吉川 秀人 院長の独自取材記事
鶴橋駅前よしかわ内科
(大阪市天王寺区/鶴橋駅)
最終更新日:2025/12/15
「一人でも多くの命を救いたい」。一点の曇りもないまなざしでそう話すのは、駅からすぐの好立地にある「鶴橋駅前よしかわ内科」の吉川秀人(ひでと)院長だ。これまで急性期総合病院で循環器疾患を中心に一般内科や救急の医師として研鑽を積んできた吉川院長。一刻を争う救急搬送の現場において、患者の救命に全力を注ぐ一方、「こうなる前に防ぐ手立てを講じたい」という思いが強くなり、開院に至ったと語る。専門の心臓血管の外来、心不全の外来、不整脈の外来に加え、生活習慣病や健診、発熱の外来、予防接種を中心とした一般内科診療も実施。「地域のかかりつけとして、ご家族全員の健康をお守りできるクリニックになれるよう、皆さんとたくさん対話を重ねていきたいです」とほほ笑む吉川院長に、診療方針や地域医療にかける想いを聞いた。
(取材日2025年11月11日)
一人でも多くの命を救うべく利便性の高いエリアで開院
この辺りは学生時代によく立ち寄っていた場所だそうですね。

はい、複数路線の電車やバスが通っており、非常に利便性の良いエリアなので、通学だけでなく友人とよく遊びに来ていました。まさか自分がこの地で開院するとは思ってはいませんでしたが、当時すでに医師になることは決めていました。医師であった祖父と父を小さい頃から間近で見ていて憧れもあり、実は幼稚園の頃から医師になりたいと思っていたんです。その夢をかなえるために帝京大学の医学部へ進学。卒業後は急性期の総合病院で循環器疾患を中心に研鑽を積み、中でも心臓疾患に力を入れて取り組んできました。心不全、心筋梗塞、不整脈など、カテーテル手術も数多く担当。体力、精神面ともにつらいこともありましたが、その時の経験が「人の命を救いたい」という想いをより強くしてくれました。
数ある診療科の中から心臓の分野を専門にされた理由もお聞かせいただけますか?
きっかけは、お世話になった先輩からの勧めでしたが、15年以上この分野で診療を続けてきたのは、大きなやりがいを感じたからです。自分が担当した患者さんやご家族から感謝の言葉をいただいた時には、医師としてこの上ない喜びを感じ、この仕事を選んで良かったと強く思いました。今年10月に開院してからも、「先生に診てもらいたい」と来院してくださる患者さんがいて、本当にありがたいことです。診療は心臓だけに特化していません。お子さんから高齢者まで幅広い方が風邪や腹痛、インフルエンザをはじめとする予防接種、検診などでも来院されており、発熱の外来や睡眠時無呼吸症候群の外来も設けています。総合病院では「もっと早く受診していれば」と手の施しようがない場面にも直面し、救える命を増やしたいと思ったことが開院した理由ですので、生活習慣病の予防にも注力。退院後のフォローにも取り組み再発予防に努めています。
こちらではどのような検査が受けられるのでしょう。

当院では、院内採血と院外採血どちらにも対応しています。特に、心筋梗塞や肺塞栓、大動脈の病気など命に関わる可能性がある場合は、医師の判断で院内で当日に検査をします。そのほか、クリニックで扱っているところは少ないですが、心臓疾患の採血、各種エコー検査、エックス線、心電図、24時間心電図、肺機能検査、動脈硬化の程度を調べるABI検査、睡眠時無呼吸症候群の検査など幅広く対応しています。さらに、AI搭載のインフルエンザ検査機器も導入しました。これは保険適用が認められたAI搭載医療機器で、カメラで喉の奥を撮影し、インフルエンザ感染時に現れる特徴と問診結果を組み合わせてAIが自動画像判定を行います。従来のように綿棒で粘膜をこする必要がなく、発熱から24時間たたなくても診断可能です。検査結果はわずか数秒で判明するのも大きなメリットですね。
患者との対話を重視し包括的な診療に取り組む
お子さんや従来の検査に恐怖心のある方のストレスも軽減できますね。

従来の検査は痛みや不快感を伴いますからね。また、発熱して24時間待たずに即検査ができるため、すぐに受診できるのも大きなメリットと言えるでしょう。インフルエンザはご家族に感染することも少なくありません。その際は親子で来院いただくことも可能です。総合病院時代では、心臓疾患を専門に診ていましたので、60代以降の方の手術や診療が多かったのですが、開院後は10代から働き盛りの年代も多く、病気を未然に防ぐための予防にも積極的に取り組めるようになりました。例えば、喫煙や不規則な生活習慣によるリスクを伝え、生活習慣病の予防や管理につなげたりと、重篤な疾患になる前に策を講じることが私の役目だと思っていますので、全身を診る包括的な診療を重視しています。
患者さんと接する上で大切にされていることはありますか?
私は「対話」を何より大切にしています。人と話すことが大好きで、買い物でもスーパーより市場に行くほどです。市場では「子ども大きくなったね」「先生、最近どう?」と自然なやりとりがあり、同じ人と顔を合わせることで会話がつながっていきます。クリニックも同じで、患者さんと継続的に関わる場所だからこそ、ちょっとした会話が診療の質を高めると感じています。診察中に「お仕事は何をされていますか?」と伺うだけでも、その方の生活背景が見えてきて、共通点が見つかれば緊張も和らぎます。「私もそのお薬飲んでいますよ」「この前インフルエンザにかかりました」といった一言で距離が縮まり、「実はこんな相談も……」と本音を話してもらえることもあります。こうした対話を通じて、患者さんに寄り添う診療を心がけています。
駅と直結していますので、通いやすい点もメリットですね。

そこはとても重視しました。受診したいときにすぐ行けるというのも疾患の早期発見につながると思うんです。通うのが不便だから足が遠のいてしまったというのは、本来なら救える命を救えないことにもなりかねません。この周辺には心臓を専門に診ることができるクリニックが少ないので、そういった専門性の高さと利便性、相談しやすさも、早期受診へのきっかけになると思います。病気だけでなく、予防という観点においてもしっかり働きかけていきたいですね。また、インフルエンザにおいては先ほどのAI搭載の検査機器を導入するなど、その他の症状にもさまざまな機器を活用し、異常の早期発見と待ち時間を軽減できる環境を構築。患者さんのご負担を最小限にできるよう心がけています。
「人生100年時代」に寄り添うクリニックをめざして
健診での来院も増えているとお聞きしました。

はい、当院は一般健診だけでなく企業健診も行っています。健診においても私は患者さんの対話を重視しており、例えば、問診で息切れなどが気になるとおっしゃれば、心臓疾患の採血検査もすぐに実施します。検査は病気を見つけるだけではなく、安心を得るためでもあります。今はインターネットですぐに情報を入手できる一方で、その情報によって不安になられている方も少なくありません。特に心臓疾患はスピード感が求められます。当日に採血結果がわかることにこだわったのは、翌日だと命を落としている可能性もあるから。そうならないための早期介入に力を注いでいるので、少しでも気になることがあれば気軽にご相談ください。
「一人でも多くの命を救いたい」という想いを胸に日々取り組まれているのですね。
それが、開院を決意した一番の理由でもありますので、これまでのキャリアを生かした診療をしっかりとやっていきたいと思っています。風邪など一般的な内科診療に加え、生活習慣病の改善を図り、そして命に関わる疾患を見逃さないためのクリニックとして皆さんに頼りにされる存在になるべく、地域密着型で取り組んでまいります。ご家族に関するご相談も気軽にお声がけください。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

「人生100年時代」に寄り添うクリニックとして、地域の皆さんの健康寿命延伸に貢献したいと思っています。長生きできても健康でなければ楽しくありませんよね。これまで培ってきた経験を生かし、皆さんが健康体で長く過ごせるよう、早期発見・早期治療、再発予防に取り組んでまいります。エコー検査に関しては、心臓、頸部、腹部、腎臓脈など、乳腺以外は対応できることも当院の強み。症状や検査結果次第では、当院のすぐ近くにある大きな機関病院とスムーズに連携できる体制を整えています。皆さんが健康寿命を全うできるようサポートするのが私の役目。お気軽にお立ち寄りください。

