治療中の変化にも一貫して対応
小児矯正の進め方と相談のポイント
志賀本通たくみ歯科・矯正歯科
(名古屋市北区/志賀本通駅)
最終更新日:2025/12/15
- 自由診療
子どもの矯正を検討するとき、「治療はどのように進んでいくのだろう」と不安を抱える保護者は少なくない。写真撮影やエックス線検査、精密検査など、どの段階で何を行うのかがわかりづらく、治療を決めるまでに迷うケースも多いという。こうした疑問に対し、「小児矯正は、成長に合わせて段階的に進めます。内容を理解していただくことで、安心して治療に臨めると思います」と話すのは、「志賀本通たくみ歯科・矯正歯科」の内匠悟(たくみ・さとる)院長。同院では、相談から診断、矯正開始、矯正後のフォローまで一貫して行い、子どもの負担や家庭の状況に合わせながら、無理のない進め方を重視している。「まずは流れを知ることが、納得のいく選択につながります」と語る内匠院長に、小児矯正における治療のステップについて詳しく解説してもらった。
(取材日2025年11月20日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q子どもの歯列矯正はいつ頃から始めるとよいのでしょうか?
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A
6〜12歳頃が目安です。4〜5歳では装置に耐えにくく、下の前歯4本が生え替わる6歳前後が基準とされています。簡易なマウスピース型装置を用いた咬合誘導や、口腔筋機能療法(MFT)といった習慣改善でしたら、4歳頃から始めることも可能です。子どもの矯正は12歳までが適用範囲で、12歳でも治療自体はできますが、乱れが大きい場合は子どもの矯正では時間が足りず成人矯正へ移行することもあるため、10歳頃までに開始しておくと治療の選択肢が広がります。口腔内の成長をサポートし、成長がより良い方向へ進むよう手助けしていきます。
- Q歯列矯正にかかる期間や方法を教えてください。
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A
小児矯正ではおよそ12歳までを一区切りとし、メンテナンスも含めてトータルでサポートしていきます。その上で重要なのは、歯列が乱れている原因を丁寧に見極め、その背景に合わせた矯正方法を選ぶことです。期間については、口腔内の状態や選択する矯正方法・装置にもよりますが、実際に装置で力をかけるのは約1年〜1年半ほど。その後はメンテナンスで経過を確認し、乳歯から永久歯へと生え替わる中で、当初の計画を変更する必要が生じれば再治療を行います。当院の場合、矯正方法は顎を広げるための床矯正が中心で、必要に応じてワイヤーや成長を調整する装置を使います。顎の成長に合わせて装置を作り直した場合も追加費用はかかりません。
- Q矯正中に虫歯にならないか心配する人も多いのでは?
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A
矯正を始める前に、虫歯になりにくい状態をつくることが何より大切です。歯磨きの仕方や装置の扱い方を丁寧にお伝えし、毎日のケアができる状態になってから矯正を進めます。装置が入ると磨きにくくなり虫歯リスクは上がりますが、使用方法やケアのポイントを説明し、通院時にもこまめに確認するため変化に気づきやすいのが当院の強みです。もし矯正中に虫歯が見つかったとしても、当院でそのまま虫歯治療まで一貫して行えます。矯正を止めて他院に行く必要もなく、状況に合わせてすぐ対応できる点は、総合的に診療しているからこその強みだと思います。矯正中もお口の状態を総合的に管理しながら、安心して治療を進められる体制を整えています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1口腔内診査や歯型の採取、画像検査を受ける
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まず矯正相談として診察を受ける。口腔内の状態を確認するために口腔内写真や顔貌写真の撮影が行われ、現在の状況や治療の方向性、費用について説明を受ける。診察の段階で装置の使用が難しいと判断される場合や、虫歯治療が先に必要な場合、また矯正自体が不要と判断される場合もあり、その際は無理に治療を勧められることはない。
- 2矯正の計画を立てるために必要な精密検査に進む
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精密検査に進む場合は、上下の歯型の採取と、横顔のセファログラム写真の撮影を受ける。これらの情報をもとに、骨格のバランスや歯の角度が詳しく分析され、治療の必要性や適した方法が判断される。精密検査は、相談当日に行われることもあれば、型採りが難しい場合や時間が取りにくい場合には別日に実施される。
- 3矯正方法や期間、矯正中の注意事項の説明を聞く
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横顔のセファログラム写真、歯型の情報をもとに、骨格や歯の角度などの分析結果について説明を受ける。現在の口腔内の状態や治療の必要性、治療方法、使用する装置の種類や装着時間、自宅でのケアなど、治療の流れも示される。装置の特徴や負担については、イラストや画像を用いてわかりやすく説明してもらえるほか、取り外し式か固定式かといった選択も、子どもの性格や生活スタイルに合わせて相談できる。
- 4矯正がスタート
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装置が装着され、矯正開始。慣れるまでは月1回、その後は口腔内の状態に応じて2〜3ヵ月に1回の通院が目安となる。歯の動きが不十分である場合などは通院間隔を短くして密にフォローが行われる場合も。開始直後は痛みが出ることがあるほか、生え替わりにより装置が合わなくなれば調整や再作製が行われる。矯正期間を通じて大切なのは、装置周囲の丁寧な歯磨き。メンテナンス時には口腔内の清掃と装置の調整を同時に受けられる。
- 5矯正終了後も継続して口腔内の変化のチェックを受ける
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成長に伴う口の変化を確認するために、定期的なメンテナンスで経過を見ていく。12歳頃までは骨格が成長することもあるため、通院時には噛み合わせも併せてチェックされる。歯並びの仕上がりによっては大人の矯正を提案される場合があり、その際は子どもの矯正費用を差し引いた差額で移行が可能。各矯正方法の違いやリスクについても、治療後に丁寧な説明を受けながら検討できる。
自由診療費用の目安
自由診療とは精密検査料/3万3000円、小児矯正(マウスピース型装置を用いた咬合誘導・床矯正・ワイヤー矯正・マウスピース型装置を用いた矯正)/11~55万円、成人矯正(マウスピース型装置を用いた矯正・ワイヤー矯正)/77~88万円、調整料/1回4400円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

