全国のドクター14,065人の想いを取材
クリニック・病院 156,460件の情報を掲載(2025年11月24日現在)

ドクターズ・ファイル会員でできること

予約情報をマイページ上で管理できます!

過去の予約を一覧化

予約内容の確認

予約の変更・キャンセル※

※一部対象外の医療機関もありますので、あらかじめご了承ください

会員登録がお済みでない方は

すでに会員の方は

  1. TOP
  2. 大阪府
  3. 三島郡島本町
  4. 島本駅
  5. むらい内科ダイアベティスクリニック
  6. 村井 啓了 院長

村井 啓了 院長の独自取材記事

むらい内科ダイアベティスクリニック

(三島郡島本町/島本駅)

最終更新日:2025/11/12

村井啓了院長 むらい内科ダイアベティスクリニック main

島本駅から徒歩1分。駅前の真新しいクリニックモール2階に「むらい内科ダイアベティスクリニック」は開業した。院長の村井啓了(むらい・ひろのり)先生は、内科全般に対応するかかりつけ医として、また日本糖尿病学会糖尿病専門医として地域の患者を日々支えている。「外来診療が一番好きだった」と振り返る村井院長は、病院勤務時代から患者との対話を何より大切にしてきた。糖尿病治療では、「できそうなことをまずは伝える」アプローチを重視。「少しでもできたほうがゼロよりは良いんですよ」と、一人ひとりに寄り添った無理のない現実的なアドバイスを送っている。島本町に開業を決意した経緯や同院の診療について取材する中で、フランクで魅力あふれる村井院長の人柄も見えてきた。

(取材日2025年10月21日)

糖尿病の専門家として地域のニーズに応えたい

島本町での開業を決められた経緯を教えてください。

村井啓了院長 むらい内科ダイアベティスクリニック1

大阪府済生会野江病院での勤務後期から開業を考え始めていたのですが、場所選びには正直悩みました。そんな時、偶然に島本駅前の再開発を目にしたんです。ニュータウンのように生まれ変わっていて驚きました。その一方、調べてみると島本町の辺りには糖尿病の専門家が少なかったんです。高槻まで苦労して通っている患者さんもおられますし、地域の内科の先生方も糖尿病治療の担い手の必要性を感じていると聞きました。大山崎町など周辺地域にも専門家が不足していることがわかり、ここで開業すれば地域医療に貢献できると確信しました。駅徒歩1分という立地と、クリニックモールの共用駐車場により、電車でも車でも通いやすい環境が整っていたことも決め手になりましたね。

外来診療に特にこだわりがあるそうですね。

はい、病院勤務時代から外来診療が一番好きだったんです。患者さんと話すことが本当に楽しく、性に合っていました。入院治療も大切ですが、糖尿病の場合、何度入院しても症状が治まらない患者さんが少なくありません。生活の中での継続が難しいのです。そういう方こそ、外来で診ていくことが重要だと考えていました。最近は薬の進歩もあって、外来で良好な状態をめざせるようになり、糖尿病治療は外来が基本になってきているんです。ですが、病院では一人ひとりの患者さんにじっくり時間をかけられないこともあります。開業医なら患者さん一人ひとりとしっかり向き合える。独立の大きな動機はそこにありました。

清潔感のある院内ですね。設備面などのこだわりを伺えますか?

村井啓了院長 むらい内科ダイアベティスクリニック2

白を基調とした、ナチュラルで清潔感のある空間づくりを心がけました。設備面に関しての最大の特徴は、HbA1c検査が院内で5分程度と迅速に結果を出すことが可能なことです。血糖値の管理には欠かせない検査なので、患者さんをなるべくお待たせせずにその場で結果をお伝えできれば、と考えました。実は院名も工夫したところです。「ダイアベティス(Diabetes)」は英語で糖尿病のことです。近年、「糖尿病」という名称がこの病気への誤ったイメージを広げている一因ではないか、という声が上がっているんですね。まだ耳なじみがない言葉かもしれませんが、糖尿病に対する新しい認識に沿った名称をつけたいと考え「ダイアベティスクリニック」としました。

「できることから始める」、親身に寄り添いアプローチ

糖尿病を診るにあたって重視していることは?

村井啓了院長 むらい内科ダイアベティスクリニック3

糖尿病専門医として、血液検査と尿検査による精密な診断を心がけ、治療では、生活習慣の改善と薬物療法のバランスを大切にしています。経験上、薬を使わずに改善したいという方もおられますが、必要な時は薬を使うほうが良いと、きちんとお伝えしています。特にインスリン自己注射が必要な方への対応には力を入れていて、地域で適切な管理ができるよう体制を整えています。健診で指摘されたことを機に相談に来る方も多く、早期発見・早期治療の重要性を日々感じています。

糖尿病以外にはどのような診療を行っているのでしょうか?

一般内科として風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症などの急性疾患にも対応しています。内分泌内科の専門性を生かして、バセドウ病や橋本病といった甲状腺疾患、原発性アルドステロン症などの診療も行っています。血圧が上がる病気として原発性アルドステロン症は最近見つかることが増えていますが、改善が期待できる適切な治療法があります。生活習慣病では高血圧や脂質異常症の治療も重要です。糖尿病・高血圧・脂質異常症の3つは密接に関連していますから、総合的に診ることを心がけています。また、精密検査が必要な場合は、高槻病院や大阪医科薬科大学病院と連携して対応しています。地域のかかりつけ医として、まずは何でも相談していただける存在でありたいですね。

患者さんへの指導で意識していることはありますか?

村井啓了院長 むらい内科ダイアベティスクリニック4

「できそうなことをまずは伝える」ですね。仮に改善すべきことが100個あるとして、いきなり「すべて改めましょう」というのは無理な話。まず1個だけ変えてもらうところから始めます。お菓子やジュースをやめるのは基本ですが、牛乳も食事の時にコップ1杯だけにしましょう、といった具体的で実行可能な提案をするんです。運動も理想としては週150分なのですが、少しでもできたほうがゼロよりは良いですから、週1回から始めましょうとお伝えしています。ご高齢の方か、若い方なのか、患者さんによって伝え方も工夫していますね。私はどちらかというとフランクなほうかと思いますし、画一的な対応ではなく、その方の生活背景や性格に合わせた指導を大切にしたいと思っています。

地域の誰もに信頼されるかかりつけ医をめざして

生活習慣指導の体制づくりについてお聞かせください。

村井啓了院長 むらい内科ダイアベティスクリニック5

食事と運動は糖尿病治療の三本柱に含まれる非常に重要な要素です。現在はまだ開業したてでスタッフも限られていますが、いずれは管理栄養士さんに来ていただいて、専門的な栄養指導ができる体制を整えたいと考えています。病院時代、管理栄養士さんのサポートの重要性を実感しましたので、そうした環境を当院にもつくりたいですね。最近の研究では、ご高齢の方こそトレーニングをして筋肉が落ちないようにすることが重要だとわかってきました。タンパク質もしっかり取っていただくことが重要なんですね。さらにいえば、生活習慣の改善は仕事の内容や環境にも大きく左右されます。しかし、転職を勧めるのは必ずしも現実的ではありませんし、どこまで患者さんの生活に踏み込んだアドバイスを送るか、その見極めも大切です。新しい知見も取り入れながら、一人ひとりに合った指導をしていきたいと思います。

地域のかかりつけ医としての役割をどう考えていますか?

内科のクリニックとして、地域の方に気軽に来ていただける存在になりたいですね。島本町は内科の先生が少ない上、近隣の先生方もかなりお忙しいと伺っていますので、手分けして地域の皆さんを診ていければと思っています。また、やはり糖尿病専門医が少ない地域なので、特にインスリンなど自己注射が必要な方への対応はしっかりしていきたい。他院の先生から、専門的な対応が必要な症例を積極的に引き受けて、地域全体の医療の質向上に貢献したいですね。当院は水曜以外の平日は19時まで、土曜も診療していますから、仕事で忙しい方も通いやすいのではないでしょうか。新規の患者さんでも、なるべく近い日程で予約を受けるようにしています。さまざまな形で地域を支え、皆さんに信頼されるクリニックに成長していきたいと考えています。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

村井啓了院長 むらい内科ダイアベティスクリニック6

健診で血糖値の異常を指摘されても、自覚症状がないからと放置している方が本当に多いんです。糖尿病は動脈硬化を進行させ、将来的に重大な合併症を引き起こす可能性があります。治療の目標は、そういった障害を起きないようにすること。今の生活を長く続けるためにも、早期の受診と継続的な治療が大切だと知っていただければうれしいですね。将来的には、町と連携して受診につながらない人へのアプローチや、発症前の予防啓発活動などの情報発信にも取り組み、地域全体の健康意識を高めていければとも考えています。糖尿病専門医として専門的な治療を提供しながら、かかりつけ医として何でも相談できる存在になり、「ここに来て少しでも気持ちが楽になった」と思っていただけるよう、これからも地域医療に貢献していく所存です。

Access