倉島 智洋 院長の独自取材記事
ボナファイド歯科代々木公園
(渋谷区/代々木八幡駅)
最終更新日:2025/10/15

代々木公園に程近い「奥渋谷」エリアに2025年9月開業した「ボナファイド歯科代々木公園」。和モダンの落ち着いた内装が印象的なクリニックで、倉島智洋院長が掲げるのは「誠実」な歯科医療だ。「審美性を求めれば、おのずと機能性もついて来る」と語る倉島院長は、見た目の美しさだけでなく、口腔全体のバランスを考慮した包括的な治療を得意とする。休日の勉強会参加にも意欲的で、歯科治療への純粋な情熱が感じられる。90歳を超えても現役の歯科医師であり続ける父のように「患者さんから信頼される歯科医師になりたい」と意気込む倉島院長。開業への想いや治療哲学、そして生涯をかけて追い求める歯科医師像について話を聞いた。
(取材日2025年9月22日)
「誠実」な歯科医療へ懸ける想い
代々木公園エリアに開業された経緯を教えてください。

都内で開業したいと考えていたのですが、ビル街よりも住宅地の雰囲気がある落ち着いたエリアを探していました。代々木公園周辺は都会でありながら公園もあり、環境が良い。「奥渋谷」と呼ばれるこのエリア独特の雰囲気に惹かれたんです。実際に歩いてみると外国人居住者も多く、国際的な環境でもありました。内装を和テイストにしたのも、グローバルな視点で日本らしさを表現したかったから。また住宅地を選んだ理由は、患者さんと長期的な関係を築きたかったからです。会社の近くだと転職や退職で通えなくなることもありますが、住んでいる場所なら長く付き合っていける。治療が終わったら終わりではなく、その後も検診で来てもらい、一生お付き合いできるような関係を築きたいと思っています。
歯科医師としてのこれまでの経歴を教えてください。
2016年に東京歯科大学を卒業後、東京医科歯科大学(現・東京科学大学)で研修医として過ごしました。その後は都内の医療法人の新橋と所沢の分院で勤務。まったく違うエリアでの診療経験が今に生きています。基本的に治療が好きなんです。勉強するのも全然苦じゃなくて、休日の勉強会も楽しみの一つでした。臨床はもちろんですが、勉強会で学ぶことも多かったですね。矯正も補綴もインプラント治療も、幅広く学んできました。お口のことに関して何か聞かれた時に、何でも答えることができるようになりたい。そういう気持ちで勉強し続けてきましたし、これからも一生続けるつもりです。
クリニック名にはどんな想いが込められていますか?

「ボナファイド」には「誠実」という意味があります。患者さんに対して誠実で、歯科医療に対しても誠実でありたい。実は父も歯科医師で、母は歯科衛生士なんです。小さい頃から仕事の話を聞いて育ったので、自然と「正しい治療」や「誠実な治療」という考え方をするようになりました。歯科医師になる前は楽をしようと思っていた時期もありましたが(笑)、勤務医としていろいろな治療を見るうちに、何が適切で何がそうでないかがわかってきたんです。自分が正しいと思うことをする、それが私の診療スタイルです。
口腔全体を診る包括的治療へのこだわり
特に力を入れている治療について教えてください。

失ってしまった歯を美しく回復したり、よく噛めるようにしたりするために行う補綴治療が一番好きですね。単に削ってかぶせるということではなく、口腔内を包括的に診て機能改善をめざしていくことが大切だと考えています。歯1本だけを見るのではなく、全体のバランスを考えることが重要です。輪郭とのバランス、顎の位置から歯の位置、噛み合わせまで分析して、口単位で診断していき、その人の今後をどうサポートしていくか、将来まで見据えた治療計画を立てています。審美的な要素も重視していますが、きれいにするためだけでなく機能的にもなるような治療をする。科学的に美しいものは機能的にも優れているという考えで診療にあたっています。
審美性と機能性のバランスについて詳しく教えてください。
歯科治療で大事なのは、審美・機能・構造・生物学的要素の4つをバランス良く満たすことです。見た目だけきれいにしても、この4つが成り立っていなければ良い治療とは言えません。一見きれいで美しく見えても、科学的な裏づけがない美しさは長続きしない。バランスが取れているのはどういう状態か、きちんと説明することが大切です。やみくもに削るのではなく、どこまで削るか、どういう材料を使うかも重要。患者さんが何をどうしてほしいのかという希望をよく聞いた上で、それを実現するための方法とリスクも説明して、選んでもらうようにしています。
患者さんへの説明やカウンセリングで心がけていることは?

初診は1時間取って、じっくりお話を伺うようにしています。歯科の治療って、ほとんどの人がわからないと思うんです。わからないまま進めるより、自分の歯がどうなっていて、なぜその治療が必要なのかを理解してもらいたい。カウンセリングには30分以上かけることも多いです。応急処置はもちろんしますが、検査して全体を診てから本格的な治療に入ります。「とりあえず痛いところだけ」という患者さんには向かないかもしれませんが、口腔内への意識が高く、しっかり治療したいという患者さんの手助けができれば良いと思います。自分の歯の価値をわかって、ご自身に合う治療を選択できる方とお付き合いしていきたいと思っています。
チーム医療と長期的な信頼関係づくり
歯科技工士さんやスタッフの方との連携について教えてください。

歯科技工士さんとのコミュニケーションは特に大切にしています。模型を送るだけでなく、電話でのやりとりも多いです。指示書には「後で電話するので細かいことはそこで」と書くことも。補綴治療では診査診断が一番大事で、設計図ができていれば、後は間違えないように作っていくだけ。でも、その設計図を歯科技工士さんにきちんと伝える必要があります。良い補綴物を作るためには意見を言い合える関係性が大切なのです。スタッフ教育についても、歯科衛生士さんが関わる予防や歯周病の分野で、私が知っていることを共有したり、勉強会への参加を支援したりしています。自主的に学ぶ意欲がある人を採用しているので、皆積極的に学んでくれています。
今後どのような歯科医院にしていきたいですか?
患者さん一人ひとりのことをじっくり考えた診療をしたい。口の健康に関心がある方に合った歯科医院にしたいんです。いろんな歯科医院があって良いと思うので、その中でそういう分野を担えたら良いなと。地域に根差して、ファミリーで来てもらって、しっかり歯について、お口について考えられる方に来てもらいたい。住宅地を選んだのも、長く付き合っていきたいから。治療が終わったら歯科医院との関係も終わりではなく、その後も検診で来てくれて、本当に一生お付き合いできるような関係を築きたいですね。
最後に、理想とする歯科医師像について教えてください。

そうですね、患者と歯科医師という関係を超えて、一人の人と人として長く付き合っていける歯科医師でしょうか。現役で診療する父が、まさにそういう歯科医師なんです。父も辞めるに辞められないみたいで(笑)。「誰が私の歯を診るんですか?」と患者さんに言われているようです。高齢になっても必要とされるのは、技術だけでなく、人柄も大きいと思います。患者さんから信頼されて、長く地域に寄り添える歯科医師。そういう信頼関係を築ける歯科医師をめざしたいと思います。治療の面では、患者さんにはわからない部分でも、自分自身が納得できる治療をすることを意識しています。歯科治療は肉眼ではわからないミクロレベルの質が大事なので、患者さんに満足いただくだけでなく、その中でも自分としてもうまくいったな、きれいにできたなという治療ができればうれしいですね。これからも妥協せず、誠実に、患者さんと歯科医療に向き合っていきたいです。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正/表側矯正:110万円~、インプラント治療/55万円~