年齢関係なく一度は検査を
突然死や事故を招く睡眠時無呼吸症候群
鶴橋駅前よしかわ内科
(大阪市天王寺区/鶴橋駅)
最終更新日:2025/12/15
- 保険診療
生活習慣病の一つであり、患者数が年々増加している睡眠時無呼吸症候群。睡眠時のいびきや呼吸が10秒以上止まるなどが代表的な症状だが、自身で気づくことは難しいため家族からの指摘で受診に至るケースが多いと、「鶴橋駅前よしかわ内科」の吉川秀人(ひでと)院長は話す。しかし、自覚症状が乏しいだけに見逃されているケースが非常に多く、気づいたときには重症となっていることも少なくない。放置すると脳卒中や心臓病など命に関わる疾患にかかるリスクが高まるため、同院ではそのリスクを下げ、患者の健康寿命を守るべく専用の外来を設置。急性期病院で循環器疾患を軸に、救急医療の経験も積んだ吉川院長が多角的な目線で診療する。簡易検査、精密検査ともに自宅で行える体制を構築しているという吉川院長に詳しく話を聞いた。
(取材日2025年11月11日)
目次
年齢問わず罹患している可能性がある睡眠時無呼吸症候群。安心を得るためにも自宅で行える検査を
- Q睡眠時無呼吸症候群とはどのような病気でしょうか?
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A
▲日常生活に支障が出てから気付くケースも多い
昨今、居眠りによる事故のニュースで睡眠時無呼吸症候群という病名を耳にする機会が増えました。代表的な症状としては睡眠時のいびきや無呼吸・低呼吸といった自分では気づきづらいものが挙げられます。生活習慣病の一種であり、患者数は年々増加しています。睡眠時の症状以外にも、倦怠感・頭痛、日中の強い眠気、集中力・記憶力の低下、やる気がでない、ED(勃起機能不全)といった症状が挙げられますが、こうした症状を年齢や疲れのせいと思い込んでそれが睡眠時無呼吸症候群とは思わずに検査や治療に至っていないというのが実情です。そのため、事故を起こしたり、日常生活に支障が出てから病気に気づくケースも少なくありません。
- Q睡眠時無呼吸症候群はなぜ起こるのですか?
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A
▲検査機器や治療機器は自分で取り外し可能
「肥満の方がなる病気」という印象をお持ちの方も多いかと思いますが、この病気になる要因は3種類あります。まず、加齢による筋力の低下、肥満などで舌が大きい、口呼吸、顎が小さいといった気道が狭くなることによって起こる「閉塞性」睡眠時無呼吸が一つ。次に呼吸中枢からの電気信号がうまく伝わらないことによる「中枢性」無呼吸症候群。これは心臓疾患などを併発している場合が多いです。そして閉塞性と中枢性が混ざった「混合性」睡眠時無呼吸。このように痩せている方も罹患します。また、子どももなり得る病気ですので、お子さんの睡眠時のいびきや無呼吸、集中力低下や落ち着きがないなど、気になることがあれば受診されてください。
- Q放っておくとどのようなリスクがあるのでしょう?
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A
▲命に関わる疾患につながる可能性も
放置すると高血圧や糖尿病など生活習慣病のコントロールが難しくなり、結果的に脳卒中や心不全、虚血性心疾患など命に関わる疾患につながる危険性が高まります。睡眠は1日の約3分の1を占めるほど重要ですが、無呼吸や低酸素が続くと本来しっかり休めるはずの時間に体が回復できずに、体の大事な臓器に大きなダメージを与えている可能性があるかもしれません。放置は「毎晩ダメージを与え続ける状態」ともいえるため、早めに検査し原因を確認することが非常に大切です。このように放置すると命への危険が高まる病気なので、日中に眠気がする、集中できない、いつもしんどい気がするなど違和感を感じたら、是非一度足を運んでいただきたいです。
- Q検査や治療法について教えてください。
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A
▲CPAPは自宅での使用が可能
検査は簡易検査と精密検査があります。まず、睡眠時の呼吸状態を計測する「簡易無呼吸検査」を行い、無呼吸の指数が規定数を超えている場合は、睡眠時に鼻マスクを着用し、専用の装置で気道へ空気を送り込み呼吸が維持できるようにする目的のCPAP(シーパップ)療法を実施します。また、簡易検査の結果でより詳しい検査が必要な場合は精密検査を実施。以前は一泊入院が必要でしたが、当院では新たな機器の導入により、簡易検査だけでなく精密検査もご自宅で行えるようにしました。そのため、費用も入院の場合と比較すると抑えることが可能。忙しいビジネスパーソンや入院にハードルの高さを感じる方も安心いただけると思います。
- Qこちらの睡眠時無呼吸症候群の診療の特徴は?
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A
▲CPAPの呼吸器は2種類
最大の特徴は、命に関わる疾患の早期発見につなげられることです。検査は簡易検査、精密検査ともにご自宅で行っていただけるので、費用のご負担だけでなく精神的なストレスも軽減できます。入院して行う検査はふだんと異なる環境で多少ストレスになるかもしれませんが、ご自宅ならいつもの環境で安心して検査できるのではないでしょうか。また、CPAP療法が必要となった場合は定期的な通院が欠かせないですが、当院は駅からすぐの立地なので通いやすく、治療の継続をしっかりサポートできるのも特徴ですね。そして私は心疾患を専門に多くの患者さんを診てきましたので、突然死につながる危険なサインを見逃さない自信があります。

