大嶋 嘉久 院長の独自取材記事
アーク矯正歯科クリニック
(横浜市栄区/大船駅)
最終更新日:2025/09/10
「アーク矯正歯科クリニック」は栄区では数少ない矯正専門歯科医院。大嶋嘉久院長は、大学病院や近隣地域の矯正専門歯科医院の副院長を務めた後、栄区の地域住民の役に立てればとこの地に開業した。院名の「アーク」は歯列や弧を意味する英語のアーチの語源で、同時に明るい未来への架け橋になれるようにとの意味が込められている。星のように見えるロゴマークは矯正装置をつけてきれいに並ぶ歯がモチーフだ。患者が何を望んでいるかを常に考え治療にあたる大嶋先生。取材時も丁寧に的確に応対してくれる姿から患者と向き合う時の真摯な姿勢が伺えた。休日は子どもたちと野球をして過ごす「イクメン」パパの顔も持ち合わせる大嶋先生に、矯正の魅力や診療ポリシー、将来の展望について話を聞いた。
(取材日2012年4月25日)
満を持して開業した栄区で数少ない矯正専門歯科医院
なぜ栄区に開業されたのですか?

当院を開業する前は、藤沢市内の矯正専門の歯科医院で院長を務めていました。その時の患者さんが栄区から来られている方が多かったので調べたところ、栄区内には矯正を専門とする歯科医院が少なかったんです。開業する時は慣れ親しんだ藤沢か実家のある宇都宮でと考えていたのですが、そういったことからこの地域での開業を考えるようになりました。歯科医師である父に相談したところ、矯正専門の歯科医院を開業するのであれば、宇都宮よりも歯並びに対する意識の高い人が多い横浜のほうがよいだろうと言ってくれたこともあり、2011年3月に開業し今日に至ります。
歯科医師になられたのはお父さまの影響が大きいのでしょうか?
そうですね。僕は、実は学校の先生になりたかったんです。でも、いとこが先に歯科医師になり「歯科医院の息子が歯科医師にならないわけにはいかない」と親戚からもプレッシャーをかけられ(笑)、とりあえず歯科医師免許を取ってから将来のことは考えようと歯科大学に進学しました。その後卒業間近になった頃、矯正科の先生から大学病院の矯正科に来ないかと誘われ、入局試験を受けたら合格が決まって。断りきれずそのまま大学病院の矯正科に進むことになりました。手先が器用だったことで声をかけられたのですが、国家試験に受かる前だったので正直そちらに必死で、矯正歯科の楽しさや魅力などよくわからない状態でした。父は僕が実家の歯科医院を継ぐものだと思っていたようですが、矯正専門の歯科医師になったので後継ぎにするのは諦めたようです。今は1ヵ月に一度宇都宮まで行き、実家の歯科医院で矯正の患者さんも診ています。
その後、どのようにして矯正の魅力にのめり込んでいかれたのですか?

矯正歯科について勉強していくうちに、一般歯科との違いに惹かれていきました。一般歯科は穴を埋めるなど悪くなった歯の修繕がメインの治療に対し、矯正歯科は一からきれいなものを作るというクリエイティブな作業になります。道路の補正ではなく新たな道を作り出す仕事のように、ゼロから何かを作り出すことに魅力を感じ引き込まれていきました。また、治療を終えた患者さんに物凄く喜んでもらえるとこちらもうれしいですね。親御さんや周りの人たちにまで感謝されたときには、「そんなに喜んでいただいてありがとうございます」と思わず言ってしまったくらいです。
患者の希望に沿った治療プランを提案
患者さんはどのような方が多いですか?

7、8歳のお子さんから30代の方が多いですね。ほとんどが女性です。男性は1、2割程度ですね。時間がかかってもきれいな歯並びにしたいと考える女性に対して、男性は早く治したいという気持ちが強いので諦めてしまう人が多いですね。カウンセリングには来たけれどやっぱり治療はしないという人もいます。そういった患者さんに対しても、僕は矯正歯科の歯科医師なので「治したほうがいいですよ」とは言いますが、治療を始めなくても痛みが起こるわけではないし急ぐ必要もありません。最終的には患者さんが治療をしたいかどうかなので、「治療をやってみたいと思ったら来てください」とお声がけするようにしています。中にはカウンセリングから3年後に治療開始の連絡をくださる方もいらっしゃるんですよ。
診療のポリシーを教えてください。
僕のポリシーは僕の考えを患者さんに押しつけないことです。矯正治療の方法は歯科医師によってさまざまで、自分のやり方に確固たる自信を持って患者さんに治療方法を提案するのですが、患者さんが望んでいないのに歯科医師側の考えを押しつけることは違うと感じています。歯科医師が最善だと思っている治療方法が必ずしも患者さんにとって最善だとは限らないと思います。ですから、僕はカウンセリングには時間をかけ、患者さんが何を望んでいるのかを聞き、それに合った治療方針を提案するようにしています。日常会話を交え、患者さんと会話のキャッチボールをしながら、複数のプランの中から最適な治療方針を患者さんが選択できるようにしています。患者さんが満足して「良くなった」と感じてくれることが一番だと思うので、患者さんのどんな要望にも応えられるようにさまざまな技術を学び、引き出しをたくさん持つようにしていますね。
ご自身も矯正治療を経験されているそうですね。

はい。20代の時、歯並びの悪い矯正歯科の歯科医師は説得力がないと思ったので治療をしました。自分で装置をつけた経験がなければ患者さんのつらさがわからないですからね。実際に治療を始めてみるとやっぱりつらかったです(笑)。でもその経験があったからこそ、患者さんにより具体的なアドバイスができていると思います。例えば、治療中は歯磨きがしづらいのですが、ただ「しづらいですよ」と言うだけでなく、物が詰まりやすい部分をあらかじめ教えるようにしています。また、唇の違和感が起こらないようにする対策や、ひっぱられる痛みが出る時期、装置をつけていても食べやすい物など実体験に基づいたお話をして、できるだけ不快感なく過ごせるように対応しています。
「歯並びならアーク」と言われるような存在に
良い矯正歯科の歯科医院を見つける方法はありますか?

矯正歯科について専門的に研鑚を積んだ歯科医師がいる歯科医院をお勧めします。かかりつけの歯科医院があれば、その先生から紹介してもらうといいと思います。自分で探すのであれば、気になる歯科医院に通っている患者さんのクチコミや感想を参考にしてみるといいですね。また、学校での歯科検診は歯科医師会に入会している歯科医師が行いますので、検診で指摘された際などには歯科医師会に入っている先生の中で紹介してもらうこともお勧めしています。いくつかカウンセリングを受け、セカンドオピニオンやサードオピニオンを求めるのも効果的ですが、歯科医師によってそれぞれこだわりがあり聞けば聞くほど迷いが出てくる場合があります。いくつか足を運べば雰囲気や相性の良しあしがわかると思うので、フィーリングや好みも考え信頼できる矯正歯科を選んでくださいね。
今後の展望をお願いします。
患者さんだけではなく地域に住む人みんなが認めてくれる歯科医院になりたいですね。矯正治療は結果が出るまで時間がかかるのですぐには難しいと思いますが、今治療中の患者さんの歯並びがきれいになった時に「アークで治したんだ」と話題になり、それが少しずつ広がって「歯並びと言えばアーク」と地域の皆さんに当たり前のように言ってもらえるのが理想です。専門の歯科医師として矯正治療の良い面も悪い面も伝え、一般の歯科医院には相談しにくいようなことでも患者さんが話せる存在として地域に根づいていきたいです。当院が発信地となって矯正治療をしている人同士のネットワークが広がることで、地域の皆さんの歯並びに対する意識がさらに高まるように貢献していきたいと思います。
読者にメッセージをお願いします。

矯正治療するかどうかは別として、歯並びのことで少しでも気になることがあれば、一度かかりつけの歯科医院や矯正専門の歯科医師に相談してみてください。自分の歯が何本あって歯並びがどうなっているか意外に知らないものですよね。矯正する必要があるのか、このまま放っておくとどうなるのかなど、自分の歯の状態を把握しておくことが大切だと思います。最近は学校の歯科検診で指摘されることも多くなりました。無料カウンセリングや虫歯のチェックと合わせて歯並びを見てくれる歯科医院もありますから、歯並びの健康診断のようなつもりで気軽に足を運んでいただきたいです。ご自身の歯並びがどうなっているのか知るきっかけになればいいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正/裏側装着:101万2000円~、表側装着:79万2000円~、マウスピース型装置を用いた矯正:74万8000円~、部分矯正:13万2000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

