定兼 啓倫 院長、定兼 亜弓 副院長の独自取材記事
芦屋もみじ歯科
(芦屋市/芦屋駅)
最終更新日:2025/10/23
2025年9月1日、潮見町バス停留所から徒歩3分の住宅街に「芦屋もみじ歯科」がオープンした。地域のかかりつけ医をめざしている定兼啓倫(さだかね・ひろみち)院長と、その夢に寄り添う定兼亜弓副院長が夫婦二人三脚で立ち上げたクリニックだ。外観は白とグレーを基調としたスタイリッシュな雰囲気で、明るく清潔感にあふれる院内には、精度を重視し診断・治療機器を導入。一般歯科から小児歯科、矯正歯科、口腔外科、インプラント治療まで幅広く対応に努めている。穏やかな中にも地域医療への熱い思いが感じられる啓倫院長と、朗らかで温かい雰囲気の亜弓副院長に、同院への思いやこだわり、診療で大切にしていることなどを聞かせてもらった。
(取材日2025年9月29日)
歯科医師を志したきっかけは「家族」
お二人が歯科医師を志したきっかけを教えてください。

【啓倫院長】両親ともに歯科医師だったんです。父は地域に根差した開業医で、私は自宅の隣に診療所がある環境で育ちました。休日も、患者さんが自宅に訪ねてくることもあり、父はそれに快く応じていました。その姿を見て、自然と自分も歯科医師を志すようになり、さらに「専門性を追求するよりも、幅広い診療を担うジェネラリストでありたい」と考えるようになりました。
【亜弓副院長】私は漠然と「医療職に就きたい」と思いながら大学受験の準備をしていた頃、親族が肺の病で入院しました。その頃に口内環境と全身疾患の関係性を学び、口腔ケアの重要性を実感したことがきっかけでした。治療の薬と持病との兼ね合いについても担当医から説明を受け「医療は奥が深く、決して単純ではない」と感じました。そうした経験から現在に至っています。
開業するまでの経緯をお聞かせください。
【啓倫院長】それまで勤務していたのは歯周病を専門とする医療機関で、学術団体の講師を務めるなど教育機関的な側面もありました。歯周病の知識や技術を多く学べる環境でしたが、私は小児から高齢者、さらに在宅診療まで幅広く携わりたいという思いが強くなり、次第に開業を意識するようになりました。開業場所を探し続けながらタイミングを見ていたところ、ご縁がありこの地で開業する運びとなりました。
【亜弓副院長】夫が「町医者のような存在になりたい」と開業場所を探していました。このエリアは昔から住んでいる高齢者も多い一方で、近年はファミリー層が増えており、それでいて周辺には歯科医院が少なく、確かなニーズがあると感じたんです。
クリニックの名前の由来や、設計でこだわった点について伺います。

【亜弓副院長】住宅街にあることから、景観を損ねないよう落ち着いた外装を意識しました。待合室は曲線的なデザインで、間接照明を使っていたり、リラックスできる空間にしつつ、モニター映像を取り入れて待ち時間も退屈しないよう工夫しました。クリニック名の「もみじ歯科」は、私も夫も母校が広島大学なので、広島県の木である紅葉の木にちなんでおり、親しみやすい名前を選びました。
【啓倫院長】同業の先輩から「苗字ではないクリニック名にしておけば、自分が引退して別の院長が引き継いでも長く残っていく」と聞き、それが町医者らしくて良いなと感じました。名字の「定兼」は電話などで聞き返されることも多いので、より覚えていただきやすい温かみのあるクリニック名にしました。
丁寧な説明と、精度を重視した治療が強み
機器にもこだわっていると伺いました。

【啓倫院長】精密に診断を行うことが最も大切だと考えているため、機器にもこだわりを持っています。お口の中を3Dで詳細に映し出せる歯科用CTや、お口の中をスキャンして歯型をデジタルデータで取得できる新鋭の口腔内スキャナーを導入しています。撮影したデータは電子カルテに取り込んで蓄積しているので、長期的な経過をモニタリングすることができ、そうすることで小さな変化にも早く気づき、適切な対応につなげることが可能になります。
啓倫先生が診療において大切にしていることは?
【啓倫院長】私が特に大切にしているのは「説明」です。治療にはさまざまな選択肢があり、「誰にとってもパーフェクトな治療」は存在しないからこそ、患者さんが後から「そんな選択肢もあったのか」とならないように、メリットやデメリットを丁寧にお伝えし、納得した上で治療を決めていただきたいと思っています。そのために機器を活用し、視覚的に理解していただくことも大切にしています。また、治療を受けたからといって虫歯のリスクがゼロになるわけではありませんので、この先に起こり得るリスクを説明することも大切にしています。さらに、噛み合わせは全身への影響もあり、「そんな影響があるなんて知らなかった」と驚かれる患者さんは多いと思いますので、丁寧に伝えるように力を入れています。
亜弓先生はいかがですか?

【亜弓副院長】私が大切にしているのは、歯科医療を通じて、患者さんの生活の質向上につなげることです。医療の可能性は非常に幅広く、時間的な制約や金銭的な制約がなければできる治療はたくさんあります。ただ、その先に「生活がより良くなる」「楽しく、前向きになれる」ための治療でなければ意味がありません。だからこそ、医療者の考える治療方針を一方的に押しつけるのではなく、患者さんが何を望んでいるのかに耳を傾け、一人ひとりのご希望に真摯に向き合うことを大切にしています。そして、「家族にも受けてもらいたい」と思っていただけるような治療を、丁寧に提供していきたいと考えています。
子どもから高齢者まで「地域と歩むクリニック」
子どもにも優しいクリニックという印象です。

【亜弓副院長】ありがとうございます。クリニック内には、お子さんが待っている間に退屈しないよう、さまざまな工夫をしています。治療に関しても、不安や恐怖心が強いときには無理に進めることはせず、慣れてもらいながら段階的に取り組むようにしています。スタッフも子ども好きが多く、私自身も保育士の資格を持ち、現在小学生と年長の子育て真っ最中ですので、「歯磨きを嫌がる」とか「ダラダラ食べてしまう」といった悩みなどにも寄り添えると思います。お子さんは一人ひとり個性があるので「これが正解」というものはありませんが、保護者の方と一緒により良い方法を見つけていくためのお手伝いをしたいと考えています。どうぞ気軽にご相談ください。
今後の展望をお聞かせください。
【啓倫院長】私の究極の目標は「すべての人が生涯にわたり、自分の口で食べたいものを食べられること」です。お口の健康を通じて一人ひとりのより良い日常を支えていきたいと考えています。そのために、高齢者医療や入れ歯、矯正、嚥下など、幅広い分野について学びを続け、歯科医師としてもクリニックとしても成長を止めないようにしたいと考えています。
【亜弓副院長】生涯食べられることはもちろんのこと、いくつになっても楽しく会話を楽しめることも大切だと感じています。話しやすさや発音のしやすさは、口内環境のわずかな違いによって変わりますし、微細な調整が人生を楽しく過ごすことにつながります。私自身、こちらに開業したことで改めて学び直すきっかけをいただいたと感じています。
最後に、読者へメッセージをお願いします。

【啓倫院長】歯科医院が少ない地域で開業したこともあり、「これまでは遠くまで通っていたので助かる」と感謝のお声をいただくこともあり、とてもうれしく感じています。言葉だけでなく目で見てわかる丁寧な説明を心がけ、納得して安心して治療を受けていただけるよう努めています。スタッフも皆、人あたりが良く、子どもからご高齢の方まで安心して通っていただける体制を整えています。お口や歯で気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
【亜弓副院長】痛みを取るためだけではなく、いつまでもおいしく食事を楽しみ、心地良く会話ができるように、診療を通して毎日を支えたいと考えています。お子さんからご高齢の方まで、地域の皆さんに信頼される歯科クリニックをめざしてまいります。どうぞよろしくお願いします。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正/3万3000円~、インプラント治療/44万円~

