清水 宏之 院長の独自取材記事
中野富士見町サニークリニック
(中野区/中野富士見町駅)
最終更新日:2025/12/25
中野富士見町駅から徒歩1分の「中野富士見町サニークリニック」。内科、外科、消化器内科、アレルギー科を標榜し、子どもから高齢者まで幅広い年代の症状に対応している。特に消化器領域に力を入れているが、清水宏之院長はもともと外科出身で、医師としてのキャリアは約40年となる診療経験豊富なベテラン医師。「患者さんと医師は敵じゃないですから、何に困っているのかをきちんと聞き出した上で、協力しながら治療に取り組んでいます」と、患者とのコミュニケーションを重視している。落ち着いた雰囲気で話をじっくり聞いてくれる清水院長に、クリニックの特徴や診察時に大切にしていることなどを聞いた。
(取材日2025年12月5日)
子どもから高齢者まで地域の幅広い年代に対応
医師を志したきっかけを教えてください。

医師を志した理由は、もう正確には覚えてないのですが(笑)、平凡な仕事ではなさそうだったから、ということでしょうか。そもそも子どもの頃から南極探検やアルプスの氷壁制覇などの冒険物語を読んだり見たりするのが大好きだったのです。自分から危険な冒険に挑むというタイプではないのですが、普通と違うことに憧れたのでしょうね。医師になり専門分野として外科を選んだのも、変化の多いところに惹かれたのだろうと思います。
開業にあたって、院内でこだわったところはありますか?
待合室はナチュラルで温かい雰囲気にしていますが、診療室は効率良く機能的に診療が行えるように、という考えが第一にあります。待合室は多くの方が座れるスペースを確保しておきたかったのと、混み合うことも想定して余裕を持った広さにしました。また、診療室の裏側の動線は、スタッフが仕事をしやすく、スムーズに動けることがとても大切なので、そこはしっかり意識しました。さらに、目立たない部分ではありますが、感染症対策として空気の流れにもこだわっています。換気扇を一つ設置するだけでは不十分なので、空気の入り口を設けて一定方向に流れるようにしました。ブラインド側を開けたりしながら、院内の空気が常に循環するよう工夫していますね。
患者さんの年齢層や主訴を教えてください。

年齢層はかなり幅広く、小さいお子さんからご高齢の方まで、本当にさまざまですね。当院は内科、外科、消化器内科、アレルギー科を標榜しているのですが、相談内容としては風邪やインフルエンザなど季節性の感染症が一番多く、全体の7~8割ほどを占めています。それ以外では、健診で異常を指摘されて受診される方や、以前から高血圧などの生活習慣病で別の医療機関に通っていたけれど、こちらでも相談してみたいという方がちらほらいらっしゃるといった状況です。
「病気」と「治療」を理解してもらうための丁寧な説明
クリニックとして大事にしていることを教えてください。

まず、医療というのは人の命や健康を扱う仕事であり、常に危険を伴うものだというのが大前提にあります。いい加減に対応すると、時に大きな事故につながってしまいます。患者さんの満足を優先することはもちろん大切ですが「言われたとおり何でもやる」という姿勢は逆に危険です。「ここは安全上こうしたほうが良い」と、専門家として伝えることも必要だと思っています。とはいえ、一方的に押しつけるのも違うと思っています。患者さんの希望を尊重しながら、安全性とのバランスを取ることが難しくも大切な部分です。そのために欠かせないのが、説明です。医療者はどうしても専門用語を使いがちですが、専門的な内容をできるだけわかりやすい言葉に置き換えて「通訳」することを心がけています。患者さんに理解してもらいながら、安全を守り、満足できる医療を提供することを最も大切にしています。
具体的にどのように説明されているのですか?
例えば、高血圧の治療で「なぜこの薬を飲むのか」「放置すると何が危ないのか」という説明がないまま、薬だけ渡されて「また来てください」と言われても、患者さんは何のために通院しているのかわからなくなりますよね。スポーツコーチの話で例えると、練習メニューを組んでやらせるのは簡単だけれど、それでは成果は出ません。なぜその練習が必要で、どう役立つのかを説明して初めて選手はやる気になり、結果も変わると思います。その考え方は医療にも通じ「よくわからないけれど医者に言われたから薬を飲む」という状態では、患者さんはやらされている感じになってしまいます。だからこそ私は「個別化」がとても大事だと思います。患者さんそれぞれの状況や年齢、生活事情を踏まえた上で、丁寧に説明することが必要です。医師と患者さんは敵同士ではないですからね。お互いに納得しながら、一緒に治療を進めていける関係を築いていきたいですね。
一人ひとりと向き合い、相互コミュニケーションを取ることを大切にされているのですね。

そうですね。患者さんが病状を正確な言葉で伝えられるとは限らないという前提で、話を聞くようにしています。例えば「胃が痛い」と言いながら下腹部を指す方や胸の辺りを押さえる方もいます。言葉をそのまま受け取って診察を進めてしまうと、ボタンの掛け違いが起きて、診断が違う方向にいってしまうことがあるんですね。医療として正しい診断につなげるためには「この表現は医学的にはこういう意味だな」と、こちらで整理して変換する作業が必要になります。だからこそ、言われたことをそのまま受け取るのではなく、丁寧に聞き出していく姿勢を大切にしています。言葉は人によって使い方も感じ方も違うので、同じ日本語でも意図が正確に伝わるとは限りません。そこをすり合わせて、お互いの理解を調整していくことが診療ではとても重要だと考えています。
検査体制を整えて地域医療に貢献する
検査体制について教えてください。

当院では、胃と食道の内視鏡検査に力を入れています。がんの早期発見という意味でも重要な検査ですし、異常がなければ「正常です」としっかりお伝えできることも大事です。正常という結果は「ゴール」ではなくて「スタートライン」なんです。正常であることを前提に、では今後どうしていくかという整理ができますから、そこが大きな価値だと思っています。バリウムだと写らなかっただけ、という可能性がありますが、内視鏡なら「ないものはない」と言えるほど精密に検査できます。また、腹部エコー検査にも対応しています。これはスクリーニング検査で、大きな異常を見逃さないことに役立ちます。さらには、基本的なエックス線検査ですね。これで肺炎などが見つかることがあります。
診療で心がけていることを教えてください。
私としては、信頼して来てくださる患者さんの不安や疑問に、きちんと応えられる診療をしたいという思いがあります。技術や検査というのはあくまで手段であって、それを使って必要な治療や安心を届けることが目的なんですね。そしてもう一つ大事なのは、スタッフが気持ち良く働ける環境づくりです。医療は私一人では絶対に成り立たなくて、スタッフの力を借りて初めて良い診療ができる。だからこそ、やりがいを感じながら生き生きと働いてもらえるようにしたいんです。コミュニケーションも、ちょうど良い距離感で関わるようにしていますし、待遇面でも不公平感が生まれないよう気をつけています。雇う側・雇われる側ではあっても、対等でありたいと思ってるんです。そうした環境づくりが、最終的には患者さんへの良い診療につながると感じています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

私自身、医師の仕事を「楽しみたい」という気持ちが根本にあります。もちろん仕事としての責任はありますが、それだけが目的ではなく、むしろ趣味に近い感覚で取り組んでいる部分もあります。患者さんの不安や疑問に向き合って一緒に整理していく作業も、楽しさにつながっています。外科を離れて開業医になって、自分はどこに面白さを感じているのか考えたときに、幅広い経験や知識を組み合わせて、その人に合った説明や選択をしていくことに魅力を感じるんだと気づきました。自分の言葉で伝えることで患者さんの理解や納得につながったりすると、それが私にとっての喜びでエネルギーにもなるんです。なので、どんな些細なことでも、気軽にご相談いただけたらうれしいですね。

