにしましょう」など、できるだけ具体的なアドバイスを心がけています。一方で、生活習慣の改善によって病気そのものが改善するには時間を要しますので、患者さまのご病状をきちんと把握した上で適切な薬をご提案し、早期の改善が図れた場合は、薬剤を調整、減量、中止することも意識しております。
生活指導の際にはどのようなことに配慮されていますか?
患者さまの性格や感じる負担に応じて柔軟に対応することを大切にしています。もともと几帳面な方は、私が指示しなくても食事内容を記録したり写真を撮ったりされますが、一方で記録そのものがプレッシャーになってしまう方もいらっしゃいます。そのため、日記や記録を強制することはせず、ご本人のペースにお任せしています。また、食事制限を頑張りすぎるとストレスになり、長続きしませんので、必要に応じて「無理しすぎないようにしましょう」と、ブレーキをかけることもあります。高すぎる目標はかえって治療の意欲を削いでしまいます。ですから、その患者さまが越えられそうなハードルを設定することを意識しています。また、こちらが提案した内容への患者さまの反応を見て、反応が良くなければ別の方法を提案するなど、その方に合ったやり方を一緒に探していくよう心がけています。
患者さんの立場に立って診療を実践されているのですね。

そうですね。先ほど治療の目的を「健康寿命の延伸」とお話ししましたが、仮に検査結果が改善して将来の健康寿命の延伸が期待できたとしても、治療のために生活の楽しみが失われてしまっては本末転倒だと思っています。ですから、治療と生活の質のバランスを重視し、薬剤選択や生活指導でも患者さまが続けやすく、日常生活の負担にならない方法を一緒に考えるよう心がけています。また、薬を「足す」だけでなく、本当に必要なものに絞って「引く」ことも重要だと考えており、できるだけ少ない薬で最大の効果を得られるような治療をめざしています。
検査機器も充実、診断から治療までスムーズに対応
検査機器も充実していると伺っています。

はい。検査から診断、治療まで、できるだけ院内で完結できるよう設備を整えています。血液検査は一般的な項目のほとんどを院内で測定でき、生化学検査にも対応していますので、生活習慣病の診断・評価も迅速に行えます。特定健診の結果も即日お伝えできます。超音波診断装置、エックス線検査装置、呼吸機能の検査機器を備えており、甲状腺腫瘍、肺炎、喘息、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの当院の専門疾患も迅速な対応が可能です。検査機器を扱ってデータを見るのが好きなので、これからも設備を拡充していきたいと思っています。
ところで、先生が医師をめざしたのはお父さんの影響でしょうか?
父は勤務医でしたので仕事をしている姿を見ることはほとんどありませんでしたが、家で仕事の不満を口にすることは一度もありませんでした。そんな父を、子どもの頃から人として尊敬していました。医師を志した明確なきっかけがあったわけではありませんが、父の影響は大きかったと思います。実際に医師になってみると、患者さまに喜んでいただけることが何よりうれしく、この道を選んで良かったと心から感じています。特に糖尿病は、変化が数値として反映されやすく、患者さまご自身も経過を確認しやすい点が特徴です。また、患者さまの日常の変化に寄り添いながら、患者さまと一緒に病気改善に向けて喜びを分かち合えることが、医師としての一番のやりがいにつながっています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

生活習慣病はもちろんですが、健診の結果や気になる症状、体調不良など診断がついていない場合でも、遠慮なくご相談いただきたいと思っています。病気の可能性がある場合には、その糸口をできるだけ見逃さないよう丁寧に診察し、必要な検査をご提案します。さらに検査の結果、当院で対応できるものであれば、患者さまのご意向を大切にしながら、適切な選択肢を提示し、良い結果につながるよう努めてまいります。いつでも理想どおりになるとは限りませんが、診療には自信を持っていますし、安心して受診していただけるクリニックでありたいと思っています。健康に関することなら、ちょっとした不安でも気軽に頼っていただけるとうれしいです。

